福岡県民、いや北部九州の人間なら昔から馴染みのあるアイスクリーム。
学ランのようなものを着たゴリラが、がまぐち手にしてアイスを掲げたイラストが目を引く。
そして何よりも目を引くのがその商品名。
“おゴリまっせ”。
ゴリラと奢るをかけているダジャレだ。
なぜ関西弁なのかは謎。
なるほど、手にしたがまぐちからは羽振り良く金貨があふれている。
トップの写真は学生帽だが、これはサングラス。
このゴリラのイラスト、何パターンかあるようだ。
自分が物心付いた頃には既にあったと思われる商品。
小さい頃、50円玉を握りしめて、近所の駄菓子屋へお菓子を買いに行っていたが、
その頃は30円くらいで売られていたと記憶している。
当時、ロッテやグリコ,森永など、有名メーカーのアイスクリームが大体50円くらい。
そのなかにあって、このおゴリまっせは安い部類だった。
大抵のアイスクリームが120円前後となった今でも、60円という安価で販売されている。
シャキシャキとした一番外側のミルクアイスの層。
知覚過敏持ちにはつらい食感だ。
見た目、白いミルクの棒付きアイスクリーム。
だが、中はココアアイス。
そして中心部には練乳が入っているという、安い割に豪勢な三層構造のアイスクリーム。
種類別「ラクトアイス」となっているが、「氷菓」でもいいくらい、外側の食感が氷こおりしている。
赤城乳業のガリガリ君のように、本当に氷でできているわけじゃないが、
アイスクリームというより、アイスキャンデーと言った方が合うか。
内部のココアアイスは、外側のミルクアイスとは異なり、なめらかな食感。
練乳が中央付近にちょろっとだけしか入ってなくて、なかなか出てこないものも。
大体、棒のあたりまで食べ進めると練乳が出てくる。
佐賀の中堅菓子メーカー、竹下製菓が製造・販売している。
竹下製菓といえばブラックモンブランが主力商品だが、
これまた九州人にしか解らないアイスなので、いずれ紹介したいと思う。
しかしこのおゴリまっせ、自分が子どもの頃は竹下製菓ではなく別の会社が作っていた。
あのチロルチョコの製造元、松尾製菓だ。
この竹下アイスと書かれた部分、チロルアイスだったっけ?
そう書かれていた気がする。
文字枠の四角や丸もチロルチョコの形を模した台形だったような覚えが・・・。
地元田川にあるチロルチョコの工場。
そこで、このおゴリまっせは製造されていたのだが、
10年ほど前、松尾製菓が冷菓事業から撤退してしまう。
その際、親交のあった竹下製菓が、このおゴリまっせを引き継いだのだという。
両社は確かに親交深いようで、最近じゃチロルチョコが、
九州限定で、ブラックモンブラン味のチロルチョコを発売している。
これまた小さなチョコレートで、巧くブラックモンブランを再現しており、やみつきになる美味しさ。
これもいずれ紹介したいなと思っている。
自分が子どもの頃と比べると、当たりつきアイスもめっきり減った。
少なくとも40年、パッケージデザインはほぼそのまんま。
商品の味や原材料などは改良・変更が重ねられているかもしれないが、素朴で懐かしい味もそのまんま。
大手メーカーのアイスと比べると、そりゃ味なり見た目なり色々と劣る。
異様に脆くて溶けやすいので、真夏は速攻で食べる必要がある。
駄菓子チックなこのアイス、大人になった今でも時折 無性に食べたくなってしまう。
持ち手側にも刻印が。
竹下製菓のロゴはなかなかカッコイイ。
おそらく九州でしか、しかも福岡,佐賀,大分など北部九州のみの販売だと思う。
馴染みのない方も、もしこちらに来る機会があったなら、
このレトロな雰囲気のアイスクリームを食べてみて欲しい。
そりゃ、パルムとかチェリオとかハーシーズなんかと比べると劣ってしまうが、
この素朴な味わいはきっと気に入ると思う。
安いし、当たりつきだし。
おゴリまっせ・・・。
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