〇 「コントロールセンター」がiOS 18でアップデート、Apple Watchの操作も可能に。
「コントロールセンター」は、iPhoneの画面右上を下(ホームボタン搭載機では画面を下から上)にスワイプで呼び出し、端末の設定変更やいくつかの機能を素早く実行する仕組みだ。
最新の「iOS 18」では電源オフやApple Watchの操作が可能になるなど機能が拡張された。
さらに画面が複数になり、「コントロール」(コントロールセンター上に配置されている機能ボタン)をユーザーが自由に配置できるなど、カスタマイズ性が大きく向上した。
そこで今回は、iOS 18で拡張されたコントロールセンターの機能やカスタマイズ方法を紹介する。
複数画面になったコントロールセンター。
iOS 18でもコントロールセンターを呼び出した直後の画面には、これまでとほぼ同じコントロールが並ぶ。カスタマイズ前の状態では右脇にハート、音符、モバイルアンテナのアイコンが縦に並び、3画面で構成されている。
それぞれの画面は上下のスワイプまたは各アイコンのタップで切り替えられる。カスタマイズ前は、2画面目に音楽再生用の「再生中」コントロール、3画面目に通信系コントロールが配置されている。
コントロールセンターの右上には、常に電源スイッチのアイコンが表示されている。長押しするとシステム終了(電源オフ)になる。
サイドボタンと音量ボタンの同時長押しや、「設定」→「一般」→「システム終了」とタップするよりも簡単な上、確実に電源をオフにできる。
1画面目の左上に位置する機内モードやWi-Fiのオン/オフなどを切り替えるコントロールは「コネクティビティ」と呼ばれている。
「機内モード」「AirDrop」「Wi-Fi」の3つアイコンが大きく表示され、「モバイルデータ通信」「Bluetooth」などのアイコンが小さく4つ表示されている。小さいアイコン側をタップすると詳細画面に切り替わり、他の通信系機能の設定を変更できる。
iOS 17までのコネクティビティコントロールには、「機内モード」「モバイル通信」「Wi-Fi」「Bluetooth」の大きいアイコンだけが並んでいる。それぞれのアイコンを長押しすると画面が切り替わって他の設定も変更できるのだが、そのことが分かりにくかった。
iOS 18のコントロールセンターでは、詳細画面の呼び出しが小さいアイコンのタップに変更され、操作しやすくなった。
また従来のように大きいアイコンを長押しした場合でも、「コツン」という振動とともに切り替わる。コツンは「長押しを認識しましたよ」の合図なのだろう。タップで切り替えた場合には「コツン」はない。芸が細かい。
ホーム画面のようにカスタマイズできる。
iOS 18のコントロールセンターは、コントロールセンターを表示した状態で何もない部分を長押しするか、左上の「+」をタップするとカスタマイズ画面になり、コントロールが細かく揺れる。
ホーム画面のアイコンを並び替えたり、ウィジェットを配置したりしたことがあるユーザーなら、ドラッグで移動できることが直感的に分かるだろう。
またコントロールをドラッグしたまま画面を切り替えて他の画面に配置できる点や、最後の画面からさらに進めて新しい画面に追加できる点も、ホーム画面のカスタマイズとほぼ同じだ。
従来は「設定」→「コントロールセンター」を開いてカスタマイズしていた。iOS 18でこの操作をすると、カスタマイズはコントロールセンター上で行えるという案内が表示される。案内の下には、アプリの使用中にコントロールセンターにアクセスする/しないの設定や、コントロールの配置を工場出荷状態に戻す機能が配置されている。
新しいコントロールはギャラリーから追加。
コントロールセンターをカスタマイズ画面にすると、下部に「コントロールを追加」が表示される。これをタップすると「コントロールギャラリー」が開く。
ギャラリーには、アプリやカテゴリーごとにコントロールが分類されている。タップするとコントロールセンターに追加される。これは従来のウィジェットの追加方法と同じである。
コントロールギャラリーにはサードパーティー製のコントロールも並ぶ。コントロールセンターに対応したアプリをiPhoneにインストールすると、コントロールギャラリーに表示される。アプリのアップデートでコントロールセンターに対応する場合もあるので、たまに確認すると新しいコントロールが見つかるかもしれない。
アクセシビリティー関連のコントロールも豊富だ。以前から搭載されていたアクセシビリティー機能のほか、iOS 18で搭載された機能もコントロールセンターに配置して呼び出せるようになった。
筆者が特に面白いと思った新しいコントロールは、自分のApple Watchの画面をiPhoneにミラーリング表示する「Apple Watchミラーリング」だ。Apple Watchの画面を表示するだけではなく、iPhoneの画面でApple Watchを操作できる。
筆者はApple Watchミラーリングをしばらく使ってみた。アクセシビリティー機能ということで、Apple Watchの画面が小さくて文字などを読み取りにくい場合の使用を想定していると思ったが、それ以外にも便利な使い道がいろいろありそうだ。
例えば袖の中にApple Watchが隠れているときは、袖をまくってまた元に戻す動作が必要になる。それよりもiPhoneで確認及び操作できたほうがスムーズだと感じることがあった。
また、通常はApple Watchを着けた腕を下ろしているとロック状態になる。操作する際は腕を上げる必要がある。だがApple Watchミラーリングを使うと腕を下ろしていてもロックが解除されて操作できる。これが便利になる状況もあると思えた。
Apple Watchミラーリング以外にも、便利なアクセシビリティー機能がありそうだ。iOS 18では簡単に呼び出せるようになったので、コントロールセンターのカスタマイズと併せて試してみてほしい。