日本映画をやっつけろ

おもしろジャパンムービーの感想文と笑えない
エッセー。

ナシ

2006-12-31 17:24:10 | Weblog
えーどうもタナカです。今年も皆様には大変お世話になりました。
なんとなくはじめたブログがこんなに長く続いたのも読んで下さっている方々(4~5人)と
宮崎あおいのおかげと感謝しております。ぺこり。

多分今年最後の記事なのになんも書く事ないんすが、今日あったちょっと嬉しい話しをしようかなと。
自分大学の時『映画研究会』なる秘密組織に属しておりまして、現在も趣味で友人の結婚式ビデオ撮ったりするんです。
ほとんどの場合、たいした感謝もされず、下手すると文句言われてりして踏んだり蹴ったりなんですが。

今日、以前結婚式のビデオ作った友人からお礼の品が送られてきました。
中身は洋ナシ。

うれしかったすなあ。
人に感謝されることなんてあんまりないじゃあないですか。
仕事は金貰ってるんだからやって当たり前だし。
友達の為にとなにかしても大概の場合ウザガラレルし(なにもしねーけど)。

感謝の言葉が書かれたメールも貰いました。

こんなにうれしいコトはないよララァ。
今年の最後にとんだハッピープレゼントです。
善意と悪意は感染するぜ。


まったく関係ないですが数日前に映画『NANA』観ました(3回目)。
うーんあらためて観ても酷い。ショウジの芝居は人間の限界を越えてる。
つーか多分リハーサル風景をつないだ様な映画なんですよ。
音もあまりないし。とりあえず流しで一通りやってみてって言われたからやりましたみたいな。
シナリオの問題じゃないんじゃないかな。
ワンカットワンカットに込められた熱が異常に低い(演技も画作りも)。

たぶん監督がたいした演出してないのかなと。
ヴィヴィアンだかなんだかのアクセサリーが同じだかなんだかしらんけど
映画ってそういうもんじゃねえから
いちごの柄のグラスより芝居をみてください監督さん。

でもでも

その中であおいさんはハチを完璧に演じているというかハチそのもの。
演出家が演出していない状況(決めつけてますが)であれだけキャラを見失わず
可愛らしく、テンション高く、切なく強くハチを演じてました。
茶髪もいいなマジで。
ファンタジスタあおいは一人だけ住む世界が違う。けどウットーシー芝居とは違うんだなコレが。
それだけじゃないんだな(ファイブミニ)。

『意地ばっかり張ってると幸せが逃げちゃうよ』

オレは意地はってないのに国連から派遣されて来た幸せ平和維持軍が全面撤退ですけど。
ポッキーの女と鉄板少女がオレを取り合ってますけど夢の中で。

話しが綺麗にまとまりました。来年もよろしくお願いします。
グッドラック!

奥田民生になりたい in okinawa

2006-12-29 10:38:53 | Weblog
奥田民生はいいすなあ。釣りやって夏フェス出てビール飲んでるだけだもんなあ。
それでもマイペースで良い曲作って『やっぱ民生はいいすなあ』とか言われてるもんなあ。
理想的な人生ですなあ。マシマロは関係ないもんなあ。

あー沖縄永住してえ。誰か沖縄に住んでる人いませんか~?助けて下さい。北関東(ほぼ東北)は寒くて死にそうです。

でも今年はちょっと冬たのしいんすよ。なんせ超高級メーカーモンクレールの9万円ダウンジャケット買っちゃいましたから!
チョーアッタケエっすおマジで。ビームスでかったんすよ。
あー冬の楽しみこれだけだな。しかも誰もなんにも言ってくれねえし。みんなユニクロで買ったと思ってるし。30代男子のファッションリーダータナカとしては寂しい限りですう。ちょいデブオヤジもおしゃれしてワリーかあ!!あー結婚して市川由衣を愛人にしてええすねえ。


こんなダウンきてりゃあモテるはずだよ。モテモテだよ。忘年会のたんびに女子に性的な関係をせまられるはずだよ。

えー。なんの話しだっけ。

そーです。年末です。年末といえば年末ソング!
クリスマスソングは沢山あるが、年末ソングはかなり少ないやろ。そんな貴重な一曲。

ユニコーン 雪が降る町
http://www.youtube.com/watch?v=S-Vo6xA1ItE(コピーして下さい)


みなさんにこの曲聞いてほしくてこの記事書いたんスヨ。
どうすか?


