新聞各紙で見つけた、心の琴線に触れた記事を紹介します。
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7月29日 朝日新聞
西東京大会・決勝 神宮球場 「 國學院久我山 4-2 創価 」
内角球磨き、旧友に成長見せた。 [ 古川風勝(かざまさ)投手 ]
マウンドと本塁の距離18・44メートル
創価のエース古川風勝(3年)が国学院久我山の4番打者宮崎恭輔(3年)とほほ笑み合った。
九回の創価の守り、1点引き離された後の一三塁で対決は巡ってきた。
3球目の直球を中前にはじき返された。
2点差に広がったが、古川は晴れ晴れとした気持ちだった。
「楽しい勝負だった。」
2人は昨年末の東京都高野連のキューバ遠征の選抜チームに選ばれた仲間だ。
古川は投手ではなく外野手として選ばれたが前向きだった。
「周りの好投手の良いところを吸収しよう。」
親善試合で体の大きいキューバ選手に味方投手が打ち込まれた。
一方で内角攻めは効いた。
「外角一辺倒では通用しない。」と帰国後は内角球を磨いた。
選抜の投手陣は体力が違う。
甲子園を目指すには、連戦を突破できる体力が必要だと走り込みも増やした。
相棒の捕手杉田峻摩(3年)も「キューバから帰ってから変わった」と言う。
今大会はエースと外野手の「二刀流」
強打者をそろえた昨年のチームが実現できなかった決勝の舞台までチームを引っ張った。
この日の決勝。キューバ遠征の旧友のいる学校との初の対戦だった。
序盤に2失点したが、杉田と「頭を冷やそう。」と話し合った三回以降は立ち直り、
本来の直球とスライダーの切れを取り戻した。
宮崎との対決は5回。九回の1本を含め適時打2本を打たれた。
一方で六回と八回は磨いた内角球で詰まらせ三ゴロに仕留めた。
成長を仲間に見せられた。
表彰式後の両校行進で宮崎と隣り合った。
「甲子園はがんばれよ。」と古川が声をかけた。
宮崎は返した「お前の分も負けられねえな。」夢舞台での活躍を仲間に託した。
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7月29日 朝日新聞
西東京大会・決勝 神宮球場 「 國學院久我山 4-2 創価 」
ベンチの外の3年生5人へ渡せなかった感謝の優勝旗 [ 中山竜星(りゅうせい)選手 ]
創価には、17人の3年生部員がいた。
うち、ベンチ入りしたのは12人
最後の夏に背番号をつけられなかった5人がいた。
4番・中山竜星(3年)は「5人に心から感謝しています」と語る。
打撃投手をやってくれた。
マッサージをしてくれた。
道具の後片付けをしてくれた。
笑顔で裏方仕事に専念する彼らに優勝旗を渡す。
そう誓って臨んだ夏だったが、思いは通じなかった。
2点を追う展開となった試合は、四回にスクイズで1点、六回に中山の本塁打で一時は同点に追いついた。
「でも、負けたから・・・ 」
九回、最後の打者が打ち取られると、次打者席でバットを握っていた中山は両ひざをつき泣き崩れた。
「あいつらに、申し訳なくて・・・ 」
試合が終わり、三塁側ベンチ裏のロッカールームに引き揚げた。
表彰式で、中山は準優勝の盾を受け取った。
それを後片付けをしていた背番号のないチームメートが受け取り箱に詰めた。
「僕があいつらに渡したかったのは、これじゃなかったのに・・・ 」
涙が止まらなかった。
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7月27日 朝日新聞
西東京大会・準決勝 神宮球場 「 桜美林 14-3 創価 」
同じ相手に負けられない雪辱の3長打 [ 松田優斗(まさと)選手 ]
右翼越えの三塁打を放った創価の松田優斗(3年)は塁上でうなずいた。
「同じ相手には、2度負けられない。」
初回、走者2人を返して3点目。試合を決める序盤の猛攻につながった。
桜美林は春の都大会の2回戦で顔を合わせ、5―7で惜敗した相手だった。
外野手の松田は1年夏からベンチ入りし、新チームの「顔」になるはずだった。
だが、発足直後に右手の薬指を骨折そその後も左ひざのけがなどに苦しみ、秋と翌春の都大会には出られなかった。
けがの癒えた後はレギュラー争いが激化し、今大会は5回戦まで代打での出場だった。
打ちたい気持ちから体が開いて球を引っかけていたが、片桐哲郎監督とフォームを修正した。
「バットを内側から出し、右手でボールを押し込む。」
それで調子を上げ、準々決勝から先発に選ばれた。
この日、三回に右中間への三塁打、五回にも二塁打を放ち、計3安打4打点と活躍した。
チームも計17安打に、5盗塁などの機動力も絡めて6回コールド勝ちし、春に敗れた相手に雪辱を果たした。
残るは頂点だけ。
松田は「単打でもしっかりつないでいく自分たちの野球をして、甲子園の切符を取りに行きたい」と語った。
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7月24日 朝日新聞
西東京大会・準々決勝 神宮球場 「 創価 7-0 豊多摩 」
力で押す好リード [ 杉田峻摩(しゅんま)捕手 ]
5回、豊多摩に二盗を決められ、創価は初めて得点圏に走者を背負った。
先制しながら2回以降は追加点を奪えない。
捕手・杉田峻摩(3年)は、反撃に向けて沸き立つ相手への流れを断ちたかった。
「力で押し切る。」
先発したエース左腕・古川風勝(3年)に切れのある外角の直球を要求した。
古川の自信のあるボールで空振りの三振に抑えた。
スコアボードの表示は138キロだった。
その後も直球やシュートなどをテンポ良く投げさせるリードを続けた。
12三振を奪い、5回以降は2塁を踏ませなかった。
杉田は自らの持ち味を「投手に安心して投げてもらえる守備力」とする。
チームは5回戦までの4試合で失点は3
暴投や捕逸は一つもなく、バウンドする球も体で止める。
隙のないバッテリーが攻撃陣に良いリズムを呼び込む。
遠投100メートル超の強肩も魅力だ。
この日も7点差をつけた7回、二死1塁で相手が二盗を狙ってきた。
「得点差もあり想定してなかった。」というが、素早く2塁へ送球して刺した。
バッテリーミスはなく、試合後は充実感をにじませた。
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7月24日 日刊スポーツ
西東京大会・準々決勝 神宮球場 「 創価 7-0 豊多摩 」
エース古川7回0封12K [ 古川風勝(かざまさ)投手 ]
エースの力投で、創価が7回コールド勝ちを収めた。
古川風勝投手(3年)は7回2安打無失点、12三振を奪う好投で危なげなくチームを準決勝に導いた。
最高の準備ができた。
今春に左ヒジを痛め登板を回避した。
それから今大会直前まで「走り込みしかしてない」と語るほど、連戦でも勝負できる体を作り上げてきた。
調整で自信をつけてきたからこそ「楽しみながら自分のピッチングができた」と神宮の舞台でも余裕を見せた。
自らのスタイルを「真っすぐを生かしつつ変化球を混ぜて攻めるピッチング」と分析するが、今日は特にストレートがさえた。
杉田峻摩捕手(3年)はそのボールを「リリースからピュッと出てくる感じ」と表現する。
最速は140キロ弱ながら、抜群のキレで豊多摩打線から次々と三振を奪った。
「三振数は気にならなかった。チームの勝利が一番」と自らの役割に徹し勝利をたぐりよせた。
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