あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

かなりの「今さら」

2012-02-16 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『模倣犯』を読みました。

「は? 今さら何を言っているの?」っていうくらい、本当に「今さら」なんですけど昨年末から読み始めて、今さらですが、読了です。
なぜ今まで、宮部さんの作品の中でも人気の高い本作を読んでいなかったのか…。
ひとつは、その頃の私は、宮部さんの作品なら「絶対に時代物!」と思い込んでいたから、この手の作品よりも時代物を読み続けていた、ということもあります。
もうひとつの理由は「タイミングの悪さ」。映画化される前なら絶対に読んでいたのだと思います。でもそのタイミングを完璧に外してしまいました。そして映画の評判がかなりよろしくなく、そのまま原作を読むこともなかった、という流れ。
そして「長編すぎる!」というのもあります。たとえば歴史物であれば、このくらいのボリュームはありだと思います。でもこれはミステリー。ミステリーでこのボリューム…。「さすがの宮部さんも“中だるみ”とかしちゃうんじゃないの?」と思ってしまったことは認めます。

ここで私は自分の考えていたことの間違いを認め、懺悔いたします。
「模倣犯、凄い! 面白すぎる! 中だるみなんて全然ないし! 最後までグイグイくるし! 宮部さん凄いし! 本当に失礼なことを考えたりしてごめんなさいだし!」
映画の評判とか関係なく、もっと早く読めば良かった。

この作品にはたくさんの登場人物がいます。犯人たちに命を奪われてしまった人を含めると、どれだけの人が描かれているか。そしてそれらすべての人の「人生」がきっちり描かれていました。そこが驚きです。これは「ミステリー」ではあるけれど、これほど様々な人間模様を1つの作品で見ることができる文学作品もないと思います。
『理由』も『火車』も好きだけど、それ以上の衝撃と感動があり、作者の凄さを思い知らされました。

さて「今さら何故?」の答えですが、種あかしは次の読書記録で。
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