あと何日かで今年も終わるから、たまにはフタリで邪魔者なしで、少し話してのんびりしてみてはいかがスカ。

今までコメントしたくても出来なかったタナカファンの方大勢いらっしゃると思います。
年末だしこの機会にどうすか。コメントしてみたらどうすか?
うっとうしいすか?

スイマセン

まあ今日はビデオみようかね。では



味噌の谷のアオイシカ09 本当の最終回

2006-12-27 16:30:04 | Weblog
味噌ビームを撃とうとしたアオイシカの前に立ちはだかるホシーノ・デンワシテ。

『なっ!』

その手を上に向けるアオイシカ。ビームは天井を突き破り遥か天空へと消えて行った。
へたり込んでいる肉屋の親父。

『また家壊しちまったね』

『…ホシーノ』

『別に酷いことなんかされてやしないよ。これがアタイの仕事。これがアタイの生きる道さ。軽蔑したろ?』

『…』

『親に捨てられたアタイにはこんな生き方しかなかった。だから今までこの仕事に疑問を持った事なんて全然なかったんだ。なのに肉屋の爽やかな青年山田くんに出会ってから、なんだかアタイは今の自分がドンドン嫌になっていった。苦しくなっていった』

アオイシカの背中にオンブされている青年山田は黙ってそれを聞いていた。

『そんな…ホシーノは全然頑張ってるジャン。全然自分を嫌いになるコトなんてないダラよ』

『アンタに何が分かるんだい!汚れた事もないアンタに!!』

アオイシカは自分がなにかとんでもないおせっかいをしてしまった事に気づいた。
ホシーノの小さな大切な想いが、今自分のせいで壊れようとしている。

ゴゴゴゴゴゴゴッゴ
大地が震えるような振動。このプレッシャー、アカネか?いや違う。
だけど何かとてもヤバいモノが迫って来ているのは間違いない。

『みんな隠れるダラ!!』

『どこに?』

確かに屋根のない家のどこにも隠れるところなんてありゃあしない。

『味噌バリアーああああんにゃあ!』

味噌で出来た半透明のドームが家全体を覆った。
アオイシカは、外に飛び出す。
上空にはアオイシカのザクの5倍はあるロボットが接近してきていた。

『アオイシカ!そこにいるのは分かっているぞ』
巨大ロボットから聞こえてくる声。

『お前は誰ダラっ!』

『オレはホリキタ帝国作戦参謀シンタ。アカネ様は貴様ともう一度戦いたいなどと言っているが…王女に仇をなすものは早めに始末しなければならない!ここで消えろ味噌娘!』

赤いザクに乗り込み上空へと出撃するアオイシカ。

『貴様にその機体が乗りこなせるのかあ!このビグザムで木っ端みじんにしてくれるわ』

巨大ロボ、ビグザムの中央部から光の粒子がまき散らされる。
寸前のところでそれを回避するアオイシカ。
降り注ぐ光の雨は街を直撃し、次々と建物を破壊していく。

『なぜお前はそうやって罪もない人たちを巻き込む!ダラ』

『人は生まれながらにして罪を背負う生き物。だから戦う、だから奪う、もっともっと人のモノが欲しくなる!』

『そんなコトないダラ。人間は間違いながら、それでも強く生きて行く美しいものなんダラよ!』

『小娘がキレイごとをおお!!』


味噌バリアーの中で上空の戦いを見ているホシーノにもその会話は聞こえていた。
アオイシカは戦っている。生きる為に。守る為に!
彼女は生まれてはじめて神に祈った。

『アオイシカ!死なないで』


ビグザムのビームがアオイシカの機体をかすめる。

『くぅ』

『トドメだああ。スーパーシンタエレクトリックビーーッッッッッッッムぅ!!!』

一瞬アオイシカの意識が飛んだ。

『姫様!』
『味噌オジ?私もう疲れたダラよ』
『まだコッチにきては行けませんぞ。力を抜くのです。そうすれば姫にかなう味噌使いなどこの世にはおりません!』

意識を取り戻したアオイシカはかつてないほどの集中力で両手を前にあわせた。
それとシンクロするように同じポーズをとるアオイシカのザク。
その中心に集まってくる大量の味噌味噌味噌ミソミソミソ!!

