メルマガに頷ける話が載っていたので、ここに転記しておこう。。。
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損切りという言葉をよく聞くようになったのは、以下のことが広く知られるよ
うになったためと思われます。
1 トレンドに逆らうと勝てない
新聞の株式欄(新高値・新安値が白抜きになっている)を見ていると、一度新
値をつけた銘柄はその後も引続き新値をつけ続けることが多いということが
わかると思います。持株がトレンドに乗って順風となっている場合はそのま
まにしておけばよいのですが、逆風の場合は早めに手放す必要があります。
2 株式市場全体が右肩上がりではない
どんな株式でも右肩上がりに上がる時代は終わり、上がらない株式に付き合
っていてもダメだということがわかってきました。
3 上がる株に資金を振ったほうが何倍もいい
個性的な会社が出現し世の中の動きが速く効率化したためもありますが、業
績をぐんぐん伸ばす会社とそうでない会社に分かれてきました。業績を反映
して、上がる株はとことん上がり、逆に下がる株はとことん下がるようにな
りました。
4 信用取引の損失については早めの対応が必要
信用取引では、買いの場合証券会社から買付け代金を借りています。売りの
場合株券を借りています。手持ち資金以上の取引をすることも可能であり、
現物取引よりリスクが高い分、損失となった場合早めの対応をしたほうがい
いです。
5 売買手数料の低額化
ネット取引の手数料が安くなったので、手数料負担をあまり気にすることな
く反対売買することができるようになりました。
損切りする時は嫌な気がしますが、後から振り返ってみると、望みがなさそう
な銘柄をそのまま持ちつづけるより、結果としてよかったとなることが多いよ
うです。
損切りは、最初のうちはなかなかできないこと、苦痛なことです。最近投資を
始めた人向けに、損切りをした時、一般的にどんな気持ちがするとされている
かを順に見ていきます。
(1)評価損の段階
本人にとっては問題のある、たいへんな事態です。
現実に損を出して終わりそうだ、という状況は、
1 減ってしまった元本からまたスタートしなければならないという認識
2 自分の投資のやり方がうまくないのではないか・ちがうやり方に変えた
ほうがいいのではないかという疑念
を生じさせます。
ニュースとして、著名な投資家が莫大な金額を損したというのを聞いたこ
とがあったとしても、いざそれが自分にやってくると損というものは受け
入れ難く感じられます。
この銘柄でこう儲けるというアイデアについて、希望を持ちシナリオを信
じているうちは楽ですが、ダメだと思いはじめると途端に苦しくなってき
ます。
望みを失ったわけではないものの、気持ちは不安定で、評価損を前に株価
をにらむ日々です。
そして密かに、心の中では損を確定させる準備をし始めています。
(2)損切りを実行する段階
損失額や日柄がある一線を超え、冷めたあきらめの状態になると、損を確
定させることになります。
損切りする直前にその銘柄について好材料が発表されたとしても、すでに
決心を固めた後なので、無視するか「たいしたことではない」と思い定め
ることが多いようです。
評価損は実現損となりましたが、重しがとれたように気はぐっと楽になり
ます。
評価損がもう上下することはありません。生命のない物体のように実現損
としてじっとしています。
(3)気持ちを整理する段階
ここで損を一度に取り戻そうと投資金額を増やして市場に向かうと、よく
吟味したうえの投資ではなく、情動的な行動であるため、さらに傷が深く
なることが多いようです。
今回の損失に区切りをつける段階が必要です。
銘柄を買った時のことを思い出し、投資のアイデアが生まれた時を振り返
って、それが今となっては自分のものとは思えないつまらない考え、冴え
ない思いつきだったことが確認されます。
アイデアは捨てられ目の前からなくなり、この損が過去の単なるエピソー
ド・よくある出来事の一つとなったことがはっきりと実感されます。
慣れないうち、損切りするというのは一つの事件です。意気消沈してしばらく
は売った後もその銘柄の値動きを追ったりします。あの損がなければこれが買
えていたと考えることもあります。
やがて損について感情的な反応をすることがなくなり、逆境の時は決まったや
り方・自分のルールで対処し、損切りについて株式投資を続けていく上でのコ
ストと考えるようになります。
損切りする時、全部を処分せずに一部残しておく投資家もたまにいますが、こ
れはおすすめできない方法だと思います。失敗した投資のアイデアが消失する
ことなく中途半端な状態で残ってしまい、新しい考えに専念することを邪魔す
るからです。