
宮部みゆきさんの『お文の影』を読みました。
え~っと……。読書記録は何か月ぶりだ? 本を読んでいなかったわけじゃないけれど、読んでいたのが小説とかじゃなくて、仕事がらみのものばかりだったものだから、なかなか趣味としての「読書」ができなくてこの始末でした。
本書は全6篇の江戸怪異譚集。宮部さんの江戸怪談ものらしい、ちょっと怖いけどそれ以上に人情味たっぷりで、優しく・せつない物語たちです。
短篇集ですから、それぞれに怪と対する登場人物たちがいるのだけど、表題の「お文の影」では『ぼんくら』シリーズの政五郎親分とおでこちゃんが、「打債鬼」では三島屋シリーズの悪ガキ3人組みと若先生の青野利一郎が出てくるので、嬉しくなっちゃいました。
かなり背筋がぞくぞくしてしまう「ばんば憑き」は読後に「わ~、どうしてくれるのよ~」ってつぶやいてしまったくらい怖かったし、「お文の影」や「野槌の墓」ではせつない気持ちになったり。「素敵な怪談のバラエティパック」、ってところでしょうか。いつもと同様、とっても面白かったです。
さて、この文庫本については、ちょっと問題があったりするんです。単行本が文庫化された、というのなら宮部ファンもいつも通りに楽しめたと思うんです。でものこ文庫は、単行本化された後に『ばんば憑き』のタイトルでノベルス版で刊行され、その後に本書か出されたと。内容は新作が加えられることもなく、改題しただけでまったく同じものなんですね。
私は単行本もノベルス版も未読でしたからセーフだったんですけど、ノベルス版で読んだファンは、タイトルが違っているから「新作」と思って買ってしまった人が多かったみたいです。この手法、以前ここでも紹介した『東京下町殺人暮色』が『刑事の子』と改題されて出てます。
人気作家の作品だから、出版社がこんなことしてファンを釣っているのかな、と想像できてがっかりします。作品自体は素晴らしいから、そのがっかり度は高いな~。タイトルを変えただけで再発売って、ちゃんとお知らせしないとね。ファンを騙して買わせて、本を買う人を裏切るような印象しかないから、ますます本が売れなくなっちゃうんじゃないかと、心から危惧いたします。
え~っと……。読書記録は何か月ぶりだ? 本を読んでいなかったわけじゃないけれど、読んでいたのが小説とかじゃなくて、仕事がらみのものばかりだったものだから、なかなか趣味としての「読書」ができなくてこの始末でした。
本書は全6篇の江戸怪異譚集。宮部さんの江戸怪談ものらしい、ちょっと怖いけどそれ以上に人情味たっぷりで、優しく・せつない物語たちです。
短篇集ですから、それぞれに怪と対する登場人物たちがいるのだけど、表題の「お文の影」では『ぼんくら』シリーズの政五郎親分とおでこちゃんが、「打債鬼」では三島屋シリーズの悪ガキ3人組みと若先生の青野利一郎が出てくるので、嬉しくなっちゃいました。
かなり背筋がぞくぞくしてしまう「ばんば憑き」は読後に「わ~、どうしてくれるのよ~」ってつぶやいてしまったくらい怖かったし、「お文の影」や「野槌の墓」ではせつない気持ちになったり。「素敵な怪談のバラエティパック」、ってところでしょうか。いつもと同様、とっても面白かったです。
さて、この文庫本については、ちょっと問題があったりするんです。単行本が文庫化された、というのなら宮部ファンもいつも通りに楽しめたと思うんです。でものこ文庫は、単行本化された後に『ばんば憑き』のタイトルでノベルス版で刊行され、その後に本書か出されたと。内容は新作が加えられることもなく、改題しただけでまったく同じものなんですね。
私は単行本もノベルス版も未読でしたからセーフだったんですけど、ノベルス版で読んだファンは、タイトルが違っているから「新作」と思って買ってしまった人が多かったみたいです。この手法、以前ここでも紹介した『東京下町殺人暮色』が『刑事の子』と改題されて出てます。
人気作家の作品だから、出版社がこんなことしてファンを釣っているのかな、と想像できてがっかりします。作品自体は素晴らしいから、そのがっかり度は高いな~。タイトルを変えただけで再発売って、ちゃんとお知らせしないとね。ファンを騙して買わせて、本を買う人を裏切るような印象しかないから、ますます本が売れなくなっちゃうんじゃないかと、心から危惧いたします。