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静岡旅行 富士山に感動編

2017-04-08 01:43:12 | 旅行・まち歩き

静岡旅行 しっちゃかめっちゃか出発編のつづき。

 

朝5:40の田川後藤寺発の始発電車に揺られ、日田英彦山線を小倉へ向けて上る。

小倉駅で新幹線のぞみに乗り換えて、名古屋を目指す。

名古屋で各駅停車のこだまに乗り換えて、目的地である三島を目指す。

 

日の出前、外はまだ暗く、乗客もまばら。

トランクを持って自分らと同じく、どこかへ旅行へ行くような母娘。

吹奏楽部にでも所属しているのか?

大きな楽器の入ったケースをかついだ制服姿の女学生。

朝早くから、いろんな乗客がいる。

 

田川伊田,一本松,香春,採銅所,呼野,石原町,志井,・・・。

なつかしいのう・・・。

まだ車を持っていなかった頃、電車に乗ってこの路線で小倉へ行った。

電化されていない路線。

ディーゼルエンジンの音もなつかしい。

空が白み始めると、だんだんと景色もはっきり見えてくる。

車窓に広がるのどかな風景もなつかしい。

 

「これ、なんち書いちょん?」

ボーっと外を眺めていたら、パンを食べ終わった息子が話しかけてきた。

窓のふちというかサッシ枠というか、ステンレスの部分に、

安全ピンだか千枚通しだか、なにかでひっ掻いて文字が書かれていた。

「**上等、ぶっ殺す」

「**くんLOVEずっと一緒にいようね」

目を凝らすと、そういったものが無数に刻まれていた。

暇な学生が、せっせか彫ったんだろうな。

まったく筑豊人はモラルがないな。

これ器物破損だからな。

 

志井を過ぎたあたりから、だんだんと街並が都会になってくる。

すでに田川郡から北九州市に入っている。

まばらだった乗客も、立っている人が多数居るほど増えていた。

城野までくると、もう田川とは比べものにならないくらいの街。

そうして、およそ一時間かかって小倉に到着。

外はすっかり明るくなっていて、終点に着いた電車から一斉に乗客が降りる。

ここから新幹線のホームへと移動する。

 

  

若干待ち時間があった。

立ち食いうどんから立ち上る湯気が食欲をそそる。

九州を出る前に、ごぼ天うどんか、丸天うどんでも食べておきたいところだが、

自分ひとりならいいが、息子が一緒なんで、時間内に食べ切れないだろうから諦めた。

それに新幹線、指定席が完売していて自由席の特急券しか買えなかった。

博多の次なので、たぶん座れるとは思うが、いちおう早めに列に並んでおこう。

 

 

ホームで並んでいると、ベルとアナウンスが鳴り、

ほどなくして流線形の新幹線が入って来た。

自分が若い頃、広島-小倉間をよく新幹線を利用した。

新幹線も久しぶりだ。

数年前、開通したばっかのときに九州新幹線には乗ったけれど、

山陽新幹線,東海道新幹線は15年ぶりくらいではなかろうか。

息子は九州新幹線に続き、二度目の新幹線。

 

ホームに入ってくる新幹線。

だんだんと速度が落ちてゆき、自分らが乗る自由席2号車が近付いてくる。

その前の6号車~3号車までの自由席、

通過するときに中をみると、ほぼ席が埋まっている!

最初の博多で、どんだけ乗ってんだよ!

まばらに空席があるものの、横並びで空いている場所がほとんどない。

自分らの前に並んでいるひとたちがそれを埋めていくと、

息子とふたり並んで座れるかどうか微妙だ。

 

新幹線が完全に停車し、扉が開く。

まずは降りる客。

博多からなんで、そこまで降りはしない。

そして一斉に乗りこむ。

車両のなかほど、3列の通路側がふたつ空いている場所を発見!

