整体ライフで、毎日充実❢

「どんな環境にも適応できる、柔軟な体と心」
 ちょっとした工夫でできる整体生活。

身体の要求

2018-08-16 07:48:23 | 門下生日記

先生から、

「ごはんちょうだい。」

と声を掛けられ、私の隣に座っている先輩から

「あ·い·し·て·る♡」

ならぬ、

「ご·は·ん♡」

と口の形での指示を受け、門下生初日にしていきなりの大役を仰せつかった私は、炊飯器の前に立ち、しゃもじを握りしめた。




「・・・なんか大袈裟だね〜(笑)」
と思ったそこのアナタッ!

人の気も知らないでっ!

一生シャモジで埋蔵金でも掘り起こしてろっ٩(๑`^´๑)۶プンプン





先生の茶碗にご飯をよそった直後、様子を見についてきていた角刈りメガネ先輩が、私の手から茶碗を引ったくり、

「こんな押さえつけたらダメだよ!もっとフワッとよそわんと。」

と言いながら、茶碗をお釜にひっくり返してしまった。

(コノヤロー!そのメガネ、寝てる間に某過激パフォーマンス集団のモノと変えてやるっヽ(`Д´)ノプンプン)





そんな2度目のプンプンを抑えつつ、茶碗にご飯をよそい直した。「フワッ」を意識して。
(意外と素直(•ө•)♡)


それをまた過激メガネに変身する前の角刈りメガネが、自分の手柄の如く先生の前に差し出した。

「どうぞ」

先生は少しの間ごはんを眺め、

「多いのぉ、アンタ食べぇ。」

と角刈りメガネの皿に半分ほど移していた。
ザマミロ( ̄ー ̄)ニヤリ



「みんなも食べぇ。」

と言う先生からのお言葉を受け、

「いただきますっ!」

門下生が一斉に炊飯器の前へ。

隣に座るボウズ先輩が私のご飯をよそってくれた。

(オイッ!まんが日本昔ばなしかっ!)

というくらい盛られていた。





それを自分の席に持っていくと先生が

「・・・やるのぉ〜。」

珍しい生き物でも見るかのような目で、昔ばなし盛りを見ながら笑っていた。




これから数年後に聞いた話しだが、歴代の門下生もたくさん食べていたらしく、たまに連れて行って下さるホテルや旅館での晩ごはんは、おひつから直接食べていたらしい。





(実際にやろうとしたら、「こういう高級なところでそんな下品なことをしたらいけん!」とご指摘されてしまったが・・・)

井本整体では通常、

「たくさん食べることは良くない。体が強張り、年寄りはたくさん食べる人ほどボケる。(頭の働きが鈍るらしいですよ。)」

と言われるが、門下生は相撲取り並みにもう入らないというくらい食べる。





「食べ方は、その人の生き様じゃ。」

・・・そんなようなことを先生は仰っていた。

奥が深い。

この時を境に、私はたくさん食べるようになる。

当時 一番体重があったボウズ先輩が97キロ。

私は最初、75キロだったので、ボウズ先輩からよく、

「冨永さんは身長もあるし、100キロなんか余裕で超えるでしょ。ニヤニヤ」



と挑発されていたので、乗りやすい私は笑顔で


「任せてくださいっ!イライラ」



と返していた。

実際、最終的には100.4キロまでいき、今のところ門下生史上、最重量記録を保持している。
(今はもう、そんなにありません(TдT))

世間では、栄養、栄養と言って体が要求していないモノまで一生懸命食べてしまう。(〇〇品目食べなきゃ!というように)

子供を持つ親は、もったいないからと子供の残り物までせっせと胃に詰め込むこともあるのでは?





体の要求を無視してしまうと、栄養を吸収するどころか、逆に、どんどん捨てていって(排泄して)しまう。


ではどうすれば良いのか?

美味しいものを、美味しく食べる。 

胃が喜び、しっかり消化吸収する。




すると不思議なことに、次の日の朝にはお腹が空いている。

これは門下生の時分、先生から教えていただいたこと、そして、自分で体験したことである。

最近はテレビや雑誌等でも様々な情報が氾濫し、アレもコレもと翻弄される傾向にあるが、自分の身体の声に耳を傾け、その要求に素直に従って生きる。




これこそが今の時代、とても大切なことではないだろうか。


























「相手のことが先」 命と向き合う者の心構え

2018-08-02 09:33:33 | 門下生日記


門下生としてお世話になるため到着した山口の地。

「さぁ、これから始まるぞ!」

と言う意気込みも虚しく、先輩門下生が迎えに来てくださっている宇部空港に着くなり、いるはずの井本先生を見失い、と同時に、自分自身も見失った私は、まるで水槽の中を10倍速で泳ぐ熱帯魚のアロワナのような勢いで右往左往。