『なんだこの力は!』

シンタは既にビグザムを制御できなくなっていた。
二つのロボットの間の空間が歪み始める。白く神々しい光が世界を包んだ。

『この技は…ミソヘブン!天国とこの空間がつながっていると言うのか!そんな技を使えるのは古い伝説にある(神の子供)だけのはずだ!まさかあの娘が…』

『開け天国の門!ミソヘブンズドアああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!』

光の中から出て来た白い手につかまれ、その中に引きずり込まれていくシンタのビグザム。

『ぎゃああああっ!!』

ビグザムを飲み込み急速にその光を失っていった空間の裂け目。
やがて空にはアオイシカのザクだけが残された。

浮力を失い落下していくザク。
ホシーノ達を覆っていたバリアーが消えた。

『アオイシカ!』

落下したザクに駆け寄るホシーノ、青年山田、肉屋のハゲ親父(全裸)。

コクピットから出てくる満身創痍のアオイシカに駆け寄り抱きしめるホシーノ。

『良かったよう、本当に良かったよう』

『ホシーノごめんダラ、私が余計なおせっかいをしたばっかりに青年山田とおつきあいする計画が…』

『いいんだよそんなコトは』

『く、苦しいダラ』

巨乳に挟まれ息が出来なくなっていたアオイシカはおおきく深呼吸した。
私はまだ生きている。

『さっきホシーノは私のコト汚れてないっていったけど、また人を殺してしまった。私はもう何人もの人を殺している』

『アオイシカ…』

『でも私は生きる。谷のみんなを守るためオカザキに行ってもっと強くなる。それで味噌オジとの約束を守る!』

『あのう』
それまで一言も台詞のなかった青年山田がはじめて口を開いた。

『ぼく知ってました。ホシーノさんがそういう仕事をしている事。でも、ぼくはホシーノさんのこと好きです!カッコいいと思います』

『山田さん』

『今度…一緒に映画見に行きませんか?』

『なんの映画ですか?』

『NANA2』

『嫌です』

『え』

『でも他の作品なら、喜んで!』

笑顔で笑い合うホシーノと青年山田。

朝日が昇る。陽はまた昇り繰り返してゆく。ぼくらのコトを飲み込んでゆく。生き急ぐとしてもかまわない。飛べるのに飛ばないよりは良い。

『じゃあ私は行くダラ』

『元気でやるんだよ』

『山田さん!ホシーノ泣かせたら殺すダラよ』

『ハイ』


飛び立つザク。みんなの姿がだんだんと小さくなっていく。
寄り添うホシーノと青年山田を見ながら、恋って素晴らしいとアオイシカは思った。

『あれ、オカザキってどっち方面なんダラかねえ』

アオイシカはauだったらナビ付きの携帯もあったからこんな苦労しなくてすんだのにと思いつつ、それでもやっぱり携帯は気に入ったものを長く使った方が良いのかなと思いつつとりあえず眠いから寝るかと思いつつ寝た。

頑張れアオイシカ。味噌の谷を取り返すその日まで!

終わり

長い間ご愛読ありがとうございました。 タナカ


味噌の谷のアオイシカ!08 最終回

2006-12-25 19:01:57 | Weblog
アオイシカって不思議な娘だな。とホシーノは思った。
一見なんとも言えない可愛らしい風貌なんだけど、話してみるとただの馬鹿。
なのにどこか高貴な雰囲気が漂っている。それでいて親しみやすいっていうかなんというか。

肉屋の新人アルバイト山田くんに告白するなんてアオイシカに言われるまで考えた事もなかった。
アタイにもそんな可能性があるんだ。

『無理に決まってる』

ホシーノはそう呟いて苦笑いをした。
アオイシカは弟達の部屋で子供みたいに良く寝ている。
ドアの隙間から部屋をのぞき、この娘はきっと純情なんだろうなと思った。

ドアをノックする音がする。お客さんだ。これからが私の仕事の時間。頑張らなくっちゃ。
ドアを開けるホシーノ。立っているのはさっき行った肉屋の禿げた親父。
赤ら顔に酒の匂いをぷんぷんさせながらニヤニヤと気持ちの悪い笑顔でホシーノを見つめる。

