〇 AirTagの併用で、もっともっと便利に !
iPhoneやiPadなどに提供される「探す」アプリや、「iCloud.com」の「iPhoneを探す」機能を使って、無くした端末を探したり、遠隔操作で消去したりできるのはご存じの方も多いはず。
現在は、置き忘れを知らせる「手元から離れたときに通知」機能が提供されている。米Apple(アップル)製スマートタグ「AirTag」で持ち物に設定すると便利な場合も多い。今回はその使い方を紹介しよう。
「探す」機能のおさらい。
iPhoneなどのアップル製端末や、アップル製スマートタグ「AirTag」を取り付けた持ち物、アップル製ワイヤレスイヤホン「AirPods」などは位置情報を取得して、現在ある場所を探すことができる。
また端末の場合は、遠隔操作で「紛失モード」を設定するとアクティベーションロックがかかり、Apple IDの認証なしでは使用できなくすることも可能だ。その際、Apple Payに登録したクレジットカードや電子マネーも停止されるため、被害を最小限に抑えられる。
これらの機能は、端末に提供される「探す」アプリから利用するほか、Webブラウザーで「iCloud.com」にアクセスして「iPhoneを探す」から使ってもよい。家族や友人の端末から「探す」アプリを使って「友達を助ける」機能を利用する方法もある。
iOS 15以降を搭載し、UWB(超広帯域無線)に対応するiPhoneで「探すネットワーク」をオンにしておくと、電源をオフにしてから24時間以内、または省電力モードで5時間以内なら「探す」アプリで見つけることができる。iPhone 11以降(第3世代iPhone SEは除く)のモデルがUWBに対応している。
「手元から離れたときに通知」をオンにする。
探す機能は端末がどこにあるかを探したり、紛失モードに設定したりなど、「無くした後」に利用するものだった。ところが「iOS 15」「iPadOS 15」がリリースされたタイミングで新たに「手元から離れたときに通知」機能が追加された。これによって端末や持ち物の置き忘れを警告し、「無くす前」にも探す機能が使えるようになった。
この機能が有効になっているかどうかは、「探す」アプリで端末または持ち物をタップし、表示された画面で「手元から離れたときに通知」がオンになっていればよい。オフの場合はタップして続く画面で「手元から離れたときに通知」をオンにしておこう。
これで設定した端末や持ち物が手元から離れると、通知で警告を受けられるようになる。
「信頼できる場所」の追加と範囲を設定。
端末や持ち物が手元から離れた場合でも、通知をしない場所を設定することができる。これを「信頼できる場所」と呼ぶ。「連絡先」で「自宅」に設定した住所があれば、自動的に信頼できる場所になる。
信頼できる場所は、探すアプリで端末や持ち物を開き、「手元から離れたときに通知」画面で設定する。「新規位置情報」をタップすると追加でき、すでに設定されている信頼できる場所の「−」をタップすると削除される。
一般的に端末や持ち物が自宅で確認できれば安心してよいだろう。外出の際に必ず持っていたいものは、自宅にあっても警告してほしい。
ちなみに筆者の場合は、AirTagを財布の小銭入れに入れて、財布を無くした場合に備えているのだが、そのAirTagには信頼できる場所を設定していない。財布を自宅に置いたまま外出してしまい、現金しか使えないクリニックで診察後に困った経験があるためだ。
「新規位置情報」を設定する際に画面に表示されたマップで、設定した地点を中心に通知をしない範囲を調整できる。画面下部の「小」「中」「大」をタップするか、円周上にある青丸をドラッグしよう。「大」は半径400mだが、ドラッグでそれ以上の範囲も設定できる。「小」は半径100m。こちらはドラッグでもそれ以下に設定できなかった。
前述のAirTagを入れた財布をわざと自宅に置いて、最寄り駅に向かって何度か歩いて実験したところ、最寄り駅に到着する直前になって通知されることが多かった。直線距離で約400m離れた地点だ。信頼できる場所の範囲は最小で半径100mに設定できるのだから、もう少し近い場所で置き忘れの警告が出ると、取りに戻る際に楽だ。検出範囲の誤差、通知の遅れ、さらにその間自分が先に進んでいる、などの理由が考えられるが、もう少し精度を上げられないものだろうか。
実用上はほぼ問題がないと思われるレベルであるのと、何もないよりもよいという考えで現在に至っている。AirTagを運用しはじめてから、実際に財布を置き忘れて取りに戻ったことはまだない。実験中はせめて200mぐらいで反応してほしいと思ったが、現金でしか会計できない店で食事をした後に財布を持っていないことに気づくよりも、400m歩いて戻るほうがマシではある。