47都道府県温泉巡り+旅の都々逸

ぶらりと訪れた街角で詠んだ旅の都々逸を中心に、ライフワークである各都道府県の温泉制覇なんかも気の向くまま紹介します。

倶知安温泉と積丹半島(北海道)

2016-09-13 13:35:36 | 温泉制覇
 積丹半島をめざす道は、スタートから北海道らしい空が迎えてくれました。北海道をこよなく愛する相方とともにテンションは


 積丹半島の北西部、日本海に突き出ている「神威岬(かむいみさき)」までは宿泊先の倶知安市街から約1時間。岬に近づくにつれ道は狭くなり、奇岩や入り江がだんだんと増えてきます。

 岬までは、駐車場から尾根沿いに整備された「チャレンカの道」と名付けられた遊歩道を歩いていかなければなりません。歩き始めるとすぐに、女人禁制の重々しい門が立ちふさがります。ここには、アイヌの娘チャレンカと源義経との悲恋の伝説があるのです。

 奥州から密かに蝦夷地に渡った義経は、首長の娘チャレンカと恋仲になります。しかし大きな野望を持つ義経はチャレンカをおいて旅立ってしまいました。チャレンカは積丹半島で追いつきましたが、すでにその時、義経を乗せた船は遥か沖。やがてチャレンカの悲しみが岩と化し、神威岩になったと伝えられています。以来、神威岬周辺で女性を乗せた船が通り過ぎようとすると、必ず転覆したことから、明治時代初期までここは女人禁制の地とされていたそうです。もちろん、今は普通に通れるようになっています。

 岬までは徒歩約30分。でも、崖を上り下りしたり、橋を渡ったり…岬をめざす道はちょっとした登山のようです。それでも時々立ち止まっては、眼下に広がるシャコタンブルーの青さを堪能。それはまさにすいこまれそうな感覚です。

 ピラミッドのような山を越えると灯台が見えました。遊歩道の高台からは左手の行く手方向に起伏に富みダイナミックな景観を造る神威岬の景観、右手には「水無しの立岩」が望めます。

 遊歩道最先端付近からは周囲がぐるりと見渡せ、先端部は岩山がそのまま海へ落ち込んでいく断崖絶壁になっています。
 
 ひと際そそり立つ岩がチャレンカが岩になったものとされているようです。
 この日は30度超えの暑さ。背中に娘を背負っているので、なおさら暑く感じます(笑)が、日差しとともに吹き抜ける風は、いつまでもここにいたい気分にさせてくれました。

 神威岬をあとにして、日本の渚百選にも選ばれている島武意海岸(しまむいかいがん)へ。

 人一人がやっとすれ違える暗い歩行者用のトンネルを抜けると、突然目の前いっぱいに真っ青な海が広がります。眼下には岩のシルエットと、太陽の光に照らされてキラキラと輝く透き通った海が見えます。「島武意」の地名はアイヌ語の「シュマ・ムイ」(岩の入り江)に由来するといいます。


 夕方、宿に戻り宿泊先の倶知安温泉に浸かります。露天風呂からは、四季折々の顔を見せる蝦夷富士・羊蹄山が手に取るように見える…はずだったのですが、この日はあいにくの天気で頂上まで見渡すことはできませんでした。それでも、ほんの少し秋のにおいを乗せて吹き抜ける風が、旅の疲れを癒してくれました。

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