就職支援 チーム還暦にできること

還暦を過ぎた人間だからこそ伝えられること。
40年前社会人になる時、世の中がこんなに変わるとは思わなかった。

最低賃金と初任給

2018-07-29 21:53:58 | 日記
ブラック企業ではないですが、賃金の話をさせてください。

先日新聞で2018年の最低賃金についての記事が出ていました。

「厚生労働省の審議会の小委員会が、2018年度の最低賃金の上げ幅を全国平均26円
(時間当たり)とするというもの。
これに基づくと全国平均874円になります。
そして東京では、最低賃金は985円。

中小企業の労働条件で多いのが、1日8時間勤務・年間休日105日。
これは労基法遵守のギリギリで、1カ月の労働時間は173.時間となります。
つまり東京で1カ月の給与が17万円以上ないと違法。

ざっと、新卒の初任給で大卒20万円、高卒17万円というのが私の意識感覚で、
今回の最低賃金アップで高卒初任給のお尻に火が付くことになります。

そのあたり企業は、何らかの調整手当などでクリアしていると思いますが、
最低賃金のアップは最低賃金の全国平均1,000円になるまで上がり続けるかもしれないのです。

政府は最低賃金のアップを毎年3%を目指していますが、これは春闘で企業に賃上げ要請を
しているのと同じ割合。

しかし、大手や業績の良い企業は別として、中小企業ならせいぜい2%以下。

これは1年だけなら手当で逃げることも可能でしょうが、毎年なら賃金制度を変えなければ
なりません。
そうでないと新人と2年生が逆転してしまうかもしれない。

こんなことを書くと経営者擁護と受け取られかねませんが、20年以上初任給を
据え置きにしてきたツケが回ってきたのです。

1995年の全国平均最低賃金は611円。
大卒・高卒の初任給水準はほぼ現在と変わりません。

企業・経営者が賃金についてさぼってきたか、政治家が経済にそぐわない賃上げを
要求しているのか?

個人的には前者の方が大きいと思っています。

先程中小企業の賃上げが2%以下と書きましたが、年間の賃上げ額が3,500円程度
にしかならない。
単純に4年で14,000円しか上がりません。

大卒1年目の新人を高卒5年目の同年齢の先輩が仕事を教えるということが
あるかと思います。
その時、教える側の月給が15,000円低いとなれば、モチベーションは上がらない。

はっきり言って問題が大きすぎてどうそればいいか皆目見当がつきません。

単純に大卒初任給を24万円以上、高卒を20万円以上としてとしても
その場逃れ以外の何物でもない。

給与のお仕事をした方ならお判りでしょうが、初任給をいじるというのは
賃金制度全体を変えなければなりません。

出せるお金を出さず、内部留保を重ねてきた経営者が招いたこと。

最近の学生は給与より働き方を重要視するらしいですが、それも初任給が
大差ないからかもしれません。


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