でも、真夜中に
ふと、思い立って
雨戸を、開けたら
もう、雨は
上がっていた
月も星も
見えないけど
暗黒のはずの
空に、目を凝らすと
雲が、うっすらと白くて
雲間の闇が、のぞいている
そんな気がした
ジェット機の爆音が
遠くから、響いてくる
きっと、みんな
普通に、なり始めている
何だか．少し
安心した気分になった
強大な台風は
少し、逸れたから
かすめて、もう
去っていったのだろう
これで、ぐっすりだ
震災で傷んでいるはずの
このぼろ家も
今度も、どうやら
持ち堪えてくれた
何とか、この夜には
寝床で、身体ごと
揺すぶられるみたいな
恐怖など、ないはずだ
ぐっすりと、眠れる…
眠ったのだろう
もちろん、もう
昨夜から、風は静かだった
サッシの雨戸の隙間から
光が、漏れている
きっと、今日は
素晴らしい天気だ
台風一過❗️
多分、見渡す限り
晴れているはずだ
深い眠りから
目覚めているけど
重く澱んでいた
寝起きの意識に
思いが、灯って
意識を、覆い尽くしていた
重たげな、鈍い頭痛が
みるみると、晴れてきた
さあ、朝だ
嵐の去った、眩しい朝が
そこに、ある筈だ
雨戸を、思いっきり
開け放とう
…
やっぱりだ
光が、氾濫していた
木々も、草花も
もう、濡れそぼってもいない
あまねく光は
降り注いでいるけど
目を凝らすと
台風一過‼️
雲ひとつない
でも、それは秋の空で
灼熱の夏の残滓の
蒸し蒸しとべと付く
大気の澱は
大嵐の突風が
すっかりと、吹き払った
振り上げた視線は
目眩しの日差しで
思わず、目を細める
その僅かな視界を
更に、凝らせば
その空は、どこまでも
果てしなく、深く
澄み渡っていくんだ…