『なんだい気の利かねえビッチだな。クリスマスなんだからサンタの格好くらいしたらどうなんだい?』

『うるさいね。今からきっちり2時間だから。もたもたしてると終わっちまうよ』

『常連なんだから少しくらいまけろっつーの』

ハゲ親父に押し倒されたホシーノはいつものようにただぼんやり天井を見つめ、早くそれが終わる事を願った。



部屋の窓から抜け出したアオイシカは肉屋に向かって走っていた。
なんとかあの爽やかな青年とホシーノに仲良くなってほしい。肉体関係を持ってほしい。
青年に会ってどうする?なんて言う?
恋愛経験のないアオイシカにはまるで見当もつかなかったが、それでも彼女の為に何かせずにはいられなかった。
とにかくホシーノの家に来てもらおう。彼とホシーノを二人きりにしてしまえば…
あの巨乳に自制心を保てる男なんているはずもない。

『我ながら良いアイディアダラねえ。さすが私ダラ』

ケロケロケロとケロロ軍曹の様な笑い方をしながら、アオイシカはひたすら肉屋へ走り続けた。


タバコを吸う肉屋の親父の横顔をホシーノはぼんやり見ていた。
本当にこの仕事しかなかったのだろうか?弟達が大人になった時、姉のしていたコトをどう思うだろう。
ホシーノはそれを考えると怖くて仕方がなかった。
いつか私はこのコトに耐えきれず狂ってしまうんじゃないかと。

ドアをノックする音が聞こえる。今日の客は肉屋の親父だけのはずだけど。
いきなりそのドアが開いた。

『ホシーノ、連れて来たダラ!』

立っていたのはアオイシカ。その背中には肉屋の青年をおぶっている。

タオルだけを巻いた姿で肉屋の青年と目があったホシーノは、現実を理解するのにかなりの時間を必要とした。
アオイシカは隣の部屋で寝ていたはずでは? なぜ玄関から入って来た?
しかもなぜ…肉屋の青年をオンブしているんだ?

『なんでアンタ…』

アオイシカは状況が理解出来なかった。なんでホシーノは半裸?肉屋の親父はなぜ全裸?

『お前!ホシーノにひどい事したダラか~!!』

『は?誰だこいつ。お前と同じ売春婦か?』

売春(ばいしゅん)
金銭などの対価を目的にし、異性または同性と性行為を行うこと。古くから世界中で見られる。かつては「売笑」「売淫」とも呼ばれた。

『味噌ビー…』

『やめてー!!』
 次回、本当の最終回につづく!









味噌の谷のアオイシカ07 

2006-12-25 01:56:32 | Weblog
『とりあえず夕食の買い物に行かなきゃな、アンタも来るかい』
『行くダラ』

なんだか街がキラキラしている。とアオイシカは思った。
彼女はこの旅を始めるまで、味噌の谷から出た事がなかった。

『都会は恐ろしい所ですじゃ』と言うのが味噌オジの口癖だったし、アオイシカもそれを信じていた。
同級生のジェニファーが男子とクラブのイベントにいって朝まで帰って来なかったりマルイの宝石屋の店員と付合っているのを密かに羨ましく思っていたが、まさかこんな形で『都会』に来る事になろうとは。
谷のみんなを早く助けなきゃいけないコトは分っていたが、少しくらい都会を楽しんでバチは当たらないだろう。

