
焼き芋みたいな
エッセイ・シリーズ (48)
「いとしのナビ」
今からちょうど5年前、怒涛の「東日本一周バイク旅」で一番頼りにしたナビ。
「キミがいなかったら巡って来れなかったよ。ホントにありがとう!」
無事帰宅後、ひとりそう呟いた。
連日豪雨の10日間の一人旅。時々凄く心寂しい時もあった。
そんな時、キミの優しい声が心地良かった。(ぷっ)
「300メートル先、左斜め方向です」
ん?こっちだよな。左折。
「(あら?)・・(ちょっと溜め息)・・・ルートを変更しました!
このまましばらく道なりに進みます。」
ワオ。間違えたんだな。もうひとつ斜めの道だったか。(^^;
分かったよ。Uターンして今の交差点に戻ってやり直すかんね。
ルート変更しなくてイイかんね。
「そうしてくれる?」
「間違えたら間違えたって言ってくれていいんだよ。」
「うふふ。わかったわ。」
時おりそんな会話に寂しさ紛らわしながら、
僕は見知らぬ東北の山合いを走り続けた。
でもキミは時々、
「このまましばらく道なりです」と言ったまま、
20分くらいずっと黙りこくる時があったよね。
そんな時僕はたまらなく不安になって、
バイク停めて、キミを再起動しちゃう時があったのさ。
そのままで良かったのに、キミを疑ったりしてごめんよ。
(puっ。)
星空Cafe、それじゃまた。
皆さん、お元気で!
(ねぇ、今度のエッセイ本に収録するんだから、ちゃんと真面目に書きなさいよ。あ、ハイ。すんまっせん)
サイクリングから、バイクライダーへと進化、成長したトキマスターの思いを感じました。東北一人旅から、もう5年だね!