『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

映画 『フィクサー』

2012-10-09 | Movie(映画):映画ってさ

『フィクサー』
"Michael Clayton"
監督・脚本:トニー・ギルロイ
2007年・米

++++

NYの大手弁護士事務所に所属する、いわゆる”揉み消し屋(フィクサー)”であるマイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)。

クレイトンは仕事に嫌気が差し、足を洗おうとして弁護士稼業の片手間に飲食業に手を出すが、これが大失敗。

結果、多額の借金を抱え、金銭問題に追われていた。

一方、クレイトンの所属する弁護士事務所は、一大農薬メーカー『U・ノース社』関連の大規模集団訴訟を扱っており、訴訟は大詰めを迎えていた。

そんな最中、この『U・ノース社』の主任弁護士で、事務所一の敏腕弁護士でもあり、またクレイトンの古い友人でもあるアーサー・イーデンスが、突然、原告側の少女の前でおちん×んを出してしまう。


++++ 


どーでもいい映画。

原題はそのものズバリ、『マイケル・クレイトン』なのだが、このクレイトンのキャラクターがなんとも中途半端で、「だからこそリアル!」という事なのかもしれないが、だからってわざわざ映画にして追いかけるほどの男でもない。




感想としては、疲れて眼の下にクマを作ったクレイトン(クルーニー)が、だんだん米作家ポール・オースターに見えてくる・・・

という事くらいだろうか。


でも、それだけじゃあんまりなんで、何とかこの映画から教訓を得るとすれば、それは、


極度の仕事人間になって、この人↑(主任弁護士、アーサー・イーデンス)みたいに原告団の前で自らのパンティを脱いだり、


会社に必要以上の忠誠を誓って・・・、というか与えられた高給とポストに固執して、


この人↑(U・ノース社法務部本部長カレン・クラウダー)みたいに超えてはいけない一線を2回も超えたり・・・

してはダメ、絶対!

という事だろうか。


仕事に全てを捧げる女、法務部本部長カレン・クラウダーは自らのワークライフ・バランスがぶっ壊れている事を十分に自覚していて、インタビュー(のリハ)で

「仕事と家庭のバランスは・・・無いのです。家庭など無いのがバランスなのです」

と、ヤケクソ気味に答えているのが面白い。

ここんところ(異常とも言えるほどの会社への帰属意識)は、やはり本作の裏テーマであるようだ。


『ザ・ビーチ』"The Beach"(2000年・米英)のリーダー"サル"役が印象的だった、ティルダ・スウィントンは本作の法務部本部長カレン役でアカデミー助演女優賞。

確かにスウィントンは巧いのだけど、この映画自体が詰まらな過ぎて・・・。

作品賞を含むアカデミー7部門ノミネートからして謎。


で、関係ないけど、本作で一番好きなのは、原告の少女との恋と躁うつ病による錯乱状態である(と、周りからは思われた)アーサーが、早朝、フランスパンを買い込んで自分のロフトに戻るシーン。
 

なんかカワイイ。

それ、多分ちょっと買いすぎてますよ。


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ジョージ・クルーニー,トム・ウィルキンソン,ティルダ・スウィントン,シドニー・ポラック
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