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あなたが 知らない iPhone。

〇 「iPhone 16e」を徹底レビュー、シンプルなデザインとバッテリーの持ちが魅力。

(写真:伊藤朝輝)
                                                     (写真:伊藤朝輝)

 新しいiPhoneのエントリーモデルである「iPhone 16e」が2025年2月28日に発売された。ほかの「iPhone 16」シリーズと同様に、頭脳に相当するチップは最新世代のAppleシリコン「A18」を搭載。その一方で、背面カメラは1つだけで「MagSafe」には対応しないなど、いくつかの機能を削減することで低価格化を実現した。

 しかし128GBモデルでも9万9800円(直販価格、以下同)であり、従来のエントリーモデル「iPhone SE(第3世代)」の後継を期待していたユーザーからすると低価格とは思えないかもしれない。とはいえ、現行モデルではこれより安いiPhoneは存在しない。

 筆者はApple JapanからiPhone 16eを借りる機会を得たので、同機を試用した。今回はその経験を基に、筆者が感じたiPhone 16eの魅力や、省かれた機能の影響などを紹介しよう。

本体カラーはホワイトとブラックの2色展開。

 iPhone 16eの本体カラーのバリエーションは、定番のホワイトとブラックの2色のみ。筆者が借用したのはホワイトだ。ちなみに「iPhone 16」シリーズは5色、「iPhone 16 Pro」シリーズは4色のバリエーションを用意している。

 最近のiPhoneと同様に、側面と前面および背面に丸みのないスクエアなデザインを採用している。人によっては新鮮味を感じないかもしれないが、筆者はこのデザインでかつ背面カメラがiPhone SEと同様に1つである点が魅力的に思えた。

 背面カメラが2つあるいは3つのモデルでは、背面より1段高くなった台座のような部分にカメラが乗っている。iPhone 16eではその台座がないため、とてもすっきりしている印象だ。

 これは最近のiPhoneにはなかったシンプルさである。iPhone SEのレトロデザインと、最新デザインの融合が面白いと感じた。

「iPhone 16e」の大きな特徴は背面カメラが1つという点。最近のiPhoneに慣れていると、カメラ部分に台座がないデザインが新鮮に感じた
画1、「iPhone 16e」の大きな特徴は背面カメラが1つという点。最近のiPhoneに慣れていると、カメラ部分に台座がないデザインが新鮮に感じた。

 背面がガラスである点は従来通り。中央のアップルマークを除いてマット加工が施されている。手触りは陶器のようだ。筆者が試用したホワイトでは見た目も相まって特にそのように感じられた。

 中央にあるアップルマークはかなり控えめだ。うっすらとしか見えず、角度によってはほとんど見えなくなる。その場合、白いガラスに黒のレンズが1つあるだけのミニマルな見た目になる。

アップルマークがしっかり見える角度で撮影した画像。アップルマーク部分にはマット加工や着色がない。下地の白が見えている
画2、アップルマークがしっかり見える角度で撮影した画像。アップルマーク部分にはマット加工や着色がない。下地の白が見えている。

 このため背面を隠さないバンパーのようなケースが、iPhone 16eの魅力を引き立てるのではないだろうか。

純正のケースを装着した状態。iPhone 16eのシンプルな背面が隠されてしまう。iPhone 16eの背面を見せて周囲だけをガードするバンパー型のケースを使用するのも手だろう
画3、純正のケースを装着した状態。iPhone 16eのシンプルな背面が隠されてしまう。iPhone 16eの背面を見せて周囲だけをガードするバンパー型のケースを使用するのも手だろう。

デザインは「iPhone 14」との共通点が多い。

 正面上部には前面カメラやマイクなどが収められたノッチ(切り欠き)がある。ほかのiPhone 16シリーズのようなパンチホールデザインの「Dynamic Island」は採用されなかった。

iPhone 16eは、正面上部にカメラや近接センサー、マイクなどを収めたノッチ(切り欠き)デザインを採用
画4、iPhone 16eは、正面上部にカメラや近接センサー、マイクなどを収めたノッチ(切り欠き)デザインを採用。

