よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

私は強い者に従い、その流れに乗る主義の者です。

2015-07-31 02:26:24 | ガンダム

不定期連載、“宇宙世紀に散ったキャラクターたち”。

第三回目は、若き上官に仕えるも、それを踏み台にのし上ろうとしていた運のなかった野心家。

機動戦士ガンダムZZ」より、オウギュスト・ギダン

 

 
ハマーン・カーン率いる、アクシズのネオ・ジオン軍所属の軍人。階級は不明。

というか、アクシズのネオ・ジオン軍には、階級の概念(設定)がない。

立ち位置から考慮して、大尉~少佐レベルか?

一年戦争時からジオン公国軍に所属していたのかなども不明。

ハマーンの命令で、グレミー・トトの副官となる。

 
グレミー・トトは若き指揮官で、地球の都市制圧の指揮官だった。

元は一兵卒だったグレミーは、ザビ家の血を引くものとして名乗りをあげ、

その血統だけで、士官に昇進し参謀となり、

ハマーンから直々に巡洋艦サンドラを与えられる。

 

 
ドズル・ザビの忘れ形見である、ミネバ・ラオ・ザビを、

ザビ家の正当後継者として、ネオ・ジオン総帥として擁立するハマーンにしてみれば、

ザビ家の血を引く者となれば、重用せざるをえない。

グレミーのパイロット能力やニュータイプの素質は認めていたものの、

理想家で自信家で、何よりも若過ぎるグレミーを信用できないハマーンは、

仕事のできる男、オウギュストを副官として差し向けるのだった。

 

 

副官としてグレミーに付いたオウギュスト。

表向きはグレミーの補佐という名目であったが、

ハマーンから受けた本当の命はグレミーの監視であった。

グレミーの不穏な動きを早い段階で察知していたハマーン。

力を与え過ぎると、謀反を起こす可能性があると警戒していた。

この時点で、グレミーが独自に用意した、

コールドスリープされたニュータイプのクローンの存在なども察知していたのかもしれない。

 

 

そつなく任務にあたるオウギュスト。

彼の初仕事は成り行きのようでもあった。

混乱のさなか出撃命令を受けて、彼はほくそ笑む。

 
地球連邦の首都、ダカールでハマーンに与する連邦高官を集めて、

ミネバのお披露目と地球圏でのジオン公国再建国を宣言するパーティが行われる。

このパーティにグレミーもネオ・ジオンの参謀として列席。

名家出身のグレミーは社交会での活動にレディが必要と考え、

敵対するエゥーゴのパイロット、ジュドーの妹、リィナを偶然捕え、

彼女の素質を見込んで事前にレディの教育を施し、このパーティで社交界デビューさせていた。

 

 
血眼になってリィナを救出しに来る、ジュドーらシャングリラの少年たち。

このときも、パーティ会場の迎賓館を狙って、

リィナ救出のため、ガンダムチームが攻撃を仕掛ける。

応戦にでる、ドワッジやズサなどネオ・ジオンのモビルスーツ。

その混乱に乗じて、ジュドーは迎賓館に潜入し、まんまとリィナを連れ出す。

それに気付いてグレミーが愛機バウで追って来る。

 
数で劣るエゥーゴのガンダムチーム。

そこへカラバのアウドムラから、援軍が現れる。

形勢逆転し、劣勢に立たされるネオ・ジオン。

撤退するハマーンのサダラーン

そこへ都合のいいタイミングで、オウギュストが出撃命令を請う。

当然、命令がくだり、満を持して意気揚々とドライセンで出撃するオウギュスト。

 
 

 

この後、ガザシリーズやガルスJに代わって、

ネオ・ジオン軍の主力量産機となる、ドライセン初登場のシーン。

ドダイ改に乗ったオウギュストのドライセン部隊が、

圧倒的な勢いでカラバの援軍を蹴散らす。

だが、計算してかたまたまか、グレミーの元へと辿り着くのは遅かった。

しかも合流して早々、「サダラーンは後退いたしました。撤退します!」と、

グレミーの部隊を残して勝手に撤退するオウギュストのドライセン部隊。

彼は初めて交戦するエゥーゴのガンダムチームと、

そして上官となったグレミーの力量を見定めただけだった。

  

