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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第98回 全国高校野球選手権 西東京大会 準々決勝

2016年07月23日 | 誓球の空2016-2020

[写真] 逆風をついて、ライトスタンドに決勝のホーランを放ち、歓喜のホームインをする浪川選手


2016年 7月23日(土) 14:45~16:57 曇り 上空はやや強い風(右→左) 神宮球場

第98回 全国高校野球選手権西東京大会 準々決勝

創価   (小平市)  0  1  0   0  0  0   0  0  0   2 =  3
早大学院 (練馬区)  0  1  0   0  0  0   0  0  0   0 =  1

[ 投 手 ] 工藤(3)‐岸(4)‐谷井(3)
[ 本塁打 ] 浪川
[ 三塁打 ] 
[ 二塁打 ] 

1番 (二) 門脇 → (5裏/三)
2番 (捕) 八柄
3番 (左) 浪川
4番 (右) 菊池
5番 (三) 近内 → (5裏/一)    → (10裏/中) 茂木
6番 (中) 真下 → (7裏/中) 笠原 → (10裏/一)
7番 (投) 工藤 → (4表/打) 谷口 → (4裏/投) 岸 → (8表/打) 三枝 → (8裏/投) 谷井
8番 (一) 鳥井 → (5裏/二) 辻郷
9番 (遊) 藤井

本来であれば・・・ 木曜日(21日)と金曜日(22日)に、二試合ずつ予定されていた西東京大会の準々決勝だが。
雨が降ったことにより、土曜日に四試合纏めてやることになった。
打線のエンジンがかかっているチームにとっては、まさに水を差された感が否めないが、
投手を中心に守りで勝ち上がって来たチームにとっては、投手の休憩が取れるので嬉しい誤算だろう。

さて、創価にとって雨天順延は吉と出るのだろうか、それとも凶と出るのだろうか、
創価のチームカラーは攻撃陣を頼りに「10点取る野球」じゃなくて、投手を中心に「終わった時に1点差で勝っている。」だから、
自慢の投手陣とはいえ、休養が取れたことは大きいと思うのだが・・・ それはちょっと違うかもしれない。
今回に限っては、対戦相手が西東京ナンバーワンの柴田投手が、休養十分で待ち受けている。
試合は終盤までもつれることを覚悟しなきゃならないだろう。

試合開始は14時45分、高校野球で一番面白いと言われる準々決勝、前の試合で注目の清宮選手(早実)が登場し、
最後まで縺れにもつれた手に汗握る接戦だったことから予定以上に時間がかかり、定刻より1時間15分遅れて始まることになった。

■ 1回/表 創価の攻撃
今大会初めて先攻の創価は、スターティングオーダーが若干変わり6番に真下を入れ、7番には先発投手の工藤が入った。
ここは準々決勝だけに3年生の岸か谷井の登板と思ってたが、終盤勝負と考えて工藤先発の功を奏するのだから、
監督の読みも采配も・・・ 冴えている。

1番の門脇はボールをじっくりと見極めツーボールツーストライクまで粘るがレフトへの浅いフライ
2番八柄もツーボールツーストライクからライトフライ、打ち取られはしたがしっかりと粘って球数を投げさせている。
3番浪川にはストライクが入らずストレートの四球で歩かすと、4番菊池の当たりが三遊間に飛んで内野安打となり二死12塁
先制のチャンスだったが5番近内の当たりは大きな右中間へフライ、一瞬スタンドが沸いたが逆風に押し戻されセンターフライ
注目の柴田投手のストレートは140キロ台の前半、球威そのものよりも気持ちのこもったストレートだが創価の打者も振り負けてはいない。

■ 1回/裏 早大学院の攻撃
先発工藤は1番を簡単にセカンドゴロに打ち取るが、2番に粘られて死球を与え一死1塁、
3番には高いバウンドのセカンドゴロを打たれ二死2塁で4番、こちらもいきなりピンチを迎えてしまうが、
チェンジアップでタイミングを外しながら、最後は131キロのストレートがコーナーいっぱいに決まり見逃しの三振
両校ともに若干波乱含みを予感させるような似た展開で初回の攻撃を終える。