 ノッチデザインを含めて、iPhone 16eはiPhone 14との共通点が多い。ベゼル幅もiPhone 14と同じで、iPhone 15以降のモデルよりもわずかに太い。

 細かいことであるが、側面から前面、背面へとつながるエッジの面取り半径もiPhone 14と同じだと思われる。iPhone 15以降では半径がやや大きくなり、持ったときに手に当たる感じがソフトになっている。

側面から前面、背面につながるエッジの面取り半径(緑の線で示した部分)はiPhone 14と同じだと思われる
画5、側面から前面、背面につながるエッジの面取り半径(緑の線で示した部分)はiPhone 14と同じだと思われる。

 ノッチやわずかに太いベゼルを「やぼったい」と思う人もいるかもしれない。自分で撮影した動画、映像作品やゲームなどを画面に大きく表示した際には、Dynamic Islandよりもノッチのほうが違和感なく楽しめる場合があるため、個人的にはノッチにも良い点があると考えている。

 一方で、iPhone 16eはMagSafe非対応だ。MagSafeとはワイヤレス充電と磁石による固定を併せ持つ仕組みである。iPhone 16eは最大7.5Wのワイヤレス充電規格「Qi」に対応するものの、磁石で固定できない。

ワイヤレス充電は可能だが、磁石で固定する仕組みがiPhone 16eの本体に搭載されていない。そのままではスタンドタイプのワイヤレス充電器は使えない
画6、ワイヤレス充電は可能だが、磁石で固定する仕組みがiPhone 16eの本体に搭載されていない。そのままではスタンドタイプのワイヤレス充電器は使えない。

 ワイヤレス充電はしなくても、iPhoneを持ったときに安定する「スマホリング」や、動画視聴やビデオ通話時にiPhoneを立てておくためのスタンドなどでMagSafeの磁石を使うユーザーは多い。

 ただ、iPhone 16eをMagSafeに対応させるサードパーティー製のケースが販売されているので、それらを用いれば磁石で固定できる。

充電器などに磁石で固定させるには、このような金属製のリングを貼り付けるか、MagSafeに対応させるサードパーティー製のケースを使う必要がある

画7、充電器などに磁石で固定させるには、このような金属製のリングを貼り付けるか、MagSafeに対応させるサードパーティー製のケースを使う必要がある。

 

iPhone 16eの純正「シリコーンケース」にも、磁石で固定させる仕組みはない
画8、iPhone 16eの純正「シリコーンケース」にも、磁石で固定させる仕組みはない。

バッテリー駆動時間はiPhone 16よりも長い。

 次にiPhone 16eのバッテリー駆動時間を見てみよう。バッテリー駆動時間の指標となるビデオ再生の公称値は「最大26時間」である。一方、iPhone 16は「最大22時間」なので、iPhone 16eのほうが4時間も長い。

 「iPhone 16 Plus」の最大27時間や、「iPhone 16 Pro Max」の最大33時間にはかなわないものの、6.1型のスタンダードモデルの中では圧倒的にバッテリー駆動時間が長い。計算上は、バッテリーの充電上限を「85%」に設定して使っても、iPhone 16と同程度の「22.1時間」駆動できることになる。

最近のiPhoneには「設定」→「バッテリー」→「充電」で充電上限を設定することでバッテリーの劣化を最小限にする仕組みがある。iPhone 16eの「85%」は、単純計算でiPhone 16の充電上限「100%」と同程度のバッテリー駆動時間になると期待できる
画9、最近のiPhoneには「設定」→「バッテリー」→「充電」で充電上限を設定することでバッテリーの劣化を最小限にする仕組みがある。iPhone 16eの「85%」は、単純計算でiPhone 16の充電上限「100%」と同程度のバッテリー駆動時間になると期待できる。

 iPhone 16eのバッテリー駆動時間が延びた要因は2つ考えられる。1つは、iPhone 16eに搭載されるバッテリー容量がiPhone 16よりも増えたこと。米Apple(アップル)は公表していないが、iPhone 16のバッテリー容量が3561mAhであるのに対して、iPhone 16eは4005mAhと約12%増えていることが確認されている。

