
〇 プレビューを縦横無尽に活用、サムネイル表示も自在。
ファイル保存の仕組みがわかったところで、ここからはエクスプローラーの使いこなしを紹介していこう。
エクスプローラーは、Windows 10と11で操作性が大きく異なる。10はリボンで操作を選ぶが、11はツールバーで操作する。右クリックメニューにも違いがある。10では詳細なメニューが表示されるが、11はよく使うものだけが表示され、「その他のオプションを表示」をクリックすると、詳細なメニューが表示される(図1)。
図1、Windows 10と11では、同じエクスプローラーでも大きな違いがある。10はリボンで操作を選択するが、11はシンプルなツールバーから操作する。右クリックメニューも11はシンプルだ。しかし、一番下の「その他のオプションを表示」をクリックすると、10と同様のメニューが表示される。
使いこなし編では、10の画面を中心に説明し、必要に応じて11についても解説を加える。
プレビューウィンドウかサムネイルで中身を確認。
まず取り上げたいのが「プレビューウィンドウ」だ。便利な機能なので、ぜひ有効活用しよう。
プレビューウィンドウは、エクスプローラーの右に表示される領域で、ファイルを選択すると、中身が表示される。いちいちアプリを起動せずに中身を確認できるのは便利だ。
「どうせ1ページ目を確認できるだけ」と考えているならそれは誤りだ。例えばPDFでは画面下のツールバーを使ってページを移動できるし、拡大/縮小も可能だ。Excelは別のシートにも切り替えられるし、データのコピーまでできる(図2)。
Θ プレビューウィンドウでファイルを開かずに中身を確認。
図2、「プレビューウィンドウ」を活用すると、ファイルを開かずに中身を確認できる。PDFでは1ページ目以外も表示可能で、拡大/縮小もできる。Excelはシートの切り替えが可能でデータのコピーもできる。
プレビューウィンドウの表示/非表示は、10と11で異なる(図3、図4)。11は階層が深くてやや手間なので、「Alt」+「P」のショートカットキーを使うと便利だ(図5)。
Θ プレビューウィンドウの表示方法。
図3、Windows 10でプレビューウィンドウを表示させるには、「表示」タブを開き、「プレビューウィンドウ」をクリック(1)(2)。
図4 11では、「表示」メニューを開き、「表示」→「プレビューウィンドウ」と選択する(1)~(3)。
図5、11/10ともに、「Alt」+「P」キーを押して、プレビューウィンドウの表示/非表示を切り替えることも可能だ。
次はサムネイル(縮小版)の表示だ。写真が保存されたフォルダーを開くと、サムネイルが表示される。サイズは「表示」タブの「特大」「大」「中」「小」から選択できる(図6)。
Θ サムネイルのサイズは変更可能。
図6、サムネイルは、10では「表示」タブ、11では「表示」メニューを開き、サイズを選択して変更できる。ただし、「特大アイコン」と「大アイコン」のサイズの差は大きい。
ただし、「特大」と「大」の差が大きいのは玉にきず。しかし、「Ctrl」キーを押しながらマウスホイールを回転させると少しずつサイズを変更できる(図7)。さらに手前にホイールを回転させると、「一覧」「詳細」「並べて表示」などに表示が切り替わる(図8)。
Θ 「Ctrl」+マウスホイールなら少しずつ拡大/縮小。
図7、「Ctrl」キーを押しながらマウスホイールを回転させると、サムネイルのサイズを少しずつ変化できる。ちょうどいい大きさにできるので好都合だ。
Θ そのほかの表示形式にも移行。
図8、「Ctrl」+マウスホイールの回転では、「一覧」「詳細」「並べて表示」「コンテンツ」の表示形式に切り替えることもできる。
一方、WordやExcel、PDFなどのファイルは通常はアイコンで表示される。しかし、設定を変更するとサムネイル表示にできる(図9)。
Θ OfficeやPDFでサムネイルを表示したい。
図9、ファイルの保存設定やアプリ側の設定を変えると、Microsoft OfficeやPDFをサムネイル(縮小版)表示にできる。
Wordなどは、新規ファイルの保存時にサムネイルを保存する。このため、既存のファイルを一斉にサムネイル表示にすることはできない。ファイル保存時に「名前を付けて保存」の画面を開いたら、「その他のオプション」をクリック。新たに「名前を付けて保存」画面が開くので、「縮小版を保存する」をチェックする(図10、図11)。次回以降、新規ファイルを保存するときは「縮小版を保存する」がチェックされた状態になるため、図11の操作は不要だ。
図10、Microsoft Officeはファイルを保存する際にサムネイルを保存する。「名前を付けて保存」画面で「その他のオプション」をクリック。
