【災難の原因を明かす】
「世皆正(よみなしょう)に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず。」(立正安国論 御書234頁)
“世の中の人々が、皆、正しい仏法に背いて邪法邪義を信奉している。そのために、本来、国を守るべき諸天善神の働きが失われ、それに替わって、国土を破壊する魔や鬼神の働きが乱入して、恐るべき大災難が起こってくるのである。このことは、声を大にして言わなければならない、恐れなくてはならない”と仰せられています。
これは、『立正安国論』に一貫して述べられている、重要な点であります。
では、人々が正法に背いて国中が謗法になった時、いかなる大災難が起きてくるのかーーこのことについて、大聖人は釈尊の経文を引いて示されており、金光明経、大集経、薬師経、仁王経の四つの文が挙げられています。ここでは、その全てを掲げることはできませんので、主要な文のみ拝してみましょう。
【金光明経に説かれる諸難】
「金光明経に云はく『(中略)其の国当に種々の災禍有りて国位を喪失すべし、一切の人衆皆善心無く、唯繋縛・殺害・瞋諍のみ有って、互ひに相讒諂して枉げて辜無きに及ばん。疫病流行し、彗星数出で、両の日並び現じ、薄蝕恒無く、黒白の二虹不祥の相を表はし、星流れ地動き、井の内に声を発し、暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭ひて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を侵掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん』。」(御書235頁)
国中の人々が正法に背いていった時、どのような災難が起こるのか、ということについて、金光明経には、このように説かれています。
「其の国当に種々の災禍有りて国位を喪失すべし」--その国にさまざまな災いが起きて、経済力をはじめ、国を支えていく力が失われてしまう。
「一切の人衆皆善心無く、唯繋縛(ただけばく)・殺害・瞋諍のみ有って、互ひに相讒諂(あいざんてん)して枉げて辜(つみ)無きに及ばん」--人々は皆、心が濁って善心を失い、互いに束縛し、殺害し、争い、讒言し合って、罪のない人をも曲げて罪に陥れるようになる。強盗や殺人などの凶悪犯罪が横行するようになる、ということです。
「疫病流行し」ーー国中に伝染病が流行する。
「彗星数(しばしば)出(い)で、両の日並び現じ、薄蝕恒無く、黒白の二虹不祥の相を表はし、星流れ地動き、井の内に声を発し、暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭ひて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を浸掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん」--彗星がしばしば現われたり、二つの太陽が並んで現われたり、異常な日蝕・月蝕が起き、黒や白の虹が出たり、流れ星が出、地震が起きて、井戸の中から異様な地鳴りがする。時期でもないのに大雨や暴風が起こり、常に飢饉にあって穀物が実らず、他国から賊が来て国を侵略し、そのために、人々は苦悩し、楽しく生活できる所はどこにもなくなってしまう、と説かれています。
このうちの、二つの太陽が並んで現われる、という現象ですが、こんなことが本当にあるのだろうか、と思う向きもあるかもしれませんが、これは現実にあるのです。
たとえば、昭和49年4月に、東京都内で二つの太陽が観測され、その写真が読売新聞に掲載されています。また、昭和51年2月には、近畿および四国地方で、太陽の周囲にさらに小さな太陽が三つ現われる、という現象が起きて、これもいくつかの新聞に写真が掲載されています。
これは科学的にいえば、大気中に塵や氷の結晶などが異常に増えた結果、光が屈折して、幻の太陽が現われたもの、と考えられますが、こうした現象が起きることについては古来より、国に2人の主が現われて世の中が乱れる前兆、と言われています。
経典には、国に大謗法が充満した時に、自然界にこうした異常な現象が起きることが説かれているわけですが、創価学会の大謗法路線が露呈し、日蓮正宗と対立する事態が起こった、まさにその時にピッタリ符号して、こういう現象が起こっている、この事実をよく考えなくてはなりません。
それから、黒い虹が出る、というのは、急な気候の変化で土などが巻き上げられ、大気中に虹がかかったようになる、つまり大気の異常によって起きるものと考えられています。
一方、白い虹とは、霧雨のような細かい雨の粒に光があたって、白く輝く虹のように見える現象で、これも昔から観測されています。昔、中国では、白い虹がかかった時に革命や戦争が起こったということで、戦乱の前兆とされてきました。
そして、「星流れ地動き」ーー流れ星が現われたり、大地震が起きるということですが、地震が起きる時には、地殻に異常が起きますから、井戸の中から大きな音がすることがあるそうです。「井の内に声を発し」とは、そのことを指したものと思われます。
あるいは「暴雨悪風時節に依らず」--台風の季節でもないのに、しばしば大きな台風が上陸してくる。
そして、「常に飢饉に遭って苗実成らず」ーー飢饉となって穀物が実らない。日本では、今のところ、ここまでの事態には直面していませんが、他国では頻繁に起きているようで、北朝鮮などでも、たくさんの人が飢えに苦しんでいます。歴史的には、そうしたことが焦りをもたらして戦争に駆り立てる、ということもあるわけです。
「多く他方の怨賊有りて国内を侵掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん」--他国から攻撃が加えられ、人々は塗炭の苦しみを味わって、安心して暮らせる場所など、どこにもなくなってしまうということです。
第二次大戦の時にも、国のいたる所が空爆されて疎開しなければなりませんでしたが、今日は、ボタンひとつでミサイルの雨が降ってくるような時代です。核兵器や生物兵器・化学兵器を積んだミサイルでも投下されたら、わずか数発で、夥しい人命が失われ、環境も破壊されて、安心して暮らせる場所など、どこを探してもなくなってしまうのです。
