ようかんパン

　

昨年12月上旬に、スーパーで見つけた商品。

なんの変哲もない、チョコレートのかかったツイストしたパン。

･･･だと思ってスルーしようとしたら、目に飛び込んできた その商品名、

思わず二度見してしまった。

　

“ようかんパン”。

ようかん･･･羊羹だと！？

パンのなかにようかんが入っているのか？

この時点で、まだ表面のそれはチョコクリームだと思い込んでいた。

和菓子好き、ようかん好きの自分。

迷いなくそれを購入した。

　

ようかんパン

ヤマザキから販売されていた。

　

さっそく食べる。

ベタつく表面。

福岡県民だけかもしれないが、

チョコレートのかかったパンの代名詞といえば、リョーユーパンの“銀チョコ”。

このようかんパンも、それと同じくらいに表面がベタつく。

それどころか、指にひっついて剥がれた。

　

！

これ、チョコクリームじゃないぞ！？

まさか･･･これが ようかん？

鼻を近づけてみる。

チョコレートの匂いがしない。

　

食べる。

ふんわり柔らかいパン。

そしてパンからはがれ、唇にまとまわり付いてくる、

パンの表面にかかっていた黒いもの。

これが ようかんだった。

薄い膜のようになったようかんが、パンの表面にかけられているのだ。

　

　

パンの中身はミルククリーム。

ツイストしたパンとよく合う。

･･･が、これ、表面にかけられている ようかん要ったか？

ようかんといえば、甘くてずっしりした小豆餡の塊。

だが、このパンにかけられている、薄っすいようかんの膜じゃあ、

その ようかんらしさがまったく味わえない。

　

分厚い板チョコが入った、チョコクロワッサンのように、

てっきりパンの中に、棒状のようかんが詰められているのだと思っていた。

うーん、期待はずれ。

というか自分が勝手にそんなふうに想像していただけ。

パッケージにちゃんと、“表面にようかんを上掛けしました。”と明記されてある。

中に入ってるなんて、ひと言も書かれていない。

　

　

まあ、ようかんらしさがなく、そんな美味しいものじゃなかった。

逆に ようかんがかかっていない方が、シンプルに美味しかったかもしれない。

その後、店で見かけても手に取ることもなく、一度きりの購入となった。

　

　

年が明けて先月末。

また再び ようかんパンに出会う。

最初に見つけたときは、シックで地味目なパッケージだったものが、

桜とダルマのイラストが描かれた、やけに派手なパッケージ。

ようかんパンの上部に、“受かるよ！”の文字が大きく書かれている。

受験シーズンに合わせ、合格祈願商品として、装いも新たに再登場していた！

　

“ようかんパン”から、“ようかんぱん”へと、すべて平仮名表記に。

　

うーん･･･商品名のどこを“合格”に かけているのか？

ようかん･･･よう 受かる･･･ようかん･･･？

パッケージを見ると、「ようかんパン」の商品名のフォント、

ようかんの中の「よ」、「か」、「ん」の三文字だけが大きめで色付きで書かれている。

よかん･･･予感？

つまり、ヤマカンが当たるってこと？

単純に合格する予感ってこと？

･･･。

うーん･･･判らん･･･。

　

「よ」「か」「ん」が大きく色違いで強調されている。

「か」と「ん」の間に、「キラン！」って光のエフェクトが在るので、

これはやっぱ、「予感」ってことかな？

　

こっちはイラスト入りで、パンの上にかけられているのが ようかんで、

中にようかんなんて入っていないことが、はっきりと判る。

　

中身は前に食べた、ようかんパンとまったく同じ。

　

　

パン表面にかけられた、薄っすいようかんが やっぱり空気。

正直、なくていい。

　

商品名のどこをかけているのか、皆目判らないまま、

パッケージと商品名は変わってはおれど、

パン自体は前に食べたのとまったく変わっていない、ようかんパンを食べる。

やっぱり ようかんが空気だ。

美味しいけれど、パン表面に かかっている ようかんの存在意義も解らない。

合格にこぎつけている理由も判らない。

　

だが、おもしろいなと思える商品だった。

今度はしっかりと中にようかんの詰まったパンを出して欲しい。

　　

勉強するのだ、若人よ。

　

イラストのダルマには最初から目が塗られている。

合格まちがいなしだ！

･･･知らんけど。

　

たとえ失敗しても、めげずにポジティブに。