透析を生きる

人生に「透析」が入ってきた。今は腹膜透析のおかげで生かされています。その様子を日記にまとめています。

地震と透析

2024-01-09 12:39:39 | 日記

元旦の能登地震、毎日ニュースを聞くたびに心が痛いです。お亡くなりになった方々へ心よりお悔やみ申し上げます。また被災され避難生活を送られている方々へも心よりお見舞い申し上げます。

多くの方々がそれぞれの形で支援をされておりますが、私は登山家の野口健さんが代表のNPOを通じて寝袋を送りました。道路などロジスティクスが破壊されておりますのでどれくらいで届くかはわかりませんが、必要な方に素早く届いていることを願っています。

病院やクリニックなどの透析施設が地震によって被害にあった際、血液透析をされている方々に対するバックアップ体制はどうなっているのか知りたいところです。腹膜透析の場合は、自宅に何日か分のストックがあれば自宅で透析ができるものの、ストックがあまりなかった場合、ロジスティクスが破壊されている中で予定通り次の配達がちゃんと行えるのか疑問です。

筆者が腹膜透析へ移行する際、そのメーカーをバクスターにするかテルモにするか看護師から聞かれました。筆者の選択はテルモでした。排液バック/透析液とお腹のカテーテルをつなぐコネクターのところは断然バクスターの方がすっきりしていてデザイン性も良かったです。また機械で滅菌しながら接続したり外したりするので衛生的にも優れておりました。一方テルモのそれは、手動での接続、切り離しになるし、また接続のコネクター部門も結構大きく、Tシャツを着た時にポコッと膨らみが分かってしまいます。そのためデザイン性に優れより衛生的なバクスターにするか野暮ったいけど手動のテルモにするかかなり悩みました。結局はテルモを選択したのですが、決め手は地震などの災害時を想定して「電気がなくとも可能な方」という基準で選んだ次第です。そのため計りも電子計りではなく、吊り下げ計りにしました。それであれば透析液の在庫さえあれば透析ができます。

バクスターかテルモかを決める際に、看護師さんへ繰り返し「地震でロジスティクスが破壊された際はどうなるのか?」を聞きました。が、答えはどの看護師さんも「大丈夫です。病院である程度在庫を持っているので取りに来て頂けます。」と。また透析施設が破壊されてときなどは?「大丈夫です。他の施設で可能なところで受けて頂けます。」と。でもちょっと待てよ。今回のように地震によって道路が破壊された場合、そして自家用車も使用不能になってしまった中でどうやって?という疑問が残ったままです。血液透析患者さんへ病院側からもしもの場合の代替施設についての話って行っているのでしょうか。腹膜透析患者さんの場合、例えば筆者の場合はマンション暮らしで広さに制限があるため、透析液一度の配達は14日分にして頂いていますが、もし地震によって壊滅的なダメージを受けて配達が不可能になった場合どうしたらよいのか。透析なしでどれくらい生きられるのか。次回の外来の際にでももう一度聞いて確認しておきたいと思います。

今回の地震で被災された方々の中で透析を受けられている方々のことを思うと、心中さぞご不安かとお察しします。一日も早い復旧を願っています。


再入院のススメ? 食事内容の見直し

2023-12-25 11:20:55 | 日記

食事に関して。入院中しっかり管理されていた食事内容、退院後も継続して管理してはいるものの、しばらく経つと次第に崩れてくる。

当初は電子計りやネット等でカロリー計算をしながらとっていた食事も、だんだんと目分量になり、それがどんどんアバウトになっていく。塩分も、自分では気を付けているつもりでも外来での血液を採ってをみると、9gや10gという結果がでていて、あるときなどはついに11gまでなった。塩分が高くなると、それにともなって高いの水分も多くなるので体重も増えていく。

そんなある日、ちょっと下痢気味かなという日があった。そして透析液の排液がかなり減り、ある朝の排液時にこれまでにないフィブリンがでて、かつ排液が白く濁ったものがでてびっくりした。その日、たまたま病院に行く用事があったので、行った際に看護師さんに携帯で撮った排液を見せると、「すぐ検査してみましょう」となった。その後診察室に呼ばれ、ドクターから一言「腹膜炎です。すぐに入院して下さい。」と言われ、その日の午後から入院した。