『これは何ダラか?』

アオイシカは華やかな都会の夜でも一段と輝く場所の前で足を止めた。
大きな三角の木に色々な飾り付けがしてあるそれは、アオイシカの心を強く捕らえた。

『アンタなんにも知らないんだねえ。これはクリスマスツリーって言うのさ』

『クリスマスツリー?』

『恋人たちが一緒に過ごすして鶏を油で揚げたものを食べる祭り、それがクリスマス。その象徴たる生命の木、それがクリスマスツリーさ』
 
『全然知らなかったダラ~!都会はやっぱり違うダラねええええ』

『アンタ本当にバカッツラだね。今日はアタイのうちでも弟達とパーティーするから、アンタもチキン食べるといいさね』

『マジで!?マジありえないくらいうれしんダラけど!でもホシーノは恋人と過ごさないんダラか?』

『な、なに言ってるんだい!アタイは恋人なんていやしないよ!』

『本当に~?ダラ~ああ』

赤面するホシーノをアオイシカは可愛いと思った。きっと彼女は弟達を育てるので精一杯なんだろう。
男子とも付合った事がないに違いない。
巨乳でもいい人もいる事をアオイシカはこの日はじめて知った。

鶏肉屋に入りアオイシカはホシーノの様子がなんだかおかしい事に気付く。
そわそわつーかモジョモジョしてる感じだ。ホシーノは控えめに鶏肉屋の店員をちらちら見ている。
爽やかな好青年風の男はホシーノの目線にまったく気付いていない。

店を出たホシーノは足場やに立ち去ろうとする。

『もしかしてダラ~』

『なんだい気持ち悪いねえ』

『あの肉屋の青年のこと好きなんじゃあないダラか?』

『ばふうぅ』

巨乳を揺らし思いっきり前のめりに転けるホシーノ。
地面に乳が当たりぼよーんと弾んだ体は、そのままの後ろに飛ばされホシーノは思いっきり後頭部を打ちつけた。

『ホシーノ!大丈夫ダラか?』

『イテててて、アンタが変な事いうから転んじまったじゃないか』

『彼のコトもパーティーに誘えば良いダラのに』

『いいんだ、アタイにそんな資格なんてないもん』

『資格がないって…都会じゃ男の人を誘うにも資格がいるダラか?』

『…そうさ、ほとんどの人は持ってるけど、アタイにはないんだ。さあ行くよ』

アオイシカはホシーノの背中がなぜだかすごく寂しそうに見えた。


ベットでホシーノの弟達がすやすやと寝息をたてている。
テーブルにはさっき買って来たチキンの骨と粉のオレンジジュースが置いてある。

『私も手伝うダラよ』

『じゃあそこのお皿洗ってもらおうかね』

キッチンで後片付けをするホシーノの横顔を見ながら、アオイシカは自分の母はどんな人だったのだろうと思った。
そんなに年も変わらないホシーノを見てなぜこんな事を思うのだろう。
彼女の巨乳が母性を感じさせるからなのかな。

『ホシーノ、料理上手ダラね』

『親が早くに死んじまって、アタイが全部やってきたからね』

『私も親、いないんダラよ』

『そうなのかい?』

『父様もこないだ死んでしまったんダラ』

『そりゃあ辛かったね』

『うんダラ』

『アタイはこの子達にひもじい思いだけはさせたくないんだ。だから死ぬ気でがんばんなきゃね』

『ホシーノもまだ大人じゃないじゃんダラ』

アオイシカの目から突然涙が溢れてきた。
自分でもその理由が分らなかった。

『なんでアンタが泣いてるんだい』

『だってホシーノがあんまりがんばってるダラから』

アオイシカをそっと抱きしめるホシーノ。

『あんたいい人だね。人の為に泣けるなんてさ』

『…』

オレンジ色のロウソクの明かりがゆらゆらと二人の影をゆらしていた。
『もしクリスマスの神様がいるなら、ホシーノの小さな恋をかなえてあげて下さい』
アオイシカはこっそりと願った。


つづく

次回怒濤の最終回!お楽しみに 


『イキガミ』と『ハガレン』

2006-12-20 02:11:28 | Weblog
久しく映画の感想かいてないっすねえ。全然日本映画をやっつけてないっすねえ。
ダメなブログでスイマセン。
今日は映画の代わりにちょいと良い感じのマンガをご紹介したなと。

『イキガミ』
舞台は現在の日本。『国家繁栄法(たぶん)』なる法律があるパラレルワールド。
これは国民がより良く『生きる』為の法律。
日本人全員が小学校入学時に注射を打たれる。
1000人に1人の割合で『ハズレ』があり、これに当たると18から24歳の間に『死亡』する。
国民は『死ぬかもしれない』と言う思いから、より良く生きようとするっつー話です。

