先日、仕事帰りに映画を観てきた。
空前の大ヒットで話題のアニメ映画、"君の名は。"だ。
メインキャラクターの声優を務めるのは、神木隆之介と上白石萌音のふたり。
監督は、若手アニメ作家、新海誠氏。
キャッチコピーは、"まだ会ったことのない君を、探している。"
パンフレット購入しようとしたら、スタッフに「第一弾と第二弾どちらですか?」とか訊かれた。
ロングラン上映で、パンフレットの第二弾が発売されていた。
写真のものは第一弾。
昨年の8月に公開された映画。
なので、おそらくその1・2ヶ月前には、速報や予告編などで本作品のことを知ったと思う。
高校生の男女の体が入れ替わってしまうというストーリー。
それを観て当初、あの名作、大林宣彦監督の"転校生”のアニメ・リメイク版か。
単純にそう思った。
数年前、同じく大林監督の名作、"時をかける少女”も、細田守監督でアニメリメイクされていたし、
この"君の名は。”も、"転校生"のアニメリメイクなんだと思い込んでいた。
大して興味もなく、どうにも最近のアニメのタッチが好きになれず、完全にスルー。
そんなわけでチラシすら取ってもいなかった。
ところが、ものすごい人気。
どんどんと塗り替えられる、観客動員数,興行収入。
動員ランキングでも、ずっと上位に居座ったまま。
日本のみならず、海外でも大反響。
リアルではまったく居ないのだけど、ネットでの付き合いのある方々の観たひとの反応。
それに、観た人のブログの感想記事を読むと、どうやら転校生のリメイクじゃあない・・・?
気になり始めたものの、でも所詮アニメ。
今さら観なくてもいいか・・・。
これより他に観たい映画はもっとある。
・・・しかし。
ロングラン上映が続く。
シン・ゴジラが終了しても、君の名は。はまだ続いている。
上映回数も減らない。
動員ランキングも常に上位のまま。
リピーターも多いが、初見のひともどんどん増えているという。
観たひとたちに薦められたり、周りの話題に興味を抱いたりして、
ふだんアニメ映画なんか観ないひとも、どんなものかと観てしまうようだ。
まだだ、まだ観らんよ!
ところが、観に行くと決めたきっかけがあった。
自分がある方のブログで、君の名は。ではないけれど、あるアニメ映画の記事にコメントしていた。
「ストーリーにはすごく興味あったんだけど、アニメが嫌で観ませんでした~」
みたいなコメントをしていた。
そのコメントへ、そのブログ主さんから返信があり、
「第一印象や先入観で作品を敬遠してしまうのはもったいない」と。
この方も当初敬遠していたという、"君の名は。"のことにも触れられていた。
そうだな・・・アニメ絵に抵抗あるからって、敬遠するのはもったいないかもなあ。
作品そのものよりも、この人気っぷりが気になって仕方なかったのは確か。
こりゃいっちょ観に行きますか!
もう公開から半年近く経っているので、
いつも書くようなストーリーのあらすじなんかは割愛。
率直に感想を。
まあまあ面白かった。
観て良かった。
とはいえ、ここまで人気なのは、ちょっと理解できないかなあ。
テンポがいい。
場面の見せ方が巧い。
音楽を一組のアーティストで一貫しているのがいい。
SFテイストの程よい難解さ。
声優さんが巧い。
中学生以下には難しいだろうな。
この監督と自分、歳3つしか違わない・・・すげえな、おい!
"タキ”って、バアちゃんの名前やがな・・とか、
三葉の住んでいた田舎の風景を観て、これは長野だ!長野に違いない!!
・・・と思ったら、"高山ラーメン"って出てきて、なんだ飛騨か・・・岐阜じゃん。
しかし、いい線いっていたな!とか自画自賛してみたり、
俺が入れ替わったら、スマフォの使い方知らんから、やべえなとか、
自分の・・いや他人のだけど、自分のおっぱい、あんな触るかね?とか、
3年のズレだからいいけれど、20年,30年とかズレてたらやばいだろうなあ・・・
ようやっとめぐり会ったら、おばちゃんだった!とか、
女子高生が素足でぶどうを踏んで作ったワインなら、おいしく飲めるけれど、
いくら女子高生でも、口からオエーッって出したごはんで作ったお酒はちょっと・・・とか、
観ながら、しょうもないことばかり考えていたあたり、あまり真剣に観ていなかったかもしれない。
しかし、どうなんだ?
どうなるんだよ!?
で、どうなっちゃったんだよ!!?
めまぐるしい展開にも関わらず、どんどん先が知りたくなる。
物語の世界にグイグイ引き込まれていったのも事実。
個人的に好みではないけれど、ラド・・(読み方がわからない)ってバンドが好きなら、
その効果的な音楽も相まって、完全に引き込まれてしまうだろう。
細部まで美麗に描かれた圧倒的なクォリティの絵に、
そのシーン,キャラクターの心情にマッチした音楽。
そして、ズレた時系列で同時進行する物語。
なにもかも巧いなあと感心させられた。
これ観ないでいたら、本当にもったいなかった。
観て良かった。
そうそう、スクリーンに入ってびっくりしたのが、客が大人ばかりだったこと。
10代20代の人に支持されていて、それ以上はアニメオタクくらいだろうと思っていた。
ところが、遅い時間の上映ということもあったが、
周りを見る限り、学生らしき若者はひとりもおらず、30代~60代の大人ばかり。
なかには、70いってますよね?って老夫婦まで。
こんな大人のひとも若者向けみたいなアニメを観るんだ・・・。
子どもや甥姪たちと一緒に、ポケモンとかディズニーアニメは観ていたけれど、
そうじゃないアニメ映画、ひとりで鑑賞したのも初めて。
これまで敬遠してきて、こういった実情を知らなかった。
映画が終わり、自分の後ろに座っていた30前後のカップル。
「リピーターが多いの納得するわ!」
映画が良かったようで、興奮気味にそんな会話をしていた。
このカップルもまた、二度三度観ちゃうのかしら?
また観たいと思うけれど、またスクリーンで・・とまではいかないかなあ。
他にも観たい映画たくさんあるんで、同じ作品を複数回観る余裕がないというのも現状ではあるが。
DVD出たら買うかな。
いやあ、あのコメントで観に行く決心してよかった。
これからは毛嫌いせずに、アニメ映画も観ることにした。
で、仕事帰りに君の名は。を観た翌日には、さっそくまた別のアニメ映画を観たのでした。
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