息子の背を押しながら、迷わずその席を確保する。

窓際には博多で乗ったであろう客がひとり座っていた。

これが、なんともいけ好かないギャル男。

 

自分たちは座ることができたものの、

後から後から乗りこんでくる。

そのほとんどが、大きなリュックやキャリーケースを持っている。

とうとう座れなくなった人たちが、通路に一列に並んで立つ。

お年寄りでも居たら、席を譲ってやるべきだろうが、

幸い、自分が座った近くは、自分よりも若いひとたちばかり。

若人よ立て!

 

ここから名古屋まで、およそ3時間の旅。

最高速の のぞみといえど、けっこう時間がかかるものなのね。

ここで3DSを引っぱり出して、息子と桃鉄をプレイ開始。

ハドソンからコナミへと権利が移り、キャラクターデザインが一新されて違和感を覚え、

購入を敬遠していたものの、いざプレイしてみたら、紛うことなき桃鉄だ。

しかも物件駅やカードが大幅に増え、

無駄だった貧乏神のバリエーションなどがオミットされていて、

実に遊びやすくなっているではないか。

一喜一憂しながら、息子と桃鉄。

 

新下関,広島,岡山,神戸・・・。

それぞれの駅で降りる客よりも、乗る客の方が多い。

停車時間が長くなり、電車の時間が遅れる。

アナウンスが流れる。

「本日は自由席が混雑いたしまして乗り降りに時間がかかり、

予定よりも数分遅れで運行いたしております・・・。」

「このままですと、大阪到着は*時*分,京都到着は*時*分・・・。」

ちょっと待て、名古屋駅で乗り換え時間は5分くらいしかなかったはず!

乗換案内の表をみると、やっぱり6分しか猶予がない。

にも関わらず、この時点で8分遅れで運行している。

これ・・・名古屋から乗り換えのこだま、一本遅らせなきゃならないのか?

だとしたら到着が遅れる旨を、義妹に伝えなきゃならない。

本来の到着予定、11:45に合わせ、義理妹が三島駅に迎えに来てくれることになっていた。

 

しかし、そこは日本の鉄道。

乗り換えで連絡する特急などと調整し、

その電車の発車を遅らせるなどの措置を万全にしているようだった。

ちゃんと車掌が乗換客の確認にやってきていた。

それに、よくよく考えると、各駅停車のこだまは、のぞみが先に行ってくれないと発車できないはず。

もしこのまま遅れて名古屋に到着したとしても、

次乗る予定のこだまの発車も、それに伴って遅らせるだろう。

 

新大阪に到着。

通路側に座っていたので、外がよく見れない。

大阪の街並を見たかったのだが・・・。

すると、いけ好かない野郎が無言で立ち上がり、

苦笑いしつつ、真ん中に座っていた息子にガシガシぶつかりながら、強引に通路に出ようとする。

「すみません、降ります。」くらい言えんのか?

自分が席を立って通路に出てから息子も通路に出し、その野郎を通した。

 

ふと野郎が座っていた席の前の網をみると、コンビニの袋が。

なかにはゴミ。

あの野郎!

新幹線内にゴミを放置していきやがった!!

それを手にとり、「忘れ物ですよ!」と、あの野郎に突き返そうとしたが、

降りる客と、まだまだ立ったままの客、空いた席を狙う客、

既にあの野郎はデッキの辺りまで進んでいた。

通路がごった返した状態で、そんなこともできぬまま。

ちくしょう・・・。

 

「ここ、いいでしょうか?」

新大阪で自分のお母んと同じくらいのマダムが、

さっきまで野郎が座っていた空席を指差して訊いてきた。

「あ、どうぞ、どちらで降りられますか?」

「京都です。」

「じゃあ、ここへ。」

自分が野郎の席へと移動して、マダムに通路側に座っていただく。

マダムの行き先が名古屋より先だったら、そのまま窓際に座っていただいたが、

京都ならば、こっちの方がいい。

 

マダムは席に着くと、トレーを広げて、

コーヒーと、えらくファンシーな紙袋を取り出して食事をはじめた。

なに食ってんだろう?

横目でチラッと見てみたら、小さなドーナツのようなワッフルのような?

朝飯時ではあるが、食事というか、おやつなのかな?

