
現在でもFOREIGNERで活躍するヴォーカリストのソロ・アルバム。リリース年は1997年となっていますが、実際はルーが1975年に録音した作品をアルバム化したもののようです。また本作はリリースがヨーロッパ周辺だけのようですが、1993年には「THE BEST OF THE EARLY YEARS」、2003年には「FOREIGNER IN A STRANGE LAND」として何度も繰り返し曲順を変更してリリースされているようです。1974年から76年までBLACK SHEEPで活動していたので、その間に録音されたものと思われます。BLACK SHEEP~SHADOW KING、再編FOREIGNERまで正にルーの片腕とも言えるブルース・ターゴンももちろん本作に参加しており、現在ルーのソロ・プロジェクトであるLOU GRAMM BANDにも参加しているドナルド・マンクーソも本作に参加しています。内容は75年にしてはオルガンをフューチャーした少々古臭い60年代風の少々サイケがかった作品となっているため、FOREIGNERでのルーを期待するとかなり肩透かしをくらいます。ちょうどVANILLA FUDGEなどに近い雰囲気を醸しだしています。ルーのヴォーカル・スタイルもまた確立しておらず、あのソウルフルでパワフルなスタイルには程遠いです。しかしルーのルーツであるソウルやR&Bからの影響はたぶんに感じ取れるため、ルーの歴史を辿るには非常に興味深い作品となっています。本作ではジャニス・イアンのデヴュー・アルバムから『SOCIETY'S CHILD』(全米1位)をカヴァーしています。