幸いにして腹膜炎特有の症状、激しい下痢や腹痛、発熱などは一切なく、本人は全く普通の状態で入院し、2週間病院食を頂くことになった。

カテーテルを挿入する手術をして腹膜透析を開始してから約9月が経ったころだった。改めて病院食を頂くと、直近まで自分が取っていた食事と量や内容、そして塩分もかなりかけ離れたものであることに嫌でも気づかされる。これまでに食事内容について大いに反省させられる。これでは確かに体重が増えるわけだ。なかなか除水が進まず足の浮腫みも改善されないわけだ。血圧も高いわけだ。などとすべてに合点がいった。それで今後はこの病気食のメニューを参考にしようと、毎食配膳されるたびに携帯で写真を撮り始めた。添付されている献立も捨てずにキープした。

退院後は誰でも、病院の気分が多分に残っているため節制状態を続けることができる。が、それも2週間、3週間と経つとだんだんと崩れてくる。特に腹膜透析患者の場合は、それまでの腎臓保存期の食事制限が、例えばタンパク質は一日に21gまでとか、生野菜や生果物はカリウムが多いのでダメだとか、かなり厳しい。それが腹膜透析に行こうするとガラッとか変わり、タンパク質などはむしろ「取って下さい」となるのでとんかつや焼き肉なども健常者に近いくらい食べることができるようになる。外食の機会も増える。そうなると自然に塩分接種量も多くなる。これではいかん。

腹膜透析開始から9月で再入院。そのおかげでこれまでの食事内容を振り返り、反省し、それをリセットして「退院後はしっかり管理していこう」という意欲につながった。で、結果は如何に?現在は退院して3か月が経ったところ。確かに始めのうちはしっかり管理できていた。袋菓子などは一切やめた、はずだったが、最近は少し食べてしまっている。頂きもののお菓子なども最初は「いらない」と跳ね返していたが今はありがたく頂いてしまっている。心弱いなあ。

入院は、できればしたくはないが、筆者のような心がすぐに折れてしまう人には定期的な入院は悪くないかもしれない。

 


塩分と除水、そして足の浮腫みの関係

2023-12-21 17:43:08 | 日記

血液検査の時は必ず「一日の塩分接種量」についてドクターから確認と指摘がはいる。これは腎臓の保存期から腹膜透析をしている現在も同じだ。ドクターから言われている目標値は「一日あたり6g」。自身のそれは一時「11g」ほどだったが前回の血液検査の結果は「6.7g」だった。自分としてはかなり節制して食事にも気を付けたので6gを切っているのではという期待があったため少なからず落胆したのだが、意外にもドクターと看護師は「ずいぶん頑張りましたね」と褒めてくれた。

血液検査における塩分接種量の数値は、実は正確とは言えない、それはあくまでも目安だ、と別のドクターからこそっと教えてもらったことがある。確かに自分ではとても頑張ったつもりでも10gを下回らなかったことがこれまで何度もあった。ただ直近二回の検査(現在は一か月に一度通院しているので二か月といういみだが)では6.7gだったので塩分接種量はある程度管理出来ているものと思う。

「塩分1gは、130ml~140mlの水分を体の中にキープ」してしまう、とあるドクターから聞いたとき、なぜ足の浮腫みが取れないか、なぜそんなに食べていないのに体重が増加するのか、その理由が分かった気がした。これまで外来に行くたびに「塩分気をつけてくださいね」とは言われていたもの、理論的に「塩分を1g接種すると、体は130ml~140mlの水を体内にためてしまいます。腎臓が健康であれば余分な水分は尿として排出されますが、透析を始めて尿量が減ってくると、その余分な水分も体内に残るわけですから体重が増えたり足の浮腫んだりします。」と言って頂いていたら、自分の場合約9か月間も続いた足の浮腫みは、もっと早く改善していたに違いない。

9月に再入院した際、体重は73㎏あったのだが、2週間後退院した時は66㎏だった。入院中の食事は病院食以外はないし、病院食は塩分、カロリーがしっかり管理されていることに加えて、飲水量も自分なりに節制してできるだけ飲まないようにした。その結果の7㎏の減量と思う。(筋肉量も減ったと思うが)そのほとんどが「除水」。ほぼ7リットルの水が抜けた、というか7リットルもの余分な水が体に溜まっていたと考えると恐ろしい。そして退院後も継続して管理し体重が61㎏までなり足の浮腫みは無くなった。

今回のテーマは非常に重要で、塩分接種量のみならず、飲水量や尿量、接種カロリーなど、それぞれお互いに関係し合って、体重、血圧、そして足の浮腫みななどといった症状として表れてくる。あらためて書こうと思っているが、まずはなんと言っても塩分だ。でもこれ、腎臓が健康な健常者の方々の場合はすべて自動的に体が対応してくれるのでホント人間の体とはすごいものだと感嘆させられるなあ。

 