京都でマダムが降りる。

席を立って、「ありがとうございました。」と自分にお辞儀する。

不意にお礼をされ、とっさに「おつかれさまです。」と返した。

言った瞬間に、「おつかれさま」っていったい何だよ!

「どういたしまして」だろうが!

そう思い、恥ずかしくなった。

 

マダムと入れ替わりに、20代前半とおぼしき若いビジネスマンが座った。

アタッシュケースにビジネスバック。

出張か何かかな?

土曜なのにご苦労さまです。

このビジネスマンも、座るや否やトレーをひろげて、お茶とサラダと弁当を置く。

まずはサラダのふたを開けて、それをむさぼりだす。

食事の際、生野菜を先に食べて血糖値抑制云々は、

体調管理を気にし始めた、メタボなおっさんがやるものだと思っていたが、

こんなスレンダーで若い子でも意識してそれをやるのね。

 

あっと言う間にサラダを完食。

今度は弁当のふたを取って、それを食べ始めた。

臭っ!!

ニンニクというかショウガというか、香辛料の効いた肉料理の臭い。

見ると、こってりとした牛カルビ弁当。

朝から、よくそんなもんが食えるな。

若いもんは胃を気にせず、ものが食えてええのう。

しかし、この密閉空間でその強烈な臭いは、ある種テロだぜ。

 

京都を出ると、景色が一変する。

緑が少ない都会の街並から、のどかな田園風景になる。

田畑が広がり、雑木林や緑豊かな光景が目に入る。

自然豊かな こういう光景が好きだな。

途中、大きな川を通過する。

長良川に木曽川。

なるほど、ここら辺りは岐阜か。

岐阜も来てみたいところだな。

 

田園風景から再び市街地の景色に変わる。

「まもなく名古屋に到着します。」

アナウンスが流れる。

ここで乗り換え。

網棚の荷物を下ろし、息子を促して席を立つ。

自分らが席を立つと、ビジネスマンのニイちゃん、

自分が座っていた窓際の席へと移る。

その席の前の網には、さっき新大阪で降りた、いけ好かない野郎が置いていったゴミが・・・。

違う!違うぞ!!

そのゴミはわしが置いたんじゃないからな!

ビジネスマンから勘違いされぬことを祈って、名古屋駅で降りた。

 

心配していた乗り換えだが、新大阪からここまでで遅れを挽回。

時刻どおりに到着し、また、乗り換えのこだまも、すぐ隣のホームに止まっていたうえに、

そこがちょうど自由席の車両だったので、すんなりと乗り換えることができた。

小倉からのぞみで、3時間かかって名古屋に到着。

ここからこだまで、三島までおよそ1時間45分の旅。

新幹線の旅はまだまだ続く。

 

 

こだまは空いていた。

ここで二列席にふたりで座って、ゆっくりと桃鉄をプレイ。

名古屋を出て、三河安城,豊橋と愛知県を過ぎ、

そして、しばらくして大きな水辺が視界に入ってきた。

ヨットやレジャーボートもたくさん浮いている。

大規模な競艇場のような施設も。

海?

一瞬そう思ったが、すぐにここがどこだか判った。

浜名湖だ!

うなぎの養殖で有名な汽水湖。

とうとう静岡県にやって来たのだ。

浜名湖、けっこうデカいのね。

機会があったら、この周辺も散策したいものだ。

そして名物のうなぎを堪能するのだ。

 

そういや、そろそろ富士山が見えるんじゃないか?

そう思って、窓に貼り付いて、内陸側の前方を必死に見る。

まだ先かな?

 

浜松駅に到着。

駅舎からほど近いビルに大きな垂れ幕。

「好きです、直虎。」

そう書かれた垂れ幕。

そうだった!

浜松市は今年の大河ドラマ、"おんな城主 直虎”の主人公、井伊直虎ゆかりの地だった。

機会があれば、そんな歴史史跡を中心に、浜松も観光したいところ。

そして何の偶然か、息子とやっている桃鉄でも、ちょうど浜松に到着。

「すごい、浜松で浜松やん!」

興奮してそう言う息子。

だが、周りの客は、何を言ってんだかさっぱりだろうな。

 

「静岡で何見たい?」

前日、息子にそう訊いていたら、真っ先に返って来たのが、

「茶畑が見たい。」

茶畑?!

