〇 今回は、外付けモニターを縦置きで活用する方法と、どのようなケースで縦置きにすべきかを説明する。
ここではノートPCの画面とサイズが近い、縦置きも可能なモバイルモニターを例に紹介しているが、20インチを超える大型モニターでも画面を回転できる製品であれば同様に使える。
縦置きにするなら外付けのセカンドモニター。
僕は、何でもかんでも縦画面で使うべきだと言いたいわけではない。スマホで縦横を自在に使い分けているように、柔軟に切り替えたいわけだ。
例えばノートPCの画面は横で、縦に使うのは無理がある。そのため縦置きの役目はセカンドモニターとしてモバイルモニターをつなぎ、そちらに任せた方が効率的だ。2in1 PCは画面を縦横どちらにもできるが、キーボードを装着して使うことを考えると、やはりセカンドモニターをつなぎ縦置きにした方が効率的だと考えている。モバイルモニターで縦置きが可能なモデルは、外付けのスタンドを利用すれば縦横自由に設置できるものが多い。
モバイルモニターの多くは、USB Type-Cケーブルもしくは、HDMIケーブルでPCと接続できる。縦で使うならケーブル1本で接続できた方が取り回しは良いので、USB Type-Cでの接続がお薦めだ。HDMIケーブルでの接続だと、別途電源に接続する必要があるためケーブルが2本になり、その分が邪魔になる。しかもモバイルモニターは軽いので、ケーブルに引っ張られて思うように設置できない可能性もある。
大画面モニターも、回転させるとなるとケーブルが邪魔だと感じる場合があるだろう。回転するためのスペースも必要になるし、高さも調整しなければならない。色々と試しているのだが、画面が大きいとこまめに縦横を切り替えて使うのは面倒になってくる。
タブレットにアプリを入れて、PCのセカンドモニターとして使う手もある。これならワイヤレス接続にもできるので、縦横の切り替えは楽だ。ただしレスポンスが今ひとつなので、ストレスを感じる作業が生じる場合がある点に注意が必要だ。
縦に伸びる文書は基本的に見やすい。
モニターを縦置きにする方法は分かったが、「どのようなメリットがあるから縦置きにするのか」が気になる人もいるだろう。その答えは、縦置きの方が段違いと言えるくらい見やすくなる文書があるからだ。
縦置きにすると見やすくなる文書の例はWebページである。例えば、横画面であるノートPCのWebブラウザーでYahoo! JAPANを開くと、左右に余白が出る。拡大すれば消えるが、そうすると文字ばかりが大きくなる。モニターを縦に置くと、画面にフィットして表示にムダがなくなり、情報がしっかりと表示される。
ただし、全てのWebページにおいて縦表示の方が見やすいわけではない。本連載が掲載されている日経クロステック ActiveのWebページは、PCに向いた設計になっているようで、横表示の方が見やすい。このあたりはWebページによって異なるので、使い分けるのが適切と言えるだろう。
見やすい文書の例としてWebを挙げたが、基本的に縦方向に伸びていく文書は縦置きモニターの方が見やすい。
例えば、メールやノートアプリの一覧などは、表示できる件数が増えることが多く、画面が効率的に使える。各種のチャットアプリも、縦に伸ばした方が見やすいケースが多い。Windowsのエクスプローラーでファイルを探す際も、縦表示の方が一覧には向くと言えるだろう。いちどに表示できるファイルの数が増えるので、探しやすくなる。ただ先に述べたように、こだわることなく柔軟に使い分けることが大切だ。
そう考えると、仕事で使う書類も縦向きのものが多く、それらは縦画面の方が見やすいと言えるだろう。Excelの表やWordの文書が分かりやすい。ただしやはり、全てが縦画面向きだとは言えない。PowerPointのスライドは横画面の方が向いている。このあたりも使い分けである。
Windowsのスタートメニューも向いている。
実際に表示してみて縦画面向きだと気付いたのは、Windowsのスタートメニューだ。縦置きにしたセカンドモニターでも、スタートメニューを開くことは可能である。そうすると、横表示の状態よりも画面にムダがなく、大きく表示できる。このあたりは画面の倍率によっても変わってくるので、使いやすいように調整するといいだろう。
これから外付けモニターを選ぶなら、モバイルモニターであってもなくても縦横両方で使えるモデルがお薦めだ。