尿量が増えた理由

2023-12-19 11:23:35 | 日記

一日の尿量は100mlを切るといわゆる「無尿」状態と言われる。腹膜透析を開始した当初1000ml以上/日あった尿量も、日が経つにつれ800ml、500ml、300mlと減っていき、とうとう100mlを切る事態となってしまった。

ドクターからは「透析をやりだすと(尿は)だんだん減って行って、終いにはでなくなりますから。」と説明は受けてはいたが、開始してから約8カ月ほどで、こんなにも早く「無尿」になるとは思わなかった。これはドクターも看護師さんも「早すぎる」と感じている様子で、「フロミセド」3錠に加えて「サムスカ」1錠を処方してくれた。が、尿量が改善する、増える、ということはなく、ついに30ml/日程度までなってしまった。

さあ、これからどうするか?なんとか尿量を増やせないあ自問していろいろ試してみることにした。まずは飲水量を増やしてみて。一日1000mlまでという制限の中、除水がうまく行かず足の浮腫みが取れないでいたため飲水量は400ml~500mlに抑えていた。これをまず800mlくらいまで増やした。でも目に見えるような効果はなかった。次に考えたのが「鍼」と「灸」で、鍼灸師へ通い始めた。計3回やってみた。が、尿量の変化はない。鍼や灸はじわじわとと効いてくると言われているので時間がかかるのだろうか。

そんなことをやりながら2か月ほどたったころある日、朝起きて、久しぶりに「尿意」を感じてトイレに行った。するとなんと一回で100mlでたのだ。その日は夜に50ml出たので合計150ml/日。そしてその日を堺に一日120ml~150mlほど出るようになった。理由はというと、正直わからない。飲水量はだいたい800ml/日。透析による除水量は700ml~1200ml/日。尿量は150ml、という日が続いた中で、先週の土曜日、一日の合計が220mlという結果で出て家内共々驚いた次第。

尿量が増えた理由。いまだ確固たる理由は分からない。鍼か、灸か。歩くことに努めたのでそれが良かったか。ただその土曜日に関してはひとつだけ透析開始後これまでとはことなったことをした。それは「紅茶」。(腎臓)保存期、尿量になんの問題もなく日に2000mlほどでていたころは好きな紅茶をがぶ飲みしていた。透析開始後は飲水量の制限がかかり、当然のことながら飲んでも80mlほどに抑えていた。その土曜日は外食したランチで1杯、家に帰って来てから2杯飲んだ。一杯120mlほどとして計360mlほどの紅茶を飲んだことになる。紅茶自体が利尿作用のある飲み物なのでそれが功を奏したのか。いずれにしても、鍼、灸、歩くこと、紅茶を続けてみたいと思っている。

「おしっこはお宝です」とドクターから言われていて、当初は「そうなん?」くらいにしか思ってはいなかったが、今は心から本当にそう思う。「おしっこはお宝」です。

 


透析のメニューを変更する

2023-12-15 15:28:08 | 日記

通常、その日の予定に変更がなければ「ニコペリック」「ミッドペリック135」「ミッドペリック250」「ミッドペリック250」の順番で入れていくのだが、今日は家内と二人で忘年会をしようということで夕方出かけるゆえ、「ミッドペリック135」「ミッドペリック250」と入れて、先ほど「ニコペリック」を入れた。そうすれば午後から夕方、夜にかけては自由だし、あとは寝る前の23時ごろに最後の「ミッドペリック250」を入れれば済む。

最近は除水量が幾分減って、700ml~1000ml の日が多い。尿量は少し持ち直して150ml/日くらい。飲水量はだいたい700ml~800mlくらいだろう。足に浮腫みはでていないのでまだ大丈夫そうだが、体重が3kg~4kgほど増えたので少し気を付けている。

体重に関しては言えば、9月の入院時に73kgあったのが退院時には66kg。除水と病院食の効果。退院後もしばらくは日に1600カロリー(ごはん150g)を守り飲水量も400mlほどに抑えていたらどんどん除水が進み体重も61kgとなった。しかしこれはあまりにも落としすぎ、やせすぎだろうという家内のアドバイスと、加えて体調が戻ると食欲も増してよく食べるようになり、現在は65kgまで増加した。これで浮腫みは、夜に靴下を脱いでその跡をみると少し浮腫んでいるかなという感じで、以前のようなズボンがはけない、靴が履けないということはない。これはとてもありがたいことだ。

さて今晩は冒頭でもふれた忘年会。ゆえに朝から飲水量は抑えている。生ビール一杯(500l)は飲める。このようにその日の予定やイベントに合わせてメニューを変えられることが腹膜透析のありがたいところかな。