ＲＰルート雑感6 城ヶ崎「エアダンス」（１２ａ）

０６年暮れに師匠と城ヶ崎へ。城ヶ崎はまだ岩場に慣れない頃２回行っただけだったので、何か１本狙ってＲＰしてみたかった。

有名な「風に吹かれて」（１１ａ）や「ホワイトシャーク」（１１ｃ）などをやってから、「１２ａ」を物色した。

「ピスタチオ」や「アイアンヘッド」（いずれも１２ａ）などを眺めたが、どうも落とせる気がしない。そんな時「エアダンス」（１２ａ）にトライしているクライマーの姿を見た。

小柄な女性クライマーだったが、その足さばき、ムーブがカッコよくて魅力的だった。まさに「空中の踊り」。「エアダンス」のルート名そのままだ。もう少しでＲＰ‥というところを、何度もトライして惜しいところでフォールしている。その懸命な姿にも感銘を受けた。「城ヶ崎の１本目『１２ａ』はこのルートに決めた！」。

右に左にルート取りしながら３回ほどハングを越えていく。大柄なクライマーなら下からガバッと手のいいところに届いてしまうが、小柄な人は正確なスタンスを踏み、微妙な掛かりのホールドに耐え、バランシーなムーブやヒールフックも要求される。靴はピンポイントで踏める「テスタロッサ」を起用した。

「城ヶ崎」は冬暖かいのはいいが、日によって潮風が岩に吹き付けるとホールドが塩気でザラザラしてくる。また、その塩が湿気を含むとヌメッてどうしようもない。特に「エアダンス」の下部のカチホールドはヌメると厳しい。微妙な岩場コンディションと身体のコンディションを合致させてゆくのにも苦労した。

そんななか、何とか延べ５日１２トライでＲＰできた。少し遠いので通うのにもエネルギーが要る。もう少し長引いたら次のシーズン待ちになっただろう。

もうすぐまた「城ヶ崎シーズン」がやってくる。今度は何を狙おうか。粒よりのルートがいっぱいなので、また「うれしい悩み」が私を見舞いそうだ。