つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・17

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載17回目である。

17 煉獄に置かれた魂にとっては、この慄きが軽減されるのに応じて愛が増し加わるのは当然である。
    深井氏下掲同著・17~18頁


「煉獄」について、今年は『鬼滅の刃』の炎柱の名字と同じこともあり、調べたり理解する人も増えたのではないかと思うが、死者の小罪のある霊魂や罪の償いを果たさなかった霊魂が、天国に入る前に現世で犯した罪に応じた罰を受け、清められる場所だとされる。生者はミサや祈り、信心業などで煉獄の魂の苦しみを和らげたり、短くすることが出来るという(『岩波キリスト教辞典』「煉獄」項参照)。

要は、煉獄の火とは、浄罪の火なのであり、結果として煉獄に置かれた魂は、その戦きが軽減され、愛が増すことになるという。このことは、救われ方に対する教会の関わりを規定するものであり、詳細はまた次回の記事でも見ていきたい。

【参考文献】
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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