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台湾偏愛日記~台湾の団地に行きたい~

台湾の団地マニア・tamazoの台湾見聞記。眷村と日式建築と市場と台湾の店の整然としたごっちゃり感が大好きです。

【日本統治時代の駅舎を行く。②】保安駅

2020-10-28 07:22:47 | 日本統治時代の建物

保安駅は台湾鉄道の駅で、私は鉄路で台中に行くために台南空港からタクシーで乗り付けました。(100元くらい)

現在駅前には何もありませんが、かつては製糖工場が隣接し引き込み線があったそうです。残念ながら既にレールは撤去されています。

隣は台南駅となっていますが、かつては間に「南台南駅」がありました。(「台鉄の廃駅「南台南駅」に行ってみた。」参照)

同線に永康駅があり、この両駅の駅名を並べ替えれば「永保安康」(安らかな生活と健康な体を永遠に保つ)という縁起の良い言葉になるので、二つの駅名を組み合わせた「永保安康」切符を発売したことでブームになったそうです。

日本統治下の1899年に建てられた保安駅は、現在台湾でもっとも保存状態の良い日本統治時代の木造建築の駅として知られ、人気があります。駅舎の建材には阿里山のヒノキが使われているそうです。

なかなか見ごたえのある美しい駅なので、台南から一駅だけ乗車してみるのも良いかも知れません。車窓から廃駅の「南台湾駅」も見えます。


【日本統治時代の駅舎を行く。①】南台南駅

2020-10-24 07:15:04 | 日本統治時代の建物

「南台南駅」は、台南駅と保安駅の間にあります。1991年8月9日 に廃止されました。台南行きの列車から古い駅舎が見えていたので、興味深く思って自転車で行きました。

行ってみると、幹線道路沿いにある集合住宅や店舗付き住宅の裏手にぽつんとありました。昔はこのあたりに台湾総督府糖業試験所があったり、日本空軍が駐留したのち戦後は台湾空軍が駐留していたりと需要があったようです。しかし今はこの周辺全体が空き地になっています。

事務所部分は閉鎖されていますが、改札からホームにかけては開放されているので自由に見学できます。

2017年に台南市の鉄道地下化事業が起工し、2022年末には地下駅として再開業予定とのこと。この駅舎もきっと残してくれることでしょう。その時には自転車ではなく電車で行きたいと思います。中心部から結構遠かったです。


台北に残る日本統治時代の遊郭「文萌楼」

2020-10-13 07:20:46 | 日本統治時代の建物

台北の中心部。カルフール重慶店のすぐ近くに、日本統治時代の1924年頃に建てられた遊郭「文萌楼」が残っています。

以前は定期的に内部見学会が行われていたそうですが、2019年に行った時には行われていませんでした。

二階建てですが、上階はタイルが剥がれかけているらしくネットがかけられていました。

台北の中心部のこの一角だけ日本統治時代の雰囲気が残っています。

並びの建物も同時代に建てられたものらしく、このあたりだけ平屋の建物が続きます。

日式建築らしい、瓦屋根の平屋もありました。

文萌楼の隣も同じく日本統治時代の建物ですが、こちらには現在も住人が居ます。

非営利団体の「日日春關懷互助協會」が管理している、フェイスブックがあります。

2017年の更新を最後に更新が途絶えていたのですが、今年2020年5月に突然更新が再開され、正式に保存に向けての修復工事が開始したとのこと。次回渡台するときには、完成しているかも知れません!

◆文萌楼(臺北市大同區歸綏街139號)


斗六のバロック建築はすごい!

2020-10-05 07:38:27 | 日本統治時代の建物

2015年。まだまだ台湾初心者だった頃に、斗六に行きました。斗六は台南と台中の間にあり、台中寄りです。台鉄で行けば台中から一時間ほどです。

斗六駅といえばこの瑞々しい果物のベンチ。座ってみたら硬くてツルツルで座り心地は良くなかったです。

路面も果物押しです。

そして駅前にはバロック建築が広がります。最も駅近で行きやすいバロック建築のひとつだと思います。ここには約600メートルにわたって商店建築が軒を連ねます。

1906年に台湾中部を襲った大地震の際、ここも大半の建物が倒壊してしまい、再開発によってこの街並みができました。屋上に設けられた石造りの装飾部分は「女兒牆」と呼ばれ、各店舗さまざまに意匠を凝らして競い合っています。

日本の国旗をデザインしたものもあるそうですが、完全に見落としています。

行った時は今のように店に飛び込む勇気がなく、このカフェに入って見たかったのですが行けずじまいでした。

こんなに素晴らしい建築群なのに、たぶん一時間くらい居て商店街を往復しただけで帰ってしまった私を殴りたい・・・。

昨年末に観光客がほぼいない苗栗に行ってから度胸もついたので、そのうち斗六にも泊まってゆっくり散策したいです。


今再訪したいのは、高雄の中油宏南宏毅宿舎群!!

2020-09-15 20:15:02 | 日本統治時代の建物

台湾への渡航が解禁になったらどこへ行こうかなと2日に1回は考えています。

今一番再訪したい台湾の街は、高雄です。高雄捷運紅線の世運駅前にある中油宏南宏毅宿舎群にもう一度行きたいのです。

ここは、日本統治時代の海軍宿舎を元に、台湾中油(1946年に設立された台湾の石油元売最大手の国営企業)が建設した社宅です。
海軍宿舎を転用した木造平屋だけでなく、コンクリートの中層集合住宅も多く建てられていて、団地マニアとしての見どころ満載です。

ここは台湾中油の社宅兼福利厚生施設なので、入口には門番が駐在。
ひとこと「我可以參觀嗎?」(見学してもいいですか?)と言えばOK。

正面はロータリーで、周囲には日式宿舎が何軒も建っています。
入ってすぐ左手にはレストラン・購買部・床屋・図書館などの福利厚生施設があり、購買部では「中油冰棒」と呼ばれる台湾中油が製造しているアイスキャンデーが販売されていて、近隣の住民も買いに来るそう。正面奥にはテニスコートやプールや体育館もあり、この宿舎内で生活に必要なもの全てが賄えるようになっています。

入り口から右奥に行くと、台湾のインスタグラマー御用達の映える3~4階建ての集合住宅が4棟あります。
手前2棟がアイボリー・奥がブルーで、ブルーの住棟が特に人気。
この建物は元々は警察の宿舎だったそう。まだ住んでいる人がいらっしゃるので、見学にはご配慮を。

これ以外にも、広大な敷地に日本統治時代に建てられた100棟余りの木造平屋の宿舎が点在しています。将校の宿舎は一戸建て。それ以下の階級の軍人が住む住戸は連棟だったそうです。

蒸し暑い台湾の気候に映える爽やかなブルーやグリーンに塗られた木造宿舎は連棟で、数棟は修復中だったので、もしかしたら公開もあり得るかも!と期待してしまいます。

とりあえずこのエリアの建物が保存されることは間違いないので、皆さんもぜひ行ってみてください。私はここの敷地が広すぎて半分くらいしか廻れなかった上、カメラが壊れてiphoneでしか撮っていないので、ぜひ再訪したいと思っています。

参考資料:中油社區歷史發展與建築形式 

また、2010年に放送された台湾のドラマ「倪亞達」では、主人公の家がこの中にあったという設定なので、映像で中の様子を見ることができます。youtubeに大量に上がっているので、探してみてください。