mixi を通じて10数年ぶりに再会できたミッチーさんですが、
彼女が某劇団に所属する女優さんであることは、
すでに別の記事でも書きました。
で、その劇団が毎月開いているライブが渋谷で行われると聞き、
…というかミッチーさん自身から告知メールが来たので

金曜日の夜、仕事を終えたあとに某ライブハウスへと向かったわけです。
料金は2,000 (ワンドリンク込み)。
飲み物は、「困ったときの」ジントニック。
食事をしていかなかったので、サンドイッチも頼みました。
場内はそれほど広くなく、着席した際のキャパは50~60人くらいでしょうか。
女性客が多く見受けられます。
1人で来たので、所在無くボーっとしていると、
ミッチーさんが声をかけてくれました。
僕の席は、ステージのほぼ最前列に当たるところだったせいか、
「緊張します…

いやいや、何をおっしゃいますやら…などと、
なぜかお互い緊張した感じで挨拶を済ませました。
19時半を少し回ったあたりで、第1部の開演。
詰め襟姿の青年が、まずは舞台上で「小芝居」を始めました。
季節柄に合わせた花見トークが終了し、
いよいよ役者さん(パフォーマーなのかな?)の登場です。
ミッチーさんも、そのうちの1人。
ここの劇団は、脚本に沿った芝居を演じるのではなく、
その時々で即興的に演じていくという、「インプロ」集団なのです。
ミニゲームに絡める形で、役者さんたちが個別に、
あるいは他の役者さんたちと組んで、
即興によるパフォーマンスを見せてくれるわけですよ。
われらがミッチーさん、最初のゲーム
(前の役者が話した内容を引き継いで、話を続けていくというもの)
に負けて、青汁を飲まされていました。
が、続いての腹話術では、強烈なインパクトを残す腹話術人形を怪演。
下ネタをものともせずにこなしていくパワーに、
観客も大爆笑で応えていました。
あと、即興のミュージカルが凄かったです。

カップルで来ているお客さんの話を元に、
名前や設定をその場で考えて、役者さんたちが演じるんですよ。
ミュージカルとして。

歌詞は即興で作っているのは間違いないとして、
極も完全に即興なのかなぁ。
それとも、いくつかバリエーションがあって、
演奏者(専属のキーボート奏者がいました!)がチョイスするのかなぁ。
いずれにせよ、今回のパフォーマンスの中で、一番おもしろかったです。

それにしても……
名もなき某地方大学の学生演劇とはいえ、
まがりなりにも芝居に携わっていた経験をもつ、わたくし。
客前で即興を披露する彼らを見ていると、
「大したものだなぁ」と感心してしまうとともに、
「怖くて見ていられない」という気分にもなってしまいました。
他の役者との掛け合いになると、各々の思惑がずれて、
「空気が固まる」場面というのが少なからず起こるわけです。
もちろん、そういう緊張感を含めてのパフォーマンスであることは、
理屈では理解できているのですよ。
ただ、皮膚感覚として、というか、
「もし、自分が演者の側だったら」と想像してしまうと、
なにやら胃が痛くなってきてしまうんです。
想像しなければいいのだけれど、ついつい想像してしまう…
お金払って見に来てるのに、
ちょっとした「一人SMショー」に何度か陥ってしまいました。
いや、つまらないってわけじゃないんです。
何度も手を叩いて笑ってしまったし


「元へぼ役者」の悲しい性、とでも言えばいいのでしょうか…
ともあれ、第1部がめでたく終了。
しばしの休憩となります。
ミッチーさんが、またまた挨拶に来てくれました。
ステージ上でのミッチーさんの出番は、これにて終了とのこと。
第1部と第2部とで、役者を分けて出演させるんですって。
そうそう。
第1部が始まる直前に、僕の後ろに白人男性が腰掛けたんですよ。
日本で働いていらっしゃるかたでしょうから、
日本語も堪能なんでしょうね、きっと。
僕らと同じタイミングで、笑い声を上げていました。
文字にすると、“Ha! Ha! Ha!”って感じです。
下ネタも、ばっちり食いついてました。

さて、第2部の開始…の前に、ちょっとした余興の始まりです。
お客さんの中で4月に生まれた人に対して、劇団からケーキ&スパークリングワイン&ハッピーバースデー・コールのプレゼント!

ちなみに、団員さんの中にも、4月生まれの方がいたみたいです。
場内の全員で、“Happy Birthday To You...”を歌いました。
さあ、今度こそ第2部のはじまり、はじまり。
第1部同様、ミニゲーム&即興という感じで進行していきます。
僕は…またしても腹をかかえて笑ったり、想像して意を痛くしたりの連続。

そして、本日のトリを務める「大長編」が始まりました。
登場する役者それぞれに「設定」だけを与えて、
20分弱の芝居を作っていくのです。
確か、こんな設定でした(順不同、組み合わせ別)
チーム1
Aさん(♀):相手に罪を償わせたい
Bさん(♂):AVに出演したことを知られていないか、気にしている
チーム2
Cさん(♀):どうして都知事選で当選したい
Dさん(♀):友達がほしい
チーム3
Eさん(♀):世の中を明るくしたい
Fさん(♂):就職先がヤミ金業者だった
結果として3チームに分かれたわけですが、
たぶん偶然だったんだろうと思います。
チーム1は、設定がバッチリ噛み合いましたね。
胃が痛くなることは、あまりありませんでした。

チーム2は、出だしが若干苦しかったかな。
逆に言うと、それでも広げられたのは、役者さんたちの力量ゆえかもしれません。
チーム3は、「お金」というキーワードをうまく拾って、なかなかの滑り出し。
それぞれのファーストシーンが終わり、今度はこの3つのチームの「物語」が絡みだしていきます。
うまく噛み合ったチーム1が軸になる形で、チーム3がかぶさり、
チーム2のメンバーもそこに加わって…
いや、待て!
「友だちがほしい」Dさんが、加わっていないじゃないか!

どうする? この流れに、どう乗っていくか?
ハラハラ、ドキドキ (;゜゜)
と……ついにDさんが動いた!
「転校しちゃえばいいじゃない!」
そうか! その手があったか!

この一言がきっかけとなって、物語は見事に大団円へと向かいました。
即興の醍醐味を感じさせてくれる、印象深い名ゼリフでしたね♪
ミッチーさんの活躍も見られたし、大満足の一夜でございました。
ミッチーさん、「マイナスからの脱却」がんばってね。