犯罪と自殺が法律執行後減少してるって設定なんだけど、ちょっと強引かなって気もするが
多分なんか秘密が隠されているのでしょう。

そんでもって主人公は国家しか知らない『ハズレ』を引いた人に『死亡通知書』、通称『逝き紙』を渡す市役所職員。
死ぬ24時間前にこれを渡す決まりになっており、物語はそれを受け取った人物の最後の一日を中心に描かれる。

設定説明するだけでへろへろになっちまった。

自分が24時間後に死ぬとしたら、あなたはどうしますか?
国家とは、人間とは、幸福とは、生きるとは、死ぬとはなんだ?

沢山の理不尽な『死』を通して読者に問いかけてくる。
極限状態の中で繰り広げられる人間ドラマ。
物語の根底に流れる人間という生き物に対する絶望とわずかな希望。
自分が死ななくて良いという安心感はバトルロワイヤルに近い感覚かもしれない。

最近30すぎてシナリオ書いてることに『もう遅いよ』って声がチラホラ。
オレが遅くねえこと証明してみせましょう。人間30からですよ、と言いつつやはり焦りつつ(笑)。
つーか全然イキガミと関係ない話になってますが。
イキガミは多分死神(シニガミ)とかけてるのかと(誰でも分かると思いますが)

『鋼の錬金術師』
ガキの見るジャンプ系マンガと思って敬遠してる人。1巻だけでも読んで下さい。
天才の作り出した圧倒的にオリジナルな世界観。
若くしてあらゆるのもを背負わされた主人公の少年達。
戦争を、人を殺す事を正面から描ききったアツいマンガです。
しかもこの作者の笑いのセンス。そうとうイイっすね。
これだけ重苦しい話を笑いと魅力あるキャラ、話のリズムでがんがん魅せていきます!

どっちも軽い話ではないですが冬休みにガッツリどうですか?
ちなみにタナカはこれから『サムライチャンプルー』を全巻見ようかなと。
cowboybebopのスタッフが作ったサムライでヒップホップでミクスチャーなチャンプルージャパニメーションです。

人生50年!家から出る必要なくねえか!?もう世界中の人が引きこもりなら戦争なんて起こらんのに。
でもこのマンガ達が『世界と関われ』『人生を生きろ』と言ってますのでタナカは今日も働きます。
そしてブログを書きます。

最後にアメリカの冒険家が言った人生に大事な事3か条。

『死なない事、楽しむ事、世界を知る事』

ではまた!

味噌の谷のアオイシカ!06

2006-12-19 15:48:10 | Weblog
アオイシカは暗闇の中にいた。
音が聞こえてくる。なにかのメロディみたいだ。
ピアノかな。アオイシカは優しい音楽に耳をすませながら、このままずっとここにいたいとと願った。
音の方へ近づくと誰かがピアノで曲を弾いている。
見た事もない東洋的な衣装をきている若い男。味噌オジに本で見せて貰ったことがあった。
確かあれは『ワフク』と呼ばれるものだ。その男と目が合う。良く顔が見えないがなぜか懐かしい気持ちになった。
とても昔から知っているような。
彼の口が動く。何か言葉をはっしているようだが、アオイシカはそれを聞き取ることが出来ない。