「世皆正(よみなしょう)に背き人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず。」(立正安国論 御書234頁)
“世の中の人々が、皆、正しい仏法に背いて邪法邪義を信奉している。そのために、本来、国を守るべき諸天善神の働きが失われ、それに替わって、国土を破壊する魔や鬼神の働きが乱入して、恐るべき大災難が起こってくるのである。このことは、声を大にして言わなければならない、恐れなくてはならない”と仰せられています。
これは、『立正安国論』に一貫して述べられている、重要な点であります。
では、人々が正法に背いて国中が謗法になった時、いかなる大災難が起きてくるのかーーこのことについて、大聖人は釈尊の経文を引いて示されており、金光明経、大集経、薬師経、仁王経の四つの文が挙げられています。ここでは、その全てを掲げることはできませんので、主要な文のみ拝してみましょう。
【金光明経に説かれる諸難】
「金光明経に云はく『(中略)其の国当に種々の災禍有りて国位を喪失すべし、一切の人衆皆善心無く、唯繋縛・殺害・瞋諍のみ有って、互ひに相讒諂して枉げて辜無きに及ばん。疫病流行し、彗星数出で、両の日並び現じ、薄蝕恒無く、黒白の二虹不祥の相を表はし、星流れ地動き、井の内に声を発し、暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭ひて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を侵掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん』。」(御書235頁)
国中の人々が正法に背いていった時、どのような災難が起こるのか、ということについて、金光明経には、このように説かれています。
「其の国当に種々の災禍有りて国位を喪失すべし」--その国にさまざまな災いが起きて、経済力をはじめ、国を支えていく力が失われてしまう。
「一切の人衆皆善心無く、唯繋縛(ただけばく)・殺害・瞋諍のみ有って、互ひに相讒諂(あいざんてん)して枉げて辜(つみ)無きに及ばん」--人々は皆、心が濁って善心を失い、互いに束縛し、殺害し、争い、讒言し合って、罪のない人をも曲げて罪に陥れるようになる。強盗や殺人などの凶悪犯罪が横行するようになる、ということです。
「疫病流行し」ーー国中に伝染病が流行する。
「彗星数(しばしば)出(い)で、両の日並び現じ、薄蝕恒無く、黒白の二虹不祥の相を表はし、星流れ地動き、井の内に声を発し、暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭ひて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を浸掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん」--彗星がしばしば現われたり、二つの太陽が並んで現われたり、異常な日蝕・月蝕が起き、黒や白の虹が出たり、流れ星が出、地震が起きて、井戸の中から異様な地鳴りがする。時期でもないのに大雨や暴風が起こり、常に飢饉にあって穀物が実らず、他国から賊が来て国を侵略し、そのために、人々は苦悩し、楽しく生活できる所はどこにもなくなってしまう、と説かれています。
このうちの、二つの太陽が並んで現われる、という現象ですが、こんなことが本当にあるのだろうか、と思う向きもあるかもしれませんが、これは現実にあるのです。
たとえば、昭和49年4月に、東京都内で二つの太陽が観測され、その写真が読売新聞に掲載されています。また、昭和51年2月には、近畿および四国地方で、太陽の周囲にさらに小さな太陽が三つ現われる、という現象が起きて、これもいくつかの新聞に写真が掲載されています。
これは科学的にいえば、大気中に塵や氷の結晶などが異常に増えた結果、光が屈折して、幻の太陽が現われたもの、と考えられますが、こうした現象が起きることについては古来より、国に2人の主が現われて世の中が乱れる前兆、と言われています。
経典には、国に大謗法が充満した時に、自然界にこうした異常な現象が起きることが説かれているわけですが、創価学会の大謗法路線が露呈し、日蓮正宗と対立する事態が起こった、まさにその時にピッタリ符号して、こういう現象が起こっている、この事実をよく考えなくてはなりません。
それから、黒い虹が出る、というのは、急な気候の変化で土などが巻き上げられ、大気中に虹がかかったようになる、つまり大気の異常によって起きるものと考えられています。
一方、白い虹とは、霧雨のような細かい雨の粒に光があたって、白く輝く虹のように見える現象で、これも昔から観測されています。昔、中国では、白い虹がかかった時に革命や戦争が起こったということで、戦乱の前兆とされてきました。
そして、「星流れ地動き」ーー流れ星が現われたり、大地震が起きるということですが、地震が起きる時には、地殻に異常が起きますから、井戸の中から大きな音がすることがあるそうです。「井の内に声を発し」とは、そのことを指したものと思われます。
あるいは「暴雨悪風時節に依らず」--台風の季節でもないのに、しばしば大きな台風が上陸してくる。
そして、「常に飢饉に遭って苗実成らず」ーー飢饉となって穀物が実らない。日本では、今のところ、ここまでの事態には直面していませんが、他国では頻繁に起きているようで、北朝鮮などでも、たくさんの人が飢えに苦しんでいます。歴史的には、そうしたことが焦りをもたらして戦争に駆り立てる、ということもあるわけです。
「多く他方の怨賊有りて国内を侵掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん」--他国から攻撃が加えられ、人々は塗炭の苦しみを味わって、安心して暮らせる場所など、どこにもなくなってしまうということです。
第二次大戦の時にも、国のいたる所が空爆されて疎開しなければなりませんでしたが、今日は、ボタンひとつでミサイルの雨が降ってくるような時代です。核兵器や生物兵器・化学兵器を積んだミサイルでも投下されたら、わずか数発で、夥しい人命が失われ、環境も破壊されて、安心して暮らせる場所など、どこを探してもなくなってしまうのです。