 
アーガマを追うグレミーのサンドラ。

途中、北アフリカの都市、エルゴレアにエゥーゴの基地があると知り、その都市を叩く作戦に出る。

このとき、出撃前に陶酔するグレミーを「たわけたことを・・・。」と嘲笑する。

ドライセンのコクピットに向かいながら、ぶつぶつと喋る。

「愛する者のために死ぬなど愚か者のすること。それが片想いであればなおさら・・・。」

グレミーが恋心抱いていた、エゥーゴのルー・ルカに惑わされていたことを知っていたのか?

この台詞は、後のグレミーの命運を言い当てているのだった。

そして続けるオウギュスト。

「その方が好都合。ハマーン様は俺を頼りにするしかない。」

グレミーに仕える気などさらさら無く、さらにはそれを踏み台にのし上ろうと企んでいた。

 

 

かくして彼の思惑どおりに事が運ぶ。

オウギュストのドライセン部隊に続いて、バウで出撃したグレミー。 

そしてほどなくガンダムチームと交戦する。

オウギュスト達は予定どおり、エルゴレアへと向かい、

グレミーが単機でガンダムチームに挑む。

だが、想い人のルーに惑わされ、グレミーのバウはあえなく撃墜されてしまう。

 

 

オウギュストがエルゴレアの街を破壊していると、ガンダムチームがやってくる。

グレミーが落とされたと知るが、本来の目的であったエルゴレア攻撃は達成。

作戦は成功したと判断し、鮮やかに撤退する。

上官の生死も確認せず、バウの捜索もせず、そのままミンドラへ戻る。

そしてグレミー不在のまま、オウギュストは独断でミンドラを指揮する。

 

 

アーガマを落として手柄を得たい。

このままグレミーを踏み台として、地球制圧の指揮官の座を得たい。

オウギュストはこのとき、こんな野望を抱いていたのであろう。

ネオ・ジオンとは志も目的も異なる、現地の戦闘集団、

アフリカ民族解放戦線をそそのかして利用し、商業都市ガルダーヤを襲撃する。

この戦闘のさなか、偶然この街にたどり着いていた、グレミー・トトを回収する。

「運のいいヤツだ・・てっきり日干しになっていると思っていたのに・・・!」

すました顔で、無事を喜ぶオウギュストだったが、

それが本心でないことを、グレミーは判っていて皮肉を言う。

 

 

 

サンドラに戻ったグレミーは、オウギュストを本心から従えさせるため、

彼の野心渦巻く本心も読み取って、ハマーンへの造反の意図があることもほのめかしつつ、

コールドスリープされた、クローンのニュータイプ戦士を見せる。

こうしてオウギュストはネオ・ジオンの人間として、

グレミーがハマーンに反意があることを知った最初の人物となる。 

クローンの戦士を目の当たりにして、彼はグレミーに服従することを誓う。

それでもなお疑うグレミーに、オウギュストは跪く。

「私は強い者に従い、その流れに乗る主義の者です!」

「強い者が正義だからです!命は惜しみません!」と続け、

これまでとは一変、卑屈な態度でグレミーに従順であることを主張する。

 
 

 

その後、カラバの基地で補給中だったアーガマを急襲する。

先に交戦したガンダムチームが合流していないことを見越して、

エゥーゴの旗艦であるアーガマを落とし、大手柄を得ようと画策する。

グレミーに対しても、ハマーンに対しても、自身の力を示すことができる。

なによりも自身が抱いている、より大きな野望のため、またとない好機だと考えた。

「沈めアーガマ!ハマーンでもグレミーでもない!この俺のためになァ!」

「なにがプルツーだ!なにがニュータイプだ!俺達大人の男がそんなに役立たずかァ!?」

この台詞、種ガンダム厨なんかに聞かせてやりたい!

