藤井４段、連勝ストップ。

「残念でしたね」

「そうだね……

でも、確かなブームメントを将棋界に起こしたことだし……

この連勝は、神様から貰ったプレゼントだと思って、研鑽を怠らないようにして欲しいところですね。

心機一転するつもりで、まず、進学を考えてみてはどうだろうね」

「ああ、そう言えば進学はしないという話でしたっけ？」

「そういう話だったと思う。

加藤一二三９段は、どうだったっけ？」

「ひふみんは、早稲田中退なので高卒ですね」

「なるほど……神武以来の天才と言われるだけのことはある……

無駄とも思える時間も長い人生の中で何かに役立つこともある。

と、まあ月並みなことを言うよ。

せっかく、名大付属の学校に行ってるんだし……学業を修めてからじっくり将棋を指しても良いんじゃないかな？

仮に加藤９段と同じくらい現役が長くなれば、この先、半世紀は将棋に向き合うことになるんだし……」

「は、半世紀……正確には６４年ですが……確かにそんなに長いプロ生活を送れるなら、端数の４年を学業に当てても良いかもしれませんね！」

「まあ、彼の才能は左脳特化型みたいだし……得意なことだけをやっていたいというのは、あるかもしれないけどね」

「そうなんですか？

でも、連勝も止まったので先のことを考える余裕ができたんじゃありませんか？」

「そうだね……

若い才能がどう育つか、楽しみだね」