『…くらこ』

『何を言っているんダラ?』

『さくらこ…』

『さくらこ?それは私の名前なんダラか?あなたは誰?教えてほしいダラ!』

両手が重い。アオイシカの手には味噌の剣が握られている。
目の前が突然明るくなった。血まみれの鎧を着た兵隊がアオイシカに向かって歩いてくる。

『なぜ俺たちを殺した!ただ命令に従っていただけなのに!』

『だって父さんを、味噌オジを殺したじゃないダラか!!』

『そうやって永遠に人を殺し続けるのか。憎しみと殺意しかない人間になるのか?ははっ、面白い。お前が来るのを地獄で待ってるぜ』

『そんなんじゃないダラあ!!』

目を開くとそこには巨乳があった。夢か。嫌な夢だ。

『アンタ、気がついたのかい?』

アオイシカはベットで寝ていた。頭には冷たいタオルがのせられている。
この巨乳女、確か私がロボットで着地する時家をぶっ壊しちゃった人だ。

『私を看病してくれたんダラか?』

『そうだよ、本当に家壊したあといきなりぶっ倒れちまうんだからさ。アタイもビックリしたよ』

『すまんダラ。…てゆうかこの家は?』

『ああ、もともと空家を勝手に借りていたダケだからさ。隣の家に移って来たってわけさ』

『なんだ。よかったダラ』

『よかあないけどね。アンタ名前は?』

『アオイシカ。あなたは?』

『アタイはホシーノ。ホシーノ・デンワシテさ。よろしくな』

この女、握手しただけで乳が揺れるのか?アオイシカはなぜか殺意を覚えた。

つづく


純情きらりスペシャル

2006-12-18 18:41:39 | Weblog
短いよ本当に。

まず桜子がボタン外すとこが入ってねえ。
このドラマ全体通してのメインシーンはここだろ!!
テーマでもある『どんな人生でも輝くときはある!』ってコトやら
『戦時下で精一杯人を愛した女性』をすごく良く表しているシーンなのに。
だって野外ですよ!ナイターですよ!物陰とかじゃなく完全に外ですよ!
そりゃあビビるでしょ男も。
それでもことを始めようとするこの切羽詰まった感じ。
桜子、まさに命がけの恋です。星泉ですよまったくもう!
『ゼーレはここでサードインパクトを起こす気か!』
って感じです。ドラマティックじゃあないすか。
冬月教授もビックリだマジで。

でもこうやって坊ちゃんとの純愛にしぼって編集してあると
他の男子達とのあれこれもあって良かったのかななんて思ったりして。
ドラマつーか桜子の人生に厚みが出たのかななんて。
いろんな選択肢から坊ちゃんと生きる人生選んだのかなって。

でも良し。
久々桜子に会えたからすべて良しとする(偉そうでスイマセン)
DVD買うと思うけど今度の総集編、ちょくちょく見れて盛りだくさんだといいな。
他の姉妹の話は入れられないにしても、斉藤先生と西島さんのくだりはいれて欲しい。

まあ総集編はどんなふうにまとめても文句言われると思うけど。

結論
桜チャンはやっぱりイイダラね!!

味噌の谷のアオイシカ!05 

2006-12-18 01:52:22 | Weblog
『あー、どっちに行けば良いダラかなあ。さっぱり分らんよ』

コクピットから地上を眺めるアオイシカ。かれこれもう半日は上空を飛び続けている。
腹が減った。とにかく何か食わせろ。
アオイシカの頭にははっきり言って飯の事しかなかった。
ミウラトモカズの事も味噌オジの事もさっぱり消え失せていた。
そんな人いましたっけ位の勢いで完全に忘れていた。

『そもそも私なんでこのロボットを操縦出来ているんだろう。天才だからダラか?』

糖分が頭にまわっていない状態でそんな事を考えられるはずもない。
彼女はザクの内部にセットされたCDチェンジャーを使い槇原敬之の『遠く遠く離れていても~♪』を聞く事にした。
やっぱり旧世界の音楽はいい。マッキーはイイ。グレイは微妙。

光が見えた。地上の光。都市だ!アオイシカは街の明かりがこれほど温かいと感じた事はなかった。
人の作りし無数の光。
『これでやっと飯が食えるダラ!なに食おうダラかなあ。ミノとレバ刺しがいいなあ~ダラ~』
ヨダレを垂らしそうになるのを我慢しつつ、アオイシカはザクを降下させていった。