 もう1つは、アップルが自社開発したモデム「C1」の省電力性能である。C1はiPhone 16eで初めた搭載された。

最も安価にApple Intelligenceを使える。

 iPhone 16eの特徴としては、アップルのAI(人工知能)「Apple Intelligence」に対応していることも挙げられる。現時点では最も安価にApple Intelligenceを使えるiPhoneである。Apple Intelligenceはシステムに融合されているため、端末操作時の様々な場面でシームレスに利用できる点が魅力だ。常に持ち歩いて使うことの多いiPhoneにふさわしいAIである。

 本記事執筆時の2025年3月末時点では、Apple Intelligenceは日本語に対応していない。ここではパブリックベータ版の「iOS 18.4 Beta 4」で試してみた。なお、ベータ版は開発およびテスト目的で提供されている。商用リリース版とは動作や結果が異なる可能性がある点に留意してほしい。

iPhone 16eに「iOS 18.4 Beta 4」を導入してApple Intelligenceを試した
画10、iPhone 16eに「iOS 18.4 Beta 4」を導入してApple Intelligenceを試した。
 
日本語環境でもApple Intelligenceが有効になった
画11、日本語環境でもApple Intelligenceが有効になった。

 まずは、日本語に対応していない現在でも正式に使える「写真」アプリの「クリーンアップ」機能を試してみた。写り込んだ人や物を後から消せる「消しゴムマジック」のような機能である。

 クリーンアップは、写り込みを違和感なく消せる点が注目されている。だが実は、人の顔にモザイクを入れる機能も備える。人の顔の部分だけを選択すると簡単にモザイクを入れられる。画像に人は残しておきたいが個人情報は保護したいといった場合に有用だ。

「写真」アプリの「クリーンアップ」機能で人の顔の部分だけを選択すると「身分証明の保護が適用されました」と表示されモザイクをかけられる
画12、「写真」アプリの「クリーンアップ」機能で人の顔の部分だけを選択すると「身分証明の保護が適用されました」と表示されモザイクをかけられる。

 続いて、日本語環境で早く使ってみたいと思っていた「作文ツール」を試した。校正や文体の変更などが面白そうだと考えていたが、ChatGPTとの連携によりもっと具体的な指示も可能だ。思っていた以上に役に立ちそうである。

 筆者がここまで書いた原稿を、メモアプリ上で「500文字ぐらいでまとめて」と指示してみた。するとChatGPTと連携し「iPhone 16との比較を強調してまとめる」ことなどが提案された。ChatGPTとの連携がかなりスムーズだ。これまで生成AIに触れてこなかった人でも違和感なく使えるだろう。

メモアプリの文章に作文ツールで「500文字ぐらいでまとめて」と指示した。確認の後、ChatGPTで処理された
画13、メモアプリの文章に作文ツールで「500文字ぐらいでまとめて」と指示した。確認の後、ChatGPTで処理された。
 
ChatGPTを使用した場合でも、メモアプリ上で処理される
画14、ChatGPTを使用した場合でも、メモアプリ上で処理される。

 Apple Intelligenceに対応するiPhoneは、現時点ではiPhone 15 ProシリーズとiPhone 16シリーズのみだ。今はApple Intelligenceに興味はなくても、2~3年使うのであれば対応したモデルを選択しておいて損はないと思う。

 iPhone 16eとiPhone 16を同ストレージサイズモデルで比較すると、価格差は2万5000円。機能差が結構ある割には、2万5000円しか高くないとも考えられる。しかしiPhone 16eのシンプルなデザインは、iPhone 16eにしかない魅力だ。

 iPhone 16eは2026年以降に展開されるエントリーモデルのベースとなると思う。9万9800円は法人でも導入しやすい価格だ。今後、街で見かける機会が増えていくだろう。


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