晴耕雨読

本年三月に退職、現在は京都で通勤農業に励んでいます

卒業生も頑張っています

2009-11-10 08:44:20 | Weblog
毎年3月になると生徒が卒業していく。学校として、卒業生の担任として「卒業させてしまえばおわり」ではない。卒業生が新しい進路先で頑張ってくれれば進路指導は成功といえるし、逆にすぐ進路先をやめてしまうようなことがあれば進路指導は間違っていたことになる。
私は卒業生を担任した先生方には、卒業後のホローを強くお願いした。私自身も卒業生送り出した後は、必ず5月から6月にかけて一人ずつに葉書で卒業後の様子を聞くことにしていた。
半数ぐらいの生徒から近況を知らせる返事をもらった。その返事の内容は進路指導のありかたの反省資料となった。

       「卒業生も頑張っています」

4月の末から5月の初めにかけ、卒業生がたくさん学校に来てくれます。得意満面の様子で学校のことや職場のことを話してくれる子もいます。
また、自分の考えていた学校や職場でなかったため悩んでいる様子が見える子もいます。
時折、職員室で「卒業生のめんどうはいつまでみるのだろう」という声がでます。私は「卒業生のアヌターサービスは、最低一年間はお願いしたい」ということにしています。
本当は、一年たっても二年たっても卒業していった生徒のことは気になるものなのです。

       <こんに手紙を貰いました>

3月の卒業と同時に、親元を離れ奈良県下の会社に就職し、働きながら定時制高校で学んでいる二人の卒業生から二通の手紙を貰いました。そのうちの一通を紹介します。
  To校長先生へ
こんにちわ。お久しぶりです。校長先生、お元気ですか。
私は、元気です。仕事のほうは、少しなれたけれどなかなか憶えられなくて大変です。毎日毎日足が痛くてすごくイヤです。
早番のときは、朝5時に起きでつらいです。朝起きるたびに「やめたい」と思います。それでもなんとかがんばりつづけているうちに、奈良へ来てもうすぐ1ヶ月になります。
寮の先輩の中にはイヤな先輩もいるけどほとんどいい先輩ばかりです。同級生とは皆と友達になれました。
寮も初めはすごくいやだったけれども今は来たときよりも楽しいし、これからはもつとたのしくなるんじやないかなぁと思います。「住めば都」とはこのことでしょうかねぇ。
学校もしんどいけど でも楽しいです。授業もわかりやすく説明してくれまし、クラスのみんなとも仲良くなれたし、あとはこの生活になれたら文句なしです。
中学生活よりすごくしんどいけどなんとか4年間がんばりたいです。
それでは叉いつか書きます。いつになるかわからないけど日新へも遊びにいきます。
                     From H
今まで学校へぎりぎりの時刻に登校していた生徒が、朝5時に起き、一日中たちつめで仕事をしているのかと思うとかわいそうな気もします。
しかし、人はそれぞれこのような厳しい環境を通り抜け、成人していくのだといえます。苦しさに負けずに頑張って欲しいと声援をおくりました。

       <市尼の生徒も元気でした>

去る5月14日に記念陸上競技場で、市立尼崎高校の体育大会があり、見学してきました。
今年も百人を超える卒業生が市尼に入学しています。顔を合わせるたびに「先生、こんにちわ」「次に出るから見ていてや」などと口々に声をかけてくれました。
それぞれが高校生活を満喫している様子であり、嬉しい気持ちにひたったひとときでした。

      <進路について考えよう>

このように、嬉しい便りとともに悲しい便りも届きます。
「・・さんが高校やめた」とか「・・君が会社に行っていない」というものです。この春の卒業生で、すでに仕事をやめたひともいますし、学校にあまりいっていない子もいます。
社会問題の一つに「高校中退の問題」と「中学卒業生の職場の定着率の問題」があります。この問題の背景に、生徒一人ひとりが自分の進路について「しっかりした考え」をもつていないことがあげられます。
学校では1年生の時から「進路」について考えるようにしています。家庭においても「進路」について、話し合う機会をもつてください。
適切な進路を選ぶことによって、学校で、職場で生徒が目を輝かせて頑張れるようにしたいものです。