どすうん

大地に降り立った赤いザク。その勢いで家を一軒完全に踏みつぶした。

『…まあ仕様がないダラよね』

『コラ!なんてことしてくれんのさ』

中から人が出て来る。若い女と小さい子供が三人。
コクピットのハッチを開けて外に出るアオイシカ。

『いやー、スマンダラね。勘弁して欲しいダラ』

『何がスマンだよ!アタイ達の家壊しちまってどうすんのさ。どうやって生活すんのさ!』

『申し訳ない…ダラ…』

倒れるアオイシカ。空腹だけでなくアカネとの戦闘で気力体力ともに限界に達していた彼女は
気絶するように気を失ってしまった。

『アンタ!大丈夫!』

薄れいく意識の中でアオイシカは『この女の乳のデカさ、ハンパねえダラ』
と思った。

つづく

味噌の谷のアオイシカ!04

2006-12-13 20:05:00 | Weblog
血まみれのアオイシカの前に降り立つアカネとシンタ。
殺気のこもった目でアカネを睨むアオイシカの目線を動じることなく受け止めたアカネ。

『この娘、私の眼力が効かないのか?おもしろい』

アカネは自分の心が弾んでいることに驚いた。私はいまとても喜んでいる。
この退屈極まりない戦の日々。
弱いものを父である王の命令通り殺して行くだけの単調な毎日。うんざりしていた。
この娘、私と同じ匂いがする。

『なんの為にこんな事をするダラか』

『我々ホリキタ帝国はこの地に味噌瘴気に犯されることのない極楽浄土を建設する。それにぜひとも協力してもらいたい』

『これだけの人を殺しておいて協力ダラと?フザケタことを!』

『戦争は外交手段の一つだ。小学校でならっただろ?これからは話し合いの時間。族長が死んだ今、その娘である貴様と話し合おうと王女である私自らこうして降りて来たのだ。それともこのまま戦いを続けるか?』

『味噌使いを甘く見るなあ!』

アオイシカの周りに空気中から錬成された味噌が渦を巻くように集められる。
周りの兵士達がそれに巻き込まれ天井の無くなった城の上空に舞い上げられていく。

『味噌ビーム!!!!!!1』

『小娘がぁ!!鉄板ブレイドゥゥうりゃああああああああああ!!』

アオイシカから発せられた味噌の光とアカネの剣圧が二人の間で激しくぶつかり合った。
『王女さま~』飛ばされて行くシンタがアカネの視界に入る。どうでもいい。もっと私を楽しませろ!!
もっと私をドキドキさせろ!味噌の谷の姫よ!!

剣圧に押され激しく壁に叩き付けられるアオイシカ。
あらたにこの部屋に来た兵士もすべて吹き飛ばされアオイシカとアカネの二人だけがそこにいた。

『つまらん!その程度か味噌女!』

『味噌ビームが効かないダラか!?そんな馬鹿な!』

『貴様がこの村で幸せごっこをしている間、私がどれだけの修羅場をくぐって来たと思っている!少しは出来るのかと思えばその程度かがっかりさせおって!今すぐこの鉄板でミンチにしてやるわあ!!!!』

前方に剣を構えるアカネ。誰もいない。

『あれ、逃げられた?』

アオイシカは走った。この私が全く歯が立たない。全力の味噌ビームを正面から受け止められた。
パニックを起こしながらもただ走り続ける。今は味噌オジが命がけで守ってくれた命を無駄にする訳にはいかない。
そしてジーコジャポンにあるオカザキに行かなければ!

地下に降りて行ったアオイは味噌の森からこっそり運び込んであったロボットのコクピットに乗り込んだ。
『動いてダラ!』
ボイーンという起動音とともにゆっくりと立ち上がる人形のロボット。

どどっどどどどどっどおおどおおおんん

地下から地面を突き破り出現したロボットはそのまま上昇し一隻のガウを突き破った。
空中で爆発を起こすガウ。

『あれは、シャア専用ザク!旧世界の玩具メーカーが開発したモビルスーツがなぜこの谷に!』

城の下でぺっこり尻餅をついていたシンタはこんなにびっくりしたのって久しぶりだなあと思った。
『ミサイルの準備を!標準合わせえ!!』

『鉄板ブレイドおおおおおお!』

ミサイルを積んだガウごと撃ち落とすアカネ。

『アカネさま!なんで味方の船を!』

『…もう一度あの娘と戦ってみたい。まあそんなに長くは待てんがな。シンタ、兵を集めろ。村の制圧は完了した』

ザクと呼ばれたロボットの中でアオイシカは『オカザキってどっち方面なんダラかねえ』とぼんやりした頭で考えていた。

つづく