 

 

だが、アーガマの厚い弾幕と、カラバの守備隊によって手こずる。

そうこうしているうちに、ガンダムチームが到着する。

気迫に満ちたオウギュストは、単機でガンダムチームを翻弄する。

味方が次々に落とされて劣勢になる。

これまで引き際鮮やかだったオウギュストだが、今回は引かない。

「ここで引き下がれば運も離れるッ!!」

ZZガンダム,Zガンダム,ガンダムMk-Ⅱを戦闘不能にした。

「一度はミンドラを指揮下に置いたんだぞォ!!」

残るMSはただ一機!

だが奮戦むなしく、最後はジュドーの駆る百式にやられてしまう。

「俺はミンドラを俺の手に戻したァァァァ!!!」

断末魔の台詞まで、自身の出世欲と野望に満ちた言葉だった。 

 

 

 

オウギュストの死を知ってグレミーがポツリと言う。

「運がお前に味方しなかったか・・・強さだけでは人は生きてゆけないのだ・・・。」

「私は強さだけでハマーンを倒そうとは思っておらん!」

そう言うと、ニヤリと笑うのだった。

 

 

登場してから数話で退場となるため、イマイチ知名度が低いキャラクターではあるが、

野心家が多く登場するZZのキャラクターのなかにおいて、

彼ほど卑屈で世俗にまみれた男もいなかった。

同時期に青の部隊やアフリカ民族解放戦線が登場し、

それらにインパクトを取られ、また彼の退場後に、

アリアス,キャラ,マシュマー,イリア,ラカン、そしてプルツーなど、

次々にネオ・ジオンの主要キャラが登場、再登場してきて、より一層、彼のインパクトが薄れてしまう。

 

シリーズ名忘れてしまったけれど、数年前まで展開されていた食玩。

かなり精巧で塗装も丁寧。

ハイクォリティなシリーズだった。

 

ガシャポンのSDガンダム ドライセン。

ビームトマホークを持ち、三連装ガトリングガンを構えている。

ゲターに載せたい!

 

オウギュストの最期のシーンを再現。

・・・・きびしいな。

 

ドライセンで鮮烈デビューを果たし、その日和見主義のような したたかさとは別に、

なかなかのモビルスーツのパイロット能力も見せつけてくれる。

最後の戦闘では、単機でジュドー以外を戦闘不能に陥れた、

あのドライセンの立ちまわりは、強く印象に残っていた。

最期、ドライセンの両腕を切断されるシーンは、

高校のとき(このときZZを朝の再放送で初めて観ていた)教科書の隅っことか、

テスト用紙の裏側なんかに何度もラクガキで描いた。

 

SDガンダム カードダスのドライセン。

単機のものがないんだよな・・・。

2機のものはあるんだけど、パイロットがラカンになっている。

カードダスを集め始めの頃、まだZZを観ていなくて、

この手にしている武器が何なのか判らなかった。

ホッケーのスティック?とか思っていた。

 
そんな野心家で、建前が巧く日和見主義なようで、

世渡り上手に見えて、だがけっきょくは悪い方に傾き命運尽き、

ただただ不運で、それがまた因果応報にも見えて、

きれいごとを言わず、人の理想をぶった切り、

なんとも人間臭くて魅力的なキャラクターだった。

ぶっ飛んだキャラクターの多いZZにおいて、

オウギュストのようなキャラは特に魅力的に映ったのだった。

 

次回は、宇宙に住む人々の事どころか、己の家族のことすら見えていなかった典型的な政府高官。

 

 

SDガンダム外伝では、闘士ドライセンとして登場。

キーアイテムである竜の盾を装備した、

ムンゾ帝国戦士部隊の隊長。

前回紹介した闘士ダブルゼータのライバルだ。

キラカードで持っていたはずだけど見つからなかった・・・。

 

SD戦国伝では、闇軍団の僧兵として登場。

戦国伝では漢字が充てられるのだが、ドライセンは“怒雷仙”となる。

 

未組立ならば、おそらく相当なプレミアが付いているであろう、

BB戦士ドラクン(ドライセン)。

箱と説明書が手元に残っていた!

