未明に目覚める
ジェットの音
少し、苦い
ここの空港は未明から、朝方迄は
飛ばない決まり
ただ、首都の空港が
２４時間になったから
競争もある
コロナ前の
インバウンドバブルの頃
アクシンデントがなくても
到着最終は、１時間遅らせた
ただ、昔からの
血塗られた経緯
そんな事もあるから
周辺住民は
騒音問題には、敏感
我々のような新住民はともかく
地元の人たちで
空港と関係ない人なら
鬱陶しいだけなんだろう
加えて、当然
闘争をしていた
反対派も住んでいる
空港の拡張計画では
これから、まだ
延々、揉めて行く筈
もちろん、その
深夜迄の時間延長の時も
結構、すったもんだ
何とか、決まった
空港内の従業員は、と言うと
我々のような
関連の末端従業員も含めて
もちろん、怠いだけ
別に、給料上がんないし
僅かな残業代は、要らない
しかも、遅くなっただけでも
うんざりなのに
天災、人災
色んなトラブルで
遅れ便が発生すると
協定で、未明でも降ろす
これが、がっくり
未明では、照明は
だいぶん、落ちる
気持ちも、落ちる
残った照明は
何だか、セピア色
とっくに日暮れた、真夜中
こころまるごと、真っ暗なのに
何故か、二度目
気持ちは、黄昏れていた
