庭園礼賛

庭園の魅力・古庭園から現代庭園

興禅寺庭園・岐阜県木曽町

2007年07月21日 18時32分18秒 | 岐阜県
臨済宗妙心寺派の寺院。
小口基實氏による昇龍庭、須弥山庭、重森三玲氏による看雲庭、江戸時代中期の金森宗和によるものとの伝えの有る万松庭がある。

昇龍庭・須弥山庭は小口氏による平成の庭。
昇龍庭は力溢れる龍門漠の石組みを中心にまとめられている庭。



そして須弥山庭(九山八海の庭)
植栽が五月蝿すぎて石組み、地割がわかりづらい


そして重森三玲氏による1963年作庭の看雲庭。
広い敷地に石のみによる庭園で、白黒の市松模様がデザインされたテラスから観賞する庭園。
私が拝観した日は白砂の砂紋が希薄な印象であった。
雲上に突き出る剣の山々がイメージされての、「看雲庭」と銘々されているのだから、雲上に突き出た岩々を表現し、白砂にて雲海を表現しようというのだろう。

石と石との間の厳しく緊張を伴った表現は重森庭園らしさを感じさせるものだ。
こうしてカメラを通して見る以上に、実際にテラスに立って見ると石組みに張り詰めた気を感じる。




重森庭園を見た後に江戸時代の金森宗和作と伝えられる池泉庭園の万松庭をみるが樹木が繁り地割、石組みがよく見えないのが全く残念であった。



遠照寺庭園・長野県伊那市高遠町

2007年07月14日 11時47分15秒 | 長野県
高遠桜と呼ばれる小彼岸桜の時期は観光客で溢れる高遠のまちをはずれ、秋葉街道を北上し、途中、山間部に入ったところにある現在は日蓮宗寺院。

江戸時代の大奥スキャンダルで高遠に流刑された絵島の墓があり、ボタンの寺としても知られる寺院。

庭園は江戸時代中期の造営とされていて、本堂裏の傾斜面に石組みがなされ平面部分に亀島が組まれている。

寺付属の建物を造営するさいに庭園部分が削られてきたのか、亀島は本堂と付属建物の間に窮屈そうに残されている。

また近年改修の手が加えられていて造営当初の庭園の全貌が残されては居ない。
拝観当日はツツジなどの植物が花の時期で石組みや地割の詳細は見て取れなかったのは残念であった。
それでも、古枯れな雰囲気を残す亀島組みは秀逸であった。