暑い夏、炭酸飲料をゴクゴク飲みたくなる。
日本に昔からある炭酸飲料といえば、瓶に入ったラムネだろう。
独特の形状をした瓶、中に入ったビー玉。
夏の風物詩として、古くから日本人に親しまれている炭酸飲料。
サイダーやコーラより、やっぱりこれが日本に馴染んでいるように思える。
レモネードが訛って、“ラムネ”と称されるようになったらしく、
元々はレモンやライムの果汁と砂糖で作られた炭酸飲料。
まだ缶やペットボトルのなかった時代なので当然瓶詰め。
炭酸ガスを利用して密封するために、くびれのある独特の形状をした瓶が用いられ、
栓の役割としてビー玉が用いられている。
自分が小学生の頃は、まだまだ駄菓子店がたくさんあり、
その軒先で必ずと言っていいほど、ラムネが売られていた。
ラムネの冷蔵庫の上には、開栓のための道具(正式名称が判らない)が吊るされていた。
酒店でもラムネは売られていて、そこには栓抜きと一緒にぶら下がっていた。
酒店の裏には一升瓶やビール瓶とともに、回収したラムネ瓶が置かれていた。
瓶はリサイクルされるため、ラムネ瓶は牛乳瓶と同じように、飲んだその場で返さなくてはいけなかった。
すっごい悪ガキだった自分の従兄が、酒店に忍び込み、
ラムネ瓶のコンテナを近くの線路に運び出し、
中に入っているビー玉欲しさに、瓶をレールに打ち付けて割っていて、
警察沙汰になったという話を叔母から聞いたことがあった。
そうそう、ビー玉といえば、最近の子どもは遊ぶことも無かろうが、
自分が小さい頃はメンコ(地元では“パッチン”と呼んでいた)とともに、
ビー玉遊びも主流で、それをたくさん持っていることがステータスでもあった。
従兄の例は珍しいことでもなく、ラムネ瓶のビー玉を狙った子どもたちの悪さはあちこちであったようだ。
ラムネはレモネードのことなので、本来はキリンレモンやスプライトのように、
レモンやライムなど柑橘味であるべきだろうが、最近は色んなフレーバーのラムネが発売されている。
とくにご当地ラムネが人気で、各地の銘菓や名産物などがラムネのフレーバーになり、
なかにはカレーだのキムチだの牛タンだの驚きのフレーバーも・・・。
福岡県東峰村にある道の駅で、以前から売られていたご当地ラムネがある。
ご当地ラムネと呼ぶのは少し違う気がするが、古くから親しまれているであろう老舗のラムネ。
大分県日田市にある味噌醤製造メーカー、まるはら(原次郎左衛門蔵)が販売している、虹色ラムネ。
日田市に近いことから、東峰村の道の駅で売られているのだろう。
その名のとおり、カラフルな色をした数種類のフレーバーのラムネが販売されいる。
バラ売りもされているが、6本パックになっているものが買い求めやすい。
老舗の味噌・醤油の製造メーカーが、なぜかラムネも作っている。
パックには「味噌」「醤油」「ラムネ」と書かれていて、
最初この商品を見たとき、味噌味,醤油味のラムネなのかと驚いたものだ。
フレーバーは色ごとに異なる。
レモン,オレンジ,アップル,メロン,グレープ,ピーチなどのフルーツ。
そしてハワイアンブルーとプレーン?がある。
虹色といいつつ、七色・・いや七味以上のフレーバーがある。
これまで何度か飲んできたものの、先日久しぶりに売場で新しい商品を見つけた。
これは飲んでみらんば!
せっかくなので、この際全商品を揃えて飲んでみることにした。
“天領日田”の文字がまばゆい!
古き良きラムネ。
最近の炭酸が強く味も濃い炭酸飲料と比べると、そりゃ淡泊だし、
それぞれのフルーツの風味もかなり微妙で物足りない。
200mlという内容量も少ないといえば少なくて物足りない。
だけど、なんだかノスタルジックで美味しく感じる。
最近の子どもはラムネの開け方を知らないんだよな。
うちの息子も判らないでいた・・・。
ビールの栓抜きの使い方を知らない若いひとも居るそうだし、
コーンビーフの開け方、缶切りの使い方、牛乳瓶の紙ブタのはぎ方も知らないんだろう。
ラムネ、有名どころではハタ鉱泉や友桝飲料のものが、スーパーなどで売られているが、
やっぱりどちらの商品も、大手メーカーの作る炭酸飲料と比較すると物足りなさは否めない。
逆に、あの美味しくないサンガリアのラムネの方が美味しく感じるほど。
やっぱり昔ながらの企業の作るラムネは、現代人からすると物足りなく感じるのかもしれない。
こういうのは炎天下のなか、グビッとやるから美味しいのかもしれない。
そんななか、今回初めて見た商品。
ラベルに“島ラムネ”とある。
何味なのかと思うと、島みかんとある。
奄美諸島とも書かれてあり、販売者はJAあまみになっている。
なるほど、委託されて日田のメーカーが製造しているのだろう。
自社ルートでもそれを販売しているっていうわけね。
さっそくこれを飲んでみると・・・。
!
これは美味しい!
強めのみかんの酸味が効いていて美味い!
昔のキレートレモン並の酸味の強さ。
常夏の奄美でこれを飲めば、さらに美味さは倍増することだろう。
この虹色ラムネ、おそらく大分県の日田市内や、
福岡県の朝倉市,東峰村あたりの特産品売場などで購入できると思う。
近くに寄ったときは、ぜひお試しあれ。
通販もやっているようだ。
40以上の方は、なつかしい味に出会えること間違いなし。
開けるときの中身の吹き出し、ビー玉を避けながらのラッパ飲み、
缶やペットボトルとは異なる楽しさを、今の子どもらに体験させるのもいい。
本来は鹿児島の奄美名産として売られているのだろうが、島ラムネは本当においしい。
溜まった瓶、どうしよう・・・。
返さなくてもいいのかな?
プラスチック部分は簡単にはずせ、ビー玉も取り出せて分別しやすい構造になっている。
こうやって並べると、きれいだ。
このまま飾っておきたいくらい。
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