■ 2回/表 創価の攻撃
先頭の6番真下が初のスタメン起用に応える、叩きつけた打球が二遊間を割ってセンター前に転がる。
7番工藤は送りバントに相手サードが猛然にチャージをかけるのをみて、投手の右に転がすと投手の横をすり抜けて内野安打となる。
8番鳥井はスリーバント失敗で送ることが出来ず、9番藤井もサードのチャージに苦戦して送れなかったが
スリーボールツーストライクとなったことから走者を走らせてショートゴロ、結果的に送った形で二死23塁とする。

迎えるバッターは一巡して1番の門脇、内よりのボールをファールで粘った後、外のストレートを上手くミートして三遊間を真っ二つ
創価が貴重な先制点をあげ、尚も二死13塁で2番八柄が強烈なあたりで三遊間を襲う。
一瞬「抜けた。」と思ったが、ここで相手ショートが横っ飛びのファインプレーで抑え2塁へ送られ追加点が奪えない。

■ 2回/裏 早大学院の攻撃
1点先制したが、先頭の5番にピッチャーの足元を抜けるセンター前ヒットを打たれ無死1塁
6番は犠打を2回失敗して追い込むが、甘いストレートを叩かれて左中間真っ二つの二塁打を打たれ、あっという間に同点にされてしまう。
さらに無死2塁のピンチだが、7番には128キロのストレートがコーナーに決まって見逃しの三振で一死2塁

打者8番のところで、相手のトリックプレーに嵌まってしまう。
リードの大きい2塁走者を刺そうとキャッチャー八柄が2塁へ送球すると同時に走者が3塁へ走った。
創価の守備陣は2-6-5と無駄のない送球だったが走者の足が一瞬速く一死3塁とピンチが広がる。

8番はスクイズを1回試みるがファール、走者が投球と同時に走ってないところを見るとセーフティスクイズのようだ。
工藤は素早く追い込むと、最後はハーフスイングを取られて空振りの三振で二死3塁
9番にはライトに大きなファールを打たれるが、変化球を振らせて空振りの三振
1点返された後はピンチの連続だったが、バッテリーが巧みな配球を駆使して三者三振に打ち取り何とか凌ぎきった。

■ 3回/表 創価の攻撃
3番の浪川から始まる好打順だったが、浪川はショートへのファールフライ、4番菊池と5番近内はともにショートゴロに倒れ三者凡退
何となく・・・ 柴田投手の投球術に翻弄され始めている。

■ 3回/裏  早大学院の攻撃
こちらも一巡して1番から始まったが、スリーボールツーストライクまで粘られるが、コーナーいっぱいのストレートが決まり見逃し三振
2番は初球を叩いてショートゴロ、3番はフルカウントからセカンドゴロで、こちらも三者凡退
ここまでの工藤投手は、ボールが先行してるが勝負どころでのチェンジアップ気味の変化球が冴えて巧みに凌いでいる。

 
先発してキッチリゲームメイクした工藤投手(写真左)と、再三のピンチを凌ぎきった今夏のエースナンバー岸投手(写真右)

■ 4回/表 創価の攻撃
膠着状態になりかけた展開を創価ベンチが嫌った。
この回先頭の6番真下がレフトフライに倒れると、7番工藤に代打谷口を送る。
谷口はフルカウントまで粘るが、インコースにストレートをズバッと決められ見逃しの三振、8番鳥井もセンターフライに倒れ三者凡退
柴田投手のズバッとインコースを突くストレートが冴えてきている。

■ 4回/裏 早大学院の攻撃
[代打の谷口に代わりピッチャー岸]
先頭の4番を追い込んでいたが粘られて歩かすと、5番に犠打を決められ一死2塁、先ほどタイムリー二塁打を打たれた6番を迎えるが
変化球二つでストライクを取った後、3球目はボールになる変化球を振らせて空振りの三振で二死2塁
しかし、7番の当たりが強烈だった、レフト浪川の頭上をライナーで襲うと、浪川が背走してフェンス際でランニングキャッチ
最後は後ろ向きで軽くジャンプするという超ビッグプレーが出て・・・ 創価の守備陣がエース岸を盛り立てる。

