流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

ターボファンエンジンのガス発生機の初段遠心コンプレッサー部の設計考察

2017年09月16日 | 宇宙航空産業機械

ターボファンエンジンのガス発生機の初段遠心コンプレッサー部の設計考察です。

前回の設計考察にて2段遠心コンプレッサーをガス発生器コンプレッサーとしたことで、1段目遠心コンプレッサーの設計を考える。

1段目遠心コンプレッサーは圧力比Rc1=4であり、入口空気状態が入口全圧Pci、入口全温Tci、入口エンタルピーhci と求められている。

1段目遠心コンプレッサーの出口圧力Pc1o=Pci*Rc1で求められる。

入口出口の間で等エントロピー変化をするつまり1段目遠心コンプレッサーの効率が100%と仮定した場合は、定圧比熱Cpc=1.004、比熱比k=1.4程度として、出口全温Tc1o=Tci*(Pc1o/Pci)^((k-1)/k)と計算出来る。

よって等エントロピー変化での1段目遠心コンプレッサー出口のエンタルピーhc1o=Cp*Tc1oとなり、等エントロピー変化での入口出口エンタルピー差Δhc1=hc1o - hci となる。

実際の1段目遠心コンプレッサーの効率をηc1=0.82程度とすると圧縮に必要なエンタルピー差Δhc1r=Δhc1/ηc1となり、等エントロピー変化よりも(1/0.82)=1.22倍のエンタルピー差が必要である。

実際のエンタルピー差Δhc1rより、初段遠心コンプレッサーの出口エンタルピーhc1or=hci+Δhc1rとなる。

よって出口全温Tc1o=hc1or/Cpと計算出来る。

さらに流れる空気の質量はWgなので、この1段目遠心コンプレッサーに必要な動力Lc1=Δhc1r*Wgと計算出来る。

次にエンタルピー差Δhc1rを得ることの出来る遠心コンプレッサーの羽根出口周速度Uc1tはどのくらいになるか分かれば羽根回転数Nc1を仮定することで羽根外径Dc1tが計算できる。

遠心コンプレッサーは羽根での圧力上昇とディフューザーでの圧力上昇が同じ程度になり、全体の圧力上昇は入口空気全温についての羽根外径での周速のマッハ数の2乗と関係している。

1段目遠心コンプレッサーの羽根外径での周速Uc1tでのマッハ数Mc1t=Uc1t/√(k*R空気ガス定数*Tci)となり、入口出口全温比(Tc1o/Tci)=1+(k-1)*Mc1t^2の関係からMc1t=(((Tc1o/Tci)-1)/(k-1))^0.5と計算出来て、Uc1tが求まる。

<今日の流れ>

今日は台風に備えて一日自宅にこもっています。

でもまだあまり風雨は強くありませんが、明日日曜日は暴風雨を警戒して更にこもります。