めざせ!13ルート10本 &12ルート50本 RP計画!」

46でクライミングを始め10年がかりで13aを3本ゲット!世の中高年クライマーの皆さんまだまだイケる!一緒にガンバ!

RPルート雑感33:小川山「エクセレントパワー」(13a)

2012年12月06日 05時43分13秒 | 「12以上ルート40本の記録」
12以上ルート「50本RP計画」の33本目。2012年11月25日RP。これで12台はちょうど30本、13aは「カリスマ」「海賊船」に続く3本目となった。

昨年(2011)の夏、錦糸町Tウォールの強~い常連N氏が、エクセレント狙いだというので、お供をして小川山マラ岩にボチボチ通い始めた。

マラ岩は基部から頂上まで30メートルくらい。「エクセレントパワー」(13a)は右へ左へとルート取りをするので、ルート自体の長さは40メートルくらいになるのではないか。とにかく長いルートだ。きんさんも「エクセレントは旅だ…」と評しておられる。

下部「シルクロード」(12bc)、上部「ロッキーロード」(12a)を繋げたルート。まずはそれぞれに取り付いて様子をみたが、どちらもテクニック、パワー、高さの恐怖に負けない強い気力を必要とする。

結局11月まで何度か通ってN氏はめでたくRPしたが、私は気力と体力が持たず、狙いを変えて「イエロークラッシュ」「ノーモアレイン」2本を登ってシーズンを終えた。

冬から春にかけてニ子と有笠を経て、今年(2012)5月から再び小川山マラ岩。

梅雨でヌメる前の、まだフリクションが良い時期に、「シルク」の遠くて悪い核心部分を少しだけ前進させたが、依然として抜けられる気配はなかった。

夏は「シルク」を一旦中断。「ロッキー」に狙いを変えてトライを繰り返す。やなしおさんやNさんにビレイでお世話になった。

「ロッキー」も序盤に核心があり、ムーブにずいぶん苦労したが、8月末から9月になって身体が花崗岩に馴染んできた頃には、秋の風が吹き始めフリクションも良くなった。最後は今まで想像できなかったスタンスへの立ち込みが決まって核心が解決し、「ロッキーロード」(12a)RPを果たした。(9月8日)。

上部がキマればあとは下部だ。とばかりに続けて秋の良い季節を頼んで「シルク」にとりかかったが、依然として核心には光が見えなかった。「リーチ」を言い訳に何度諦めようかと思ったことか。

しかし160cmくらいで登った人がいるというし、確かにフリクションが良くなるにつれて少しずつ身体は上がってきている。最後には「日本初の13aという歴史的なルート。最終的にワンテンという結果でも、自分なりの到達点が残せればいいじゃないか」と自分なりに気持ちに踏ん切りをつけた。

そして万が一シルク核心を抜けられた時を期して、そのほかの部分のイメージを完璧に作りあげることに努めた。

それまでエクセレントパワーを追い詰めていたクライマー達が次々とRPを果たしてマラ岩を去ってゆく。強いナカム君、努力と根気のきんさん、ソフトな表情の奥に実はイザという時に沸き上がるガッツを秘めているジュニア氏…。皆さんRPを果たして去って行った。

10月末ともなるとマラ岩基部はグンと人が減る。まだまだ通いたいがここで問題がパートナー…。そんな時、昨年ロッキーをRPしてこの秋シルクを狙っているというK氏と岩場で知り合った。それからは毎週末K氏と共にマラ岩通いを始めた。

二人で毎回ロッキーとシルク、仲良く半分ずつヌン掛けをして、互いにアドバイスし合いながらトライを続ける。充実した一ヶ月だった。

そして11月25日。小川山もすでに初冬を迎え、K氏と共に「登れなくても今回を最後にしよう。あとは来春だ…」と決意した日。気温は冬だが、風がなくて陽射しがありフリクションがよい。

「追い詰めている人にはこの上ないコンディションなんだろうなあ」などと二人で言いながらトライを始める。

テンション混じりで2回トップアウトしただけの私には、とても「追い詰めている」と言える実績はなかったが、あのシルクの核心さえ止まれば、あとは迷いなく行くしかないと腹を決めていた。

そして2便出して、やっぱりシルク核心でテンションして、そこだけを何度か探って降りて、次に出した3便目。ついにシルク核心が止まった。

もう行くしかない。シルク上部のトラバース、ロッキー出だしへのつなぎ目、ロッキー核心、クラック直上、ダイクへの乗り込み…。ひとつ関門をクリアする度に先を見上げてため息をつく。長い「旅」だ。

最終クリップから終了点のところは、もうどうなるか予想できなかった。ホールド、スタンス、ムーブが固まっていても身体がヨレて剥がれるかもしれない。

しかしフリクションと、ヌン掛けした時付けたティックマークが味方した。最後は一手一手「うお~!うお~!」と叫びながらマラ岩頂上に駆け上がった。

「ロッキー」は延べ12日19トライかかった。「シルク」は区切ってはRPせずに、エクセレント狙い含めて基部から取り付いたのは延べ13日35トライ。シルクが登れたトライでそのままエクセレントをRPした形だ。

多くの方々にお世話になったが、最終的にはRPをサポートしてくださったK氏に Special thanks だ。上部に行くとロープの重さでクリップもままならないので、ロープの流れを考えたスリングの長さや、ロッキー出だしで足がロープに入りそうになる箇所のヌンチャクの工夫など、K氏といろいろ相談した。

同じルートを共に励まし合いながらトライするパートナーの存在は貴重だ。

それにしてもエクセレントパワー。最後まで登れる気はしなかった。息絶え絶えに目の岩にかじりついて、気がついたら登っていた…という感じだ。

また、これまで登ったルートで、今回のように最後まで抜けられる見通しの立たない箇所のあるルートはなかった。その意味では「不可能」と思いつつ諦め切れずにトライする悔しさ、辛さを存分に味わった。同時に「不可能」が「可能」になるクライミングの奥の深さを思い知った。

エクセレントパワーは私には特別の意味を持つルートになったと思う。


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2 コメント

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Unknown (スーさん)
2012-12-06 23:40:58
50本は軽く行きそうですね。
100本の目標が、ぐっとくるのでは。
これからも、奮闘を期待しています。
私も、目標にしてがんばろうと思います。
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Unknown (よねひこ)
2012-12-07 20:11:48
スーさん、ありがとうございます(^0^)/。自分にとって一大事業だったもので、ついついキバッて記事を書いてしまいましたf^_^;。お恥ずかしいm(__)m。…100本はムリじゃないかなあ。まあ決めつけないことにします。ぼくらには無限の可能性があるp(^^)q。
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