とうさんは、４６才で
逝ってしまった
少し前から
心筋梗塞の発作が出ていて
医者に、ニトロを貰っていて
それが、朝の発作で切れて
初めて役所を休んで
直ぐ、二度目の発作
それで、かあさんは
ニトロを貰いに
チャリで、走った
それで、間に合わなかった
何故、救急車は
呼ばなかったのか
確かに、実家は
黒電が、入ったのは
遅かったけど
どうだったのだろうか
思い返せば
結構な不思議だ
まあ、もちろん
掘り返す話でもない
今更、仕方があるはずもない
その点、にいさんは
まだ、よかったかな
もっと、仕方がなかったから
年に一度は
人間ドックを受けていて
担当医から聞いた話では
そのドックの頃の発症
最初、異変に気づいて
近くの医院を受診
病変は、発見されず
それから、ひと月後に
具合が、急変
救急搬送、緊急手術
胆管がん、小腸転移で
ステージ４
手術は、中止された
義姉は、納得していなかった
確かに、最初の医院で
内視鏡検査も出来たから
発見されていれば、と
ただ、時系列的に
既に、手遅れだったはず
そして、それからは
再手術を含めて
延命措置だけだったけど
５か月生きられた訳で
突然死ではなかった
もっとも死と向き合うだけ
その数か月の辛さは
かえって、地獄か
５３才だった
とうさんを
早死と思っていたけど
にいさんも
あんまり変わらなかったな
晩婚の甥っ子たちも
高校生と中学生
父親と過ごした時間は
おまえと、あんまり変わらない
とうさんも、にいさんも
今では、おまえより
ずっと、若い訳だけど
それでも良いので
確かに、ほんのたまに
無性に、話してみたい
そんな時は、ある…
