goo blog サービス終了のお知らせ 

gooブログはじめました!

日常の出来事を綴ります

『ルパンの消息』横山秀雄 読み終わりました

2019-11-09 14:04:00 | 日記

『ルパンの消息』横山秀夫
😄 警察官の階級と職名(役職)についてhttps://reatips.info/yakushoku-police-officer/
😄消防は、防火意識教育の範疇にない放火の方を安直に選びたがる
😄ジワリジワリと真綿で締めるように調べを進め、いざここぞという場面が来た時、後生大事に懐にしまっておいた"隠し玉"を黄門様の印籠のごとく突きつける。そうしたやり方を調べの正攻法とするなら、今日の作戦はいわば奇襲であり、ショック療法といえる。いきなり急所を突かれた人間は警察の手の内を計りかねて不安定な精神状態に陥りやすい。
😄部下に命じて敢えて手荒な連行をさせた。喜多は警察に脅えている。その反動がそろそろ出てもいい頃なのだ。
😄因縁:仏教。物事はすべて、その起原(=因)と、果を結ばせる作用(=縁)とによって、定められていること。転じて、物事の持っている定まった運命。
😄生き方などという大それたものではない。こう生きようなどといった人間の意見とは無関係に時は過ぎていくものだ。
😄りつぜん【慄然】恐ろしさにぞっとするさま。ふるえおののくさま。
😄死後についた傷には生活反応がない。
😄他殺死体を自殺や事故死と見誤ると、それかそ事件は発生即迷宮入りの末路を辿ってしまう。事件を起こしも眠らすも、ひとえに検視官の眼力にかかっていると言っていい。
😄刑事の行き先について本庁は口が裂けても言わないし、しごとがら、家の者に告げて出るようなこともない。何かの事情で話す事があっても、記者対策も考えねばならない立場だから、行き先は誰に聞かれても一切知らぬ存ぜぬで押し通せときつく家人に申し付けてある。
😄聞込みの捜査員には所属や事件名を一切秘匿するよう言ってある。
😄ひと口に時効というが、法的には公訴時効のことであるから、午前零時までに犯人を逮捕し、なをかつ検事が裁判所に起訴の手続きを踏んでくれなければ"逮捕損"ということになってしまう。
😄 おくびにも出さないの「おくび」とは、胃の中にたまったガスが口から外に出る「げっぷ」のこと。 腹の中にあるものを「おくび」としてさえも出さないように、心に秘めた事を口(言葉)に出さない、表に出さないことに喩えたものである。
😄 ぶ‐らい【無頼】
1 正業に就かず、無法な行いをすること。また、そのさまや、そのような人。「無頼な(の)輩(やから)」
2 頼みにするところのないこと。
「単孤―の独人になりて
😄今は、調べの時間の長さや食事の休憩を取らせたかどうかが即、被疑者の人権うんぬんでやり玉に上がる時代だ。
😄鮎美が登場する時、橘は決まって「憮然病」を装っていた。喜多と竜見に二人の関係がバレぬよう。
いや、一度だけ橘は"正体"を見せていた。ディスコで鮎美と舞妓が米兵に絡まれた時だ。日頃冷静な橘が真っ先に飛び込んでいって果敢に鮎美を救ったではないか。
😄事件の容疑者、いや単なる参考人に対してであっても、関連捜査の状況を伝えるなどもってのほかだ。戦術としてチラつかせるならともかく、聞かれるまま刑事が答えてしまったのだは、被疑者に自分がいま置かれている立場を悟られ、言い逃れや黙秘の材料に利用されかれない。完全な密室を作り上げ、その中でいかに被疑者を孤立させていくかが取り調べの鉄則なのだ
😄事件発生は12月9日午後9時ごろ、ならば時効成立は9日午前0時。殺人の実行行為があと3時間遅く、午前0時過ぎに行われていたなら時効完成は丸1日延び、捜査員の努力も報われたことだろう。
😄鮎美に殺意はなかった。執拗に関係を求める舞子を反射的に突き飛ばしただけだった。とすれば、ほうてきには傷害致死。喧嘩相手を間違って死なせてしまった、そんなありふれた事件として処理されるケースだったのだ。橘にしたって、事件発生後に共犯者となったのであり、罪状は死体遺棄だけだ。二人の罪は15年を待たずして、とっくに時効が完成していた。
😄全身打撲も所見に入れていた。つまり打撲傷にも生活反応があったから、死亡したのと打撲傷がついたのは同時だといってるわけでさ、なのに鮎美も橘も打撲傷をあたえていない。
😄個人差もありますが、死後硬直は通常、しぼうしてから三、四時間後に始まります。
😄「保存状態が良ければ、20年前の指紋だって採れたことがありまさあ」
😄「三億円事件は強盗だ。刑事事件としての公訴時効は七年。だが民事の時効は20年ある。つまり金を奪われた銀行はその間、犯人が判明すれば損害賠償を請求できる。お前はそのことを知っていた。するとどうなる?舞子が息を吹き返せば金庫に入れられていたことが表沙汰になり、当然お前がやった金庫の仕掛けもバレる。万一、三億円事件との関連までわかればお前は銀行から三億円、いや、七年間分の膨大な利息まで請求されたまう。橘が何故自殺を偽装していたかはわからなかった。だが、お前にとっても舞子が単に屋上から飛び降り自殺したことになった方が都合がよかっんだ」
😄子熊が夜中に飛び起きて父親熊の胸に転がり込む。昼間のピクニックの山や小川が見えた、と驚いて言うのだ。母親が夢だと教えようとするが、父親熊は首を横に振って、それは思い出っていうだよ、と小熊に話して聞かせる。良い思い出をたくさんつくれば、いつでもそこに行ける。何度でも家にいて楽しめる。でも、悪い事ばかりしていると思い出は一つも残らない。それじゃあ、つまらないだろう、と。
😄消えてしまいたくなった。ふらふらと踏切に入った。死にたいようなそうでないような、もうどうでもいい気持ちだった。通りかかった初老の男に救われた。男は警察官だと名乗った。『親への復讐でも社会への仕返しでも何のためでもいいから生きていけ』と論された。
😄刑事訴訟法225条。『その他の理由による時効の停止』「まさか内海の物見遊山の韓国旅行が、国外逃亡の規定に該当するとはな。まあ、こっちとすると三日間儲けたってわけだが」「時効は三日のびただけだ。たった三日で起訴まで持ち込まねばならん。あの内海がちゃんと自供するだろうか」
😄「……面と向かって争わず、まして血など流さず、代わりにルールとか分別とかが幅をきかせ、善行だとか人のためとか、そうした正論の濾過器に世の中すべてがかけられていった。しかし、そもそも成熟社会などありえない幻想だから、正論では濾過しきれない矛盾だらけのブツブツが残ってしまう。なんというか、正論社会への疑念と憎悪がごちゃ混ぜになったような手ごわいブツブツが…」