つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・37

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載37回目である。なお、英訳された『九十五箇条の提題』を、当方で日本語訳して掲載することとした。

12〔37〕  すべての真のキリスト教徒は、生きているか死んでいるかに関わらず、キリストと教会のすべての祝福に与る。そして、これは贖宥状がなくても、神によってその者に与えられる。
    訳は当方


問題は、「真のキリスト教徒」という定義になるが、これは、前項に見る通り、真に悔い改めた者を指す。よって、そのような者は、本人の生死に関わらず、必ずキリストと教会からの全ての祝福に与ることが出来るという。しかも、それは贖宥状が無くても、神から与えられているという。

つまりは、ここまで来ると、神に対する真の悔い改めを行い、それを自ら信じることが出来るという状態であれば、救われるのである。神と繋がっているのである。だんだん、ルターの意図が分かってきた気がする。

【参考文献】
Works of Martin Luther:Adolph Spaeth, L.D. Reed, Henry Eyster Jacobs, et Al., Trans. & Eds.(Philadelphia: A. J. Holman Company, 1915), Vol.1, pp. 29-38
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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