名古屋に社会福祉法人重度の障害者施設1980というところがあります。
以下は、そこの会誌よりの一部抜粋です。
ある若いスタッフさんが書かれたものです。
先日、メンバーと一緒に名古屋水族館へ行ってきました。
名古屋水族館の入館料は大人2,000円です。ある程度障害が重く、外出に介護が必要だとみなされる障害者の方は、手帳を提示すると本人及び介助者1名分が無料になります。
ただ、障害が重いメンバーはトイレ介助等、移動が必要な場合では、介助者が1名では足りません。介助者2名で抱えて車椅子からオムツ交換台までの移動が必要です。
そうすると本人と介助者1名分は無料ですが、もう一人の介助者1名の入館料を負担をしなくてはいけません。
なんだか納得がいきません。
本来、障害者割引は何のためにあるのでしょう?
障害の為に働けない人たちは、障害者年金手当てで生活されています。自分で働ける人たちと同じ額の年金等が支給されるのであれば、健常者と同じ額の入館料を支払うべきですが、実際は多い人でも月額10万ほどの収入しか保証されていないので、障害者割引があるのだと私は思っています。
……中略……
必要な介助者分は免除してもらえませんか?
水族館のスタッフの方におききしたところ、
「入館料は市の条例で決まっているので、要望があれば市へ」というお返事でした。
後日、条例の内容を調べたところ、
水族館の運営を行う団体の管理者が必要だと判断するときは例外もある。
と書かれていたので、再度、水族館の方にその旨を伝えたら、
今回のケースは前例もなく、例外に該当しない。とのこと。
前例がないから認められない、というのはどうも納得がいきません。
……後略……
皆さんはどう思われますか?
障害者割引以外にも例えば母子家庭への支給金等は、血税から成り立っているので
いろんなご意見はあるかとは思いますが、
私の知っている限りでは、1980のスタッフさんたちは
寝る間があるのかと心配になるくらい毎日必死で頑張って見えます。
それでも運営は厳しくスタッフさんの給料をおさえたり、
廃品回収等をしたりボランティアさんの力を借りて何とか運営をしている状況です。
私には、正当な訴えだと感じました。
ふと思い出した事があります。
以前NYで、片側3車線の道路沿いの教会でお葬式があり、参列者の車が2斜線ずらりと駐停車している場面にでくわしました。
すぐ近くにポリスが2人いたのですが、あきらかに見て見ぬ振り。
お葬式なんだから多めにみてやろう、みたいな?
なんておおらかな国だろうと思いました。
責任を問われるのを恐れ、逃げ腰のどこかの国のお役人とは大違い!
(アメリカはアメリカで色々批判したいこともありますけれどもね)
あーそう言えば、最近見たBSの旅番組(パリ編)で、
郵便配達員がランチタイムにワインをのんでいました。
お昼休みとはいえ仕事中。制服姿のまんまそれは楽しそうに。w
いいかげんと言えばいいかげん。
でも、私はこういうおおらかさはあってもいいと思います。
話を戻しますが、
首から下が動かないような重い障害を持つT君、ご家族にとってT君が1980に行っている間だけが
からだを休める時間なのです。旅行にも行けませんよね。
T君は、まばたきでしか意思表示できない。
でも、意思はあるのです。食べたい、出かけたい、気持ちがいい。
1980がお休みの時、お母さんに1980にいきたいと目でうったえるそうです。
そんな事を聞くたびもっと頑張ろうと思う。とあるスタッフさんから聞きました。
また別のスタッフさんがこうも言っておられました。
県が運営する施設に大学の時実習に行ったら、規則規則で、障害者さんの気持ちよりそっちが優先に見えた。
監査が入るときなんて必死で、それ以外だとがらっと変わる体制を見て、
給料は半分以下だけれど、1980に就職することを選択した。と。
感心はすれども、私にはなにもできません。
スタッフさん、どうかご自身のおからだも大切にしてくださいね、と願うばかりです。
長々と書きました。
お読みくださった方がいたとしたら心よりお礼申し上げます。