つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・47

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載47回目である。なお、英訳された『九十五箇条の提題』を、当方で日本語訳して掲載することとした。

22〔47〕 キリスト教徒は、贖宥を買うのは自由意志の問題であり、律法の問題ではないことを教えられるべきである。
    訳は当方


ここ数回の記事同様に、贖宥状に対するルターの評価を論じた箇所である。そこで、ルターは贖宥状の購入は、自由意識の問題であって、神やキリストが律法のようにして定めたことでは無いとしているのである。つまり、購入の意義は宗教的理由では無く、気分的問題だと批判することにより、キリスト教徒にとっての贖宥状の位置付けを明示したことになるといえる。

【参考文献】
Works of Martin Luther:Adolph Spaeth, L.D. Reed, Henry Eyster Jacobs, et Al., Trans. & Eds.(Philadelphia: A. J. Holman Company, 1915), Vol.1, pp. 29-38
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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