そんなもん、福岡にも長崎にもあるやんか。

掛川に来るころには、車窓から茶畑が見えだした。

そうそう、ここは掛川茶で有名なんだよな。

静岡茶とは区別されているようだ、どんなものか一度飲んでみたいな。

 

しかし、もうそろそろ遠くに富士山が見えてもいい頃・・・。

天気が良くないと見えないこともあるというが・・・。

左前方を目を凝らして見る。

前方にも山が連なる。

その山々の隙間くらいから、チラッと小さく見えるかもしれない。

そう思って、見ていたら・・・。

あの白いの!

富士山やん!!

デカっ!!!

 

 

おそらくずっと前から見えていたであろう。

想像をはるかに超えた大きさで、気付かなかった。

手前の山々から抜きん出て、雪を被った真っ白な富士山が前方にはっきりと見えていた。

こんなでかいのに、まるで気付かなかった。

興奮して息子に伝える。

「ほら、富士山!富士山が見えるばい!!」

息子も興奮してそれを見る。

初めて見た富士山に大興奮する九州の父子。

周りの乗客はというと、見馴れているのか、もっと前から気付いていたのか?

特にリアクションもなく・・・。

スマフォで撮影している おばちゃんがひとり居たくらい。

 

静岡駅に到着。

構内にあるでかい広告看板。

たいてい地元の企業や病院、学校などの広告が設置されている。

静岡で見入ったのは、赤と青の星マークがふたつ並んだあの企業。

田宮模型だ!

静岡といえばプラモデル!

プラモデルといえば田宮模型!

静岡は世界一のプラモデルの街。

アオシマ,フジミ,ハセガワ,タミヤ・・・,

そしてバンダイ!

機会があれば、ガノタとして一度バンダイの工場も見学したいものだ。

 

富士見に来る頃には雄大な富士山が目の前にそびえて見える。

どこまで続くのかというくらい、裾野が伸びている。

なんともいえない美しさ。

古くから、多くの絵師たちが描いてきた富士山。

こんなん見たら、確かに描きたくなるよな。

写真がなかった時代、描きとめてそれを残したくなるはず。

富士山を見て息子が面白がってつぶやく。

「噴火したとこ見たいやん?」 

バカたれが、物騒なこと言うんじゃないよ!

周りに静岡のひと居たら、どう思うのよ?

 

 

長い電車の旅も終わりを迎える。

5:40、始発電車で福岡県の田川を経ち、静岡県の三島駅に11:45着。

乗り換え2回,所要時間6時間5分,移動距離1,023km,運賃ふたりで29,620円也。

ホームを出て新幹線の改札を出て、一般改札の出口付近に来る。

改札の前で外を見やると、義妹の姿を発見!

バカ弟のせいで、あんなことになっちゃったので、ちょっと心配していたが元気そうだ。

その脇には、背の伸びた甥っ子たちの姿も確認。

3年ぶり、上の子はだいぶ大きくなったなあ。

 

改札を出て、まっすぐに義妹たちのところへ向かう。

向こうもすぐに気付き、久々の再会に笑顔で挨拶を交わす。

手土産を渡して、二人の甥っ子とも言葉を交わす。

息子は照れているのか、黙ったまま。

駅の駐車場で、義妹の車に乗り込む。

真っ黒ないかついストリーム!

ちょ・・・義妹、なかなかパンチが効いとんしゃあ!

「パン買っといたんで、よかったらどうぞ。」

ちょうど昼前で腹が減っていた。

気が効くなあ、こんないい子を、あのバカ弟は・・・。

 

旅の疲れもなく、このまま裾野市にある富士サファリパークへと向かう。

自分が一番見たいのはサイだな。

 

つづく。

 

 

動いている車窓から写真撮るのって難しいな。

 



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