BB戦士ナンバリング3だ!

 

DVDで観直したら発見!

ネオ・ジオンのパーティにヤザンさんが居た!?

 

 



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この髪型が印象に残ってます! (にょきさん♪)
2015-08-14 20:55:40
ブログの更新が早くって、もうすぐトップページから消えてしまいそうなので、
今のうちにコメントを!!

あと、ガンダムキャラシリーズは、私もコメントお付き合いしたいので、
遅くなりましたが、多少でも・・・。

「オウギュスト・ギダン」・・
名前が「カミーユ・ビダン」に似ているのと、独特の髪型で良く覚えてます。

彼と「ラカン・ダカラン」「アリアス・モマ」あたりが、
後半シリアス路線に変わったZZの魅力ある適役の認識ですね。
前半活躍した「マシュマー・セロ」の方がアニメの扱いはメインですが、
あのキャラ設定ではね・・・。

最近になって見直した時の思い出しになりますが、
確かに彼はそう言った役割で「グレミー・トト」の傍に居ましたな。
既に「グレミー・トト」は主要キャラになってましたから、
登場した時点で既に「死亡フラグ」は立っていた訳ですけどね・・・。

搭乗MSは「ドライセン」でしたか・・
「ドライセン」は、どうも「ラカン・ダカラン」の方が印象が強く、
劇中で「ドライセンで出る!」と言う台詞が耳に残っているんですが、
それはどちらの台詞だったのか??
※「ラカン・ダカラン」は「ドーベン・ウルフ」がメインか・・・?

しかし・・
この“宇宙世紀に散ったキャラクターたち”シリーズも、
3回目にして、一気にマイナーキャラになった感じも・・・・・。
と言うか、微妙ですね~。
ガンダムシリーズには、確かにこのあたりのキャラが沢山出ますからね!
青の部隊やアフリカ民族解放戦線のキャラになると、
さすがに私もワカランわ・・(シャアに似たキャラは印象にありますが)


次回は「典型的な政府高官」ですか・・
こう言うキャラもガンダムシリーズには沢山居るからな~。

※ヤザンが居た?見直そう!!


では~
返信する
ラカンの台詞ですねそれ ()
2015-08-14 22:39:59
にょきさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
 
さすがにオウギュストは知らなくてコメントもらえなかったか・・・。
・・と、思っていたのですが、時間差攻撃で来ましたね。
 
ZZには濃いキャラが多いので、どうしても印象が薄くなってしまいますが、
ファーストのマ・クベなんかよりずっと登場シーン多くて、
実際わりと見せ場のあるキャラクターなんですけどね。
キャラクターが似ているので、マ・クベと比較されることが多いです。
 
自分も記事を書くために観直したのですが、シリアス路線に戻りつつも、
意味不明な芸術家とか、シャングリラのガキとプルやらの
相変わらずのやり取りとか、ZZのあのノリはまだこの時点でも続いていますね。
でもそれらも含めて、やっぱり面白いと思うんですよね。
初見のガンダムアニメがこれだったので、
個人的に思い入れがある作品です。
 
ドライセンはラカンよりも、オウギュストの方が印象強いですね。
ラカンはやっぱりドーベン・ウルフかな。
確か箱絵にもオウギュスト描かれていて、
「※このキットにオウギュスト・ギダンは含まれていません。」の、
あのお約束の文言も表記されていたと思います。
リメイクされたHGUCのドライセンは、オウギュストでもラカンでもなく、
なぜかグレミー搭乗機が描かれています。
エロ・メロエの青いゲルググと、ガデブ・ヤシンのデザートドムを率いてて、
あれはあれでカッコイイのですが。
おっと、この辺は解らないな・・・。
 
今後、一話のみで退場のキャラも繰り出す予定ですので、
もっとマイナーなキャラクターも出ると思います。
さあ付いてこられるかな?
Vガンダムとかとくに。
返信する

コメントを投稿