”佐藤多一”

豊橋市のイベントなど

お盆とお彼岸

2012-08-10 12:55:11 | つれづれ草
お盆とお彼岸 

 お盆には先祖の霊をお迎えし、春と秋のお彼岸には、お墓参りに出かけます。盆は仏教の故事で盂蘭盆経が基になっていますが、彼岸は、他の仏教国には習慣がなく、日本独自の行事であると思われます。なぜこのような習慣が定着したのか、様々な