空港出口へと繋がる階段下に先輩門下生を発見するが、すかさず挨拶代わりの

「もう先生は車で待っている!」

という言葉を受け、ウサイン・ボルト並のダッシュで迎えの車へと走った。




その宇部空港から、これからお世話になる井本先生のお宅に向かう車中はとても静かだった。


(ウ〜、この空気感・・・息が詰まる)

角刈り眼鏡先輩が途中で、先生が東京に行かれている間に小郡(おごおり)というところにある操法(=施術のこと)室で診たと言う患者さんの様子を先生に報告する。

報告が終わり、最後に先輩の

「以上です。」

と言う言葉に先生は

「・・・」

ま、まさかのノーコメント!!

これが門下生の扱いか・・・!

これからはこの空気感の中で生活することになってしまうのか!

耐えられるのか、俺は!?


そんな事を考えて間もなく、先生のお宅に到着。

・・・デケー!!

畑だらけの中にいきなり見上げるほどドーンと構える豪邸!
 これには違和感しか感じなかった。

塀に囲まれたお宅、

玄関へと繋がる庭と道の間にある大きな門が自動で開き、すぐに先生のお宅で待機していた門下生2人が走って迎えに出てくる。

先生の愛犬、「クマ」という名の犬まで走り寄って来た!

動きは門下生に引けを取らない!


そして車から降りると、先輩二人から再度お小言を頂戴し、先生の豪邸の中へ。

「ご心配です。
まぁようこそ、こんな田舎へ。
大変だったでしょう?
 さぁ、(イスに)お掛けになってゆっくりなさって下さい。」

先生のお母様から掛けられた最初の言葉。

(ゴシンパイ?)・・・(?_?)

「いえ、大丈夫ですよ。実家も周りは田んぼだらけで。」

とお話させていただき、しばらくすると先生が食事の準備がされている部屋に入ってこられた。

私はすぐに空港での失態を詫びると、少し笑顔で
「フッ」

笑った!? 先生が・・・笑ったっ!?

驚いた!

怒られずに済んだという安堵感よりも、
 
こちら(山口)では笑顔や話し声とは無縁の生活が始まるものだとつい先程まで腹を括っていたのに・・・

(↑今となっては笑い話(恥))


「お疲れ様です。」

と門下生の一人が、ビールを先生のグラスに注ぐ。






我々も席に座り、

「さぁ、食べよ。」

と言う先生の言葉に

「いただきます!」

と門下生一同(私を含めて5人)。

ここからが凄かった!!

先生のお皿に先輩門下生が盛るのだが、その絶妙な量。

食べやすく、多くも少なくもない。

先生がビールを飲む時に持ち上げられたグラスの底と、水滴で濡れたテーブルをすかさず拭く。

これがとてもスムーズ!

それを、自分も食事しながらの同時進行。

井本先生と向かい合わせるように座られている先生のお母様。

お母様のお皿にも、近くで食事をとる門下生が様子を見ながらおかずを取り分けていた。

どの門下生も周りを気にしながら自分も食事をとるという、「神業」を披露していた。

後で知ることになるのだが、井本整体で最も大切な

「相手のことが先」

という心構えを、こういった(門下生では全ての)場面を通して修得していく。

考えながら頭で覚えるのではなく、動きながら体に染み込ませていくのだ。

もちろん、簡単なことではない。

(うわ〜、俺、食べてるだけじゃん。)

と思い箸を置き、周りを見回す事しか出来なかった・・・

すると先生から

「どうした? 食べぇ(食べなさい)。」

と促されたが、

(こういう場合、本当に食べていいのか?)

と注意深くなり、

「いただきます。」

と返事はしたものの、少し食べては箸を置き、また食べては箸を置いた。

(食べてる気がしねぇ〜)

(寮に帰ったら、実家から持ってきた菓子でも食べよかなぁ・・・)

なんて事を考えていると

先生が、

「ご飯ちょうだい。」

と一言。

すると隣に座っている先輩がこちらを見つめている。

(気持ちわりっ!見るなよ!)

と思い目を逸らそうとすると口の形で

「ご・は・ん」
 
と指示してきた。

(俺かっ! 俺にやれってか!)


 先生のごはんを用意する

文字にすると簡単なようだが、井本先生のことがまるでわかっていない自分には、とんでもない大仕事に感じた。

初日にしてそんな大役を私に押し付けるのかと抵抗したかったが、もうここに来た以上、逃げ場はあるはずもなかった。


私は意を決し、これから最後のバッターボックスに向う高校球児のような心境(?)で炊飯器の前に立ち、しゃもじを握りしめた・・・!


ここまで読み進めてくださった皆様はお気づきでしょうか?

この時の冨永はまだ、

「自分のことが先」

だということに。