アサの四方山話

長靴の国イタリアから、トレンティーノ斯く斯く然々、、、

引越しのお知らせ

2006-10-31 20:11:02 | Trentinoトレンティーノ
個人的な嗜好によって、引越しを決めました。

でも相変わらず四方山話はまだ続きます。今後は『QuarantaquattroGatti44匹の猫たち』で、
トレンティーノ関連の情報は『Trentatre'Trentini33人のトレント人』に掲載する予定です。

相変わらずご贔屓のほど、よろしくお願いします。

Romanino ロマニーノ展

2006-10-10 00:13:55 | 
ブオンコンシリオ城の『ロマニーノ展』に行って来ました。

日本にいた時はあまり聞かなかった画家の名前だが、ジローラモ・ロマニーノ(1485または1487-1560)はブレーシャ出身の画家で、城内の壁画を描いたことで知られる。40年ぶりに行なわれた展示会で、しかもトレントと深い関係があるといえば行かない理由はないと、ガイド付きのグループに参加する。

画法が時代によって変わっていて、明らかにジョルジョーネやティツィアーノの影響を受けていると見られる時期や、全く異なるものもある。特徴が少ない画家なのかとも思う。

生地の光沢や装飾を描くことに凝っている時代があり、肖像画においても細かく丁寧に描かれている。しかし当時は贅沢していたんですね、肖像画かかせるくらいの人って。などと、このくらいの時代の絵をみるといつも感心(?)してしまう。それにブラウスなどのデザインが前衛的なこと、『今』の比には及びません。

チェーザレ・ボルジアという人物の肖像画がありました。私自身は塩野七生が本を書いたということで名前を知っていたけれど、イタリアの歴史上でもそれほど素性がはっきりしていない人物のひとりらしい。しかし波乱万丈な人生は、その肖像画の背景の絵からもうかがえるとのガイドの説明、なるほど。

個人的には、ブオンコンシリオ城に描かれた一連のフレスコ画が、どの他の絵画より良い。画法にあまりムラがないという印象で、テーマも明確でわかりやすく、時に愛嬌がある。同時代の他の偉大な画家たちに比べると、ずっと描きこみ足りないと評価されるだろうが、内装として観賞するには十分満足する。

日本語への興味

2006-10-04 16:27:06 | Weblog
どういうわけか日本語に興味をもっているという、非日本人にことばを教えることになった。

たしかに外国語に対する興味は、なにか特別な理由があるというわけではないことが多いかもしれない。私のイタリア語との接点もそうだったように、ちょっとしたキッカケで始めたら面白くなると同じくらい、どんどん難しくなって、気がついたらいつまでもしつこく拘っているということもある。

今回の場合はふたりの若い女の子で、ひとりは学生時代勉強した東洋哲学への興味から、日本や日本語について勉強してみたいという気持ちになったというのだ。日本人のメール友達がいるらしい。
もうひとりは、日本はすてきな国、と連発するほど『何がとくに』という理由ははっきりしないが、なんだか『日本』という国への強い憧れがあるらしい。ひそかに近い将来日本へ行く計画をしているのではないかと思うくらいだ。

イタリアにもかなりたくさんの日本のアニメマニアがいるのか、製作過剰な日本のアニメ業界の輸出が盛んなのか、その両方だろうか、近頃深夜TV番組でも日本のアニメを放送していて、おかげでイタリアとはかなり違う日本の景色や生活習慣を、妙に身近に感じているマニア以外のイタリア人たちも(イタリアにいる外国人も)いるらしい。

それに東洋文化一般への関心は数年前に比べて、ここトレント地方でも着実に増えてきている。それが中国なのか日本なのかタイなのかの区別はつかないのは仕方がないにしても。(私たちだってフランスとイタリアと混同することはよくある。)

これはちょっと面白い現象だと思うこの頃だ。

私は十分な大人になってからイタリア語を習い始めたが、より深めるためにイタリアで勉強したいと言った時に、『外国語を習得するには子供と同じような柔軟な気持ち』が必要だと言って『子供のようになる気持ちがある?』とその意志を確かめてくれた上司がいた。実際これはなかなか難しく、記憶力とかの問題でなく、吸収する前に様々なことを考えて『言葉』がすんなり染み込まないのである。きっと大人であるがゆえの、余計な憶測知識、見栄なんかが邪魔をするってことがあるに違いない。こういうのを頭も心も固いというのだ。

子供が新しいことがらをみるみる吸収していく過程は、それはそれはうらやましい限りである。きっとベースになる知識の受け皿の空き具合にもよるだろうが、真似や間違いを怖がらずに行うことで、その中から正しいことを早く身につけやすいからとも思う。

つまり習うほうも子供のようになる(ほうが良い)のだから、教えるほうも子供に教えるつもりでやればいいのではないか、と始めてみることにした。幸い彼女たち成人したばかりの、興味のほうが何より強い世代だし。

試しに10回コースを提案してみる。なんたって外国語は習っても使わなければその知識も薄れていくものだし、必要性がなければよほどの興味がない限り持続しないものだ。
彼女たちは話すことのほかに、ひらがなやカタカナの妙なデザインにも魅力を感じているらしい。だから50字弱づつある仮名も教えてみよう。

その後ますます興味がでてくれば専門的に続けてくれればなお嬉しいし、ちょっとしたことがキッカケで、例えばガールフレンドが日本に興味をもっているから自分も少し影響されているとか、友達が日本に行って気に入ったと言っていたからとか、そんな理由でも、日本を好意的に思ってくれる非日本人が増えるのは嬉しい。


チェイ湖の水面反射

2006-10-01 22:28:38 | Trentinoトレンティーノ
ロヴェレートから北西へ約15キロのところに、小さな湖『チェイ湖』がある。
ブナの森と針葉樹林が美しく、時々行ってみたくなる。小さな湖に反射する影は、季節によってその色どりが変わっても、毎回鏡のように同じかたちが見えるので、風も波もない静かな場所だという印象をいつも受ける。

9月の33人のトレント人をリンクしておきます。

9月6日 ジローラモ・ロマニーノ展
9月13日 ドロのプラム
9月21日 トレンティーノの秋