元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

SMAPがSMAPらしくいられますように。草彅剛くんを贔屓にしていますが、SMAPあってこそなんです!

迷い猫

2005-04-20 | 詩-思いの欠片
春の雨の音に混じって
猫の声がした。
その声は、か細くて
どこから聞こえるのか
静かに降る雨にもかき消されそうな鳴き声
そっと探して
あたりをつけたあたりで立ち止まり
耳を澄ます。
とうとう見つけた。
ガラクタの積まれたアパートの階段下に
ちいさな動く白い塊があった。
足音に黙りはするが
我慢できないのかまた、鳴きだす。

「ミィミィミィ」

親を呼ぶには音量が足りない気がするが
親には聞こえるのかな。
元気そうだし
ガラクタは退けないと届きそうになく
手出しはしないでおこう。
耳に子猫の声を貼り付けながら
家路についた。

鍵をあけ
湿った部屋で
ぼんやりと子猫のことを思う。
いつの間にかふとんにくるまって寝てしまった。

家人が帰った音で目覚める。
明かりも灯り
湯気があがり
にぎやかな声で満ちる。
跳ね起きて台所へ行く。

「今日ねぇ、白い猫みたよ。まだ子猫でねぇ」

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