図11、「縮小版を保存する」をチェックしてファイルを保存する。次からは、新規ファイルの保存時に縮小版が保存される設定になる。
PDFの場合は、設定を変えると既存のファイルが一斉にサムネイル表示になる。「Acrobat Reader」の「編集」メニューから「環境設定」を開いて「一般」にある「…PDFサムネールのプレビューを有効にする」をチェックし、必要な機能を追加する(図12)。
図12、PDFは保存済みのファイルもサムネイルで表示できる[注1]。「Acrobat Reader」の「環境設定」画面で「Windows ExplorerでPDFサムネールのプレビューを有効…」をチェック(1)(2)。続く画面で「はい」をクリック(3)。
[注1]PDFをサムネイル表示にするには、PDFを開く標準アプリをAcrobat Readerに設定しておく必要がある。11/10ともに、設定画面で「アプリ」→「既定のアプリ」を選んで設定する。
新規作成したフォルダー内もなじみの表示形式で。
次にフォルダー内の表示形式に話を進めよう。フォルダーは保存したファイル形式に応じて「ドキュメント」「ピクチャ」「ミュージック」「ビデオ」のいずれかの種類に自動的に分類される。さらにフォルダーの種類ごとに中の表示形式を統一することも可能だ。
そのためには、まずいずれかのフォルダーに好みの表示形式を適用する。図13では「詳細」の表示形式で「更新日時」の降順に並べる設定にした。この状態でプロパティ画面を開き、そのフォルダーの種類を確認する。もし、間違った設定になっていたら設定し直そう(図14、図15)。次に、「フォルダーオプション」の画面で「フォルダーに適用」を押し、「この種類のフォルダーすべてについて…」と表示されたら「はい」を押す(図16、図17)。
Θ フォルダーの種類によって表示形式を統一。
図13、「ドキュメント」「ピクチャ」といったフォルダーの種類ごとに中の表示形式を統一したいなら、いずれかのフォルダーを自分が使いやすい表示形式に設定する(1)~(3)。
図14、そのフォルダー内の何も表示されていないところを右クリックし、「このフォルダーのカスタマイズ」を選択する(1)(2)[注2]。
図15、「カスタマイズ」タブを開き、「このフォルダーを次の目的に最適化」欄でフォルダーの種類を設定する(1)(2)/図16 「フォルダーオプション」画面を開いたら、「表示」タブを開き、「フォルダーに適用」をクリック(1)(2)。
図17、「この種類のフォルダーすべてについて…」と表示されるので、「はい」をクリック。
[注2]11は右クリックメニューで「その他のオプションを表示」を選択すると、「このフォルダーのカスタマイズ」が表示される。
ところで、クイックアクセスには、よく使うフォルダーやファイルが自動的に表示される。ここに機密性の高いものが表示されて困るなら、一切の表示を停止しよう(図18~図20)。
Θ 機密性の高いファイルが表示されて困る。
図18 よく使うフォルダーやファイルはクイックアクセスに自動的に表示されるが、機密性の高いものが表示されて困ることがある[注3]。
図19、よく使うファイルやフォルダーを非表示にするには、ナビゲーションウィンドウの「クイックアクセス」を右クリックし、「オプション」を選択する(1)(2)。
図20、「全般」タブを開き、「最近使ったファイルを…」と「よく使うフォルダーを…」のチェックを外す。
[注3]11の「ホーム」はクイックアクセスとは画面構成が異なる。「最近使用した項目」を非表示にするには、ツールバーの「…」から「オプション」を選んで設定する。
反対に、ときどき使うフォルダーをクイックアクセスに常に表示したいなら、そのフォルダーを「ナビゲーションウィンドウ」の「クイックアクセス」欄にドラッグすればよい(図21)。
ときどき使うフォルダーをクイックアクセスに
図21 特定のフォルダーをいつもクイックアクセスに表示させたいなら、そのフォルダーを「ナビゲーションウィンドウ」のクイックアクセスにドラッグしてピン留めすればよい。
通常、エクスプローラーの起動時に10は「クイックアクセス」、11は「ホーム」が開く。しかし、10では「PC」、11では「PC」「OneDrive」にも設定できる(図22、図23)。OneDriveによく使うファイルを置いている11ユーザーは、OneDriveに設定するのがお勧めだ。
Θ 起動時にクイックアクセス以外を表示。
図22、エ クスプローラーの起動時に開くのは、Windows 10はクイックアクセス、11はホームだが、ほかのものに変更もできる。
図23、「フォルダーオプション」画面を開いたら、「全般」タブの「エクスプローラーで開く」欄をエクスプローラーの起動時に開きたい画面に設定する。