■ 5回/表 創価の攻撃
この回先頭の9番藤井が粘って四球を選ぶが、1番門脇の犠打がピッチャーの正面に転がり2塁アウト
2番八柄がレフトフライに倒れ二死となってから、3番浪川が射し込まれていたもののパワーでライト前に運び二死12塁
4番菊池の時に暴投が出て二死23塁とすると、菊池は勝負を避けられて四球となり二死満塁
ここで5番近内、打球は金属音と共に痛烈に捉えたが・・・ ショート正面のゴロとなり、惜しくも得点に至らない。

■ 5回/裏 早大学院の攻撃
先頭の8番が痛烈な当たりで、サード近内のグラブほはじいてレフト前ヒットで出ると、創価ベンチが動き守備陣の立て直しを図る。
[ファーストの鳥井に代えセカンド辻郷、セカンドの門脇がサード、サードの近内がファースト]

9番は手堅く犠打を決め一死2塁、1番は犠打ではないと思うがセーフティ気味のバンド、これが岸と八柄のお見合いを誘い内野安打
4回に続き大ピンチの連続、2番には痛烈に捉えられたがショート藤井が落ち着いて捌き6-4-3と渡ってダブルプレー
チャンスをものに出来ない後は、大ピンチの連続だが・・・ 辛うじて凌いでいる。

■ 6回/表 創価の攻撃
6番真下はセンターフライ、7番岸はフルカウントまで粘るが変化球を空振り三振、
8番辻郷の当たりがファーストベースに当たるラッキーヒットとなるが、9番藤井がサードゴロに倒れ無得点

■ 6回/裏  早大学院の攻撃
先頭の3番の当たりは打ち取っていたがセンター前に落ちるヒットとなり無死1塁
しかし、ここで4番をショートゴロに打ち取り6-6-3のダブルプレー、5番は変化球を振らせて空振りの三振

■ 7回/表 創価の攻撃
1番の門脇が巧みなバットコントロールでレフト前に運び無死1塁、2番八柄が送って一死2塁、
3番浪川は変化球を打たされ高いバウンドのピッチャーゴロとなるが、走者を3塁に進める。
4番菊池に期待がかかったが・・・ 外のつり球にひっかかってしまい空振りの三振、
創価にもチャンスが無いわけではないが・・・ なかなかものに出来ず重い空気が漂う。

■ 7回/裏 早大学院の攻撃
先頭の6番の当たりは痛烈にライト線を襲う、ライトの菊池がクッションボールをもたつく感に打者走者は3塁へ到達
無死3塁から7番を変化球で空振り三振にとって一死3塁、
ワンアウトとなったところで8番がスクイズを仕掛けるが、素早くマウンドを駆け下りた岸が八柄にグラブトス
八柄は巧みにホームベースの一角を空け、回り込もうとする3塁走者にタッチしアウトでピンチを凌ぐ。

しかし、その後も9番が粘って四球を選んで二死12塁から、1番の当たりは痛烈だったがショート藤井の正面
藤井が大事に捕球して自らベースタッチ、この試合の最大のピンチを紙一重のタイミングで辛うじて凌ぎきった。
こういった試合は負けないものだ、何の確証もないが・・・ ふと、そんな思いが過っていた。

 
8回から10回をパーフェクトリリーフした谷井投手(写真左)と、豪快なスイングで逆風をついて決勝アーチをかけた浪川選手(写真右)

■ 8回/表 創価の攻撃
5番近内が叩きつけて二遊間を割るセンター前ヒットで出て無死1塁から、6番笠原がキッチリ送って一死2塁
ここで創価ベンチはバッターボックスに向かう岸を呼び寄せて、代打三枝を送るが外のストレートを振って空振りの三振
8番の辻郷はサードサードゴロに倒れて得点ならず。

■ 8回/裏 早大学院の攻撃
[代打の三枝に代わってピッチャー谷井]
先頭の2番は初球を打ってサードフライ、3番は3球目を打ってサードゴロ、4番は変化球を空振りの三振
谷井のスピードは134キロ、セットポジションからだがダイナミックなオーバースロー、ボールに気持ちが乗っている。

■ 9回/表 創価の攻撃
最終回は9番の藤井からだったが、相手の柴田投手も気合が入っている。
藤井をストレートでセカンドへのファールフライに打ち取ると、1番門脇には内角へズバッとストレートを投げ込み見逃し三振
2番八柄もセカンドゴロに倒れて三者凡退

■ 9回/裏  早大学院の攻撃
早大学院の最終回は、良く振れてる5番、6番、7番に回るが、5番はストレートを打たせて浅いライトフライ
6番には芯で捉えられたがセカンド辻郷の真正面のゴロでツーアウト、7番には高めのストレートがズバッと決まって三球三振
両校ともに攻めてはいるものの決め手を欠いて延長戦に突入することとなった。

なお、この時点でも試合は2時間を超えてなく、両チームともに走者は出すものの無駄なボールが少なく
キビキビとした展開で試合は進んでいる。

■10回/表 創価の攻撃
創価は自慢のクリーンナップから始まる、ここらで長打が欲しい場面だ。
そう思ってた矢先、先頭の3番浪川が2球目を豪快に振りぬくと打球は逆風をついてぐんぐん伸び、
ライトスタンドの前から3列目辺りに飛び込むホームラン、ついに・・・ ついに均衡を破った。

さらに4番菊池がレフトフライに倒れた後、5番近内が左手首辺りに死球を受け一死1塁
近内は左手を抑えたままベンチに戻ると臨時代走に菊池、6番笠原が犠打を空振りして牽制(2-3)で危ない場面があったが辛うじてセーフ
笠原はサードゴロに倒れ2塁ホースアウトになるが、7番谷井の時に暴投がでて二死2塁

谷井の打球はフラフラっとセカンドの頭上を越えライト前に落ちて、この回2点目となる貴重な追加点が入る。
なおも8番辻郷がストレートの四球で歩くと、9番藤井にはヘルメットのひさしに当たるちょっと危険な死球となって二死満塁
さすがの柴田投手もへばりが出てきたが、最後の力を振り絞って1番門脇をピッチャーゴロに打ち取る。

■10回/裏 早大学院の攻撃
[死球を受けた近内に代わってセンターに茂木、センターの笠原がファースト]
8番は高いバウンドになったが、サード門脇が落ち着いて処理してワンアウト、初球に本日最速の139キロを計測
9番の柴田投手には代打が出てきたが、外のつり球のストレートを振らせて空振りの三振でツーアウト
最後の1番にはボールが先行してツーボールとなったが、139キロのストレートでカウントを一つ戻すと
渾身の一球でライトフライに打ち取り試合終了

試合時間は、延長戦になったにも拘わらず2時間12分
両校の攻め合いと守り合いが交互に繰り返される戦いは、1年生の3番バッター浪川の一発で決着がついた。

試合終了後、神宮の空になり響く校歌「草木は萌ゆる」が実に感動的であった。
3~4年前に準々決勝を勝ち上がった時には、校歌はなかったように記憶しているが・・・ 改めて勝者を称える校歌は清々しい。
創価ナインは不覚にも、校歌の後直ぐにスタンドに向かおうと5~6歩歩きだしたが、
直ぐに気がつき再びホームベース前に整列して深々と一礼して、大勢の生徒やファンが待つスタンド方面に向かって歩き出した。

次は25日、12時30分から八王子との準決勝
ここまで来たら・・・ 負けられない。

ガンバレ、創価

 
俯瞰して撮影した得点シーン、2回表の門脇選手のレフト前タイムリー(写真左)と10回表の浪川選手のライトオーバーホームラン(写真右)

  
10回裏、最後の打者に渾身のストレートを投げ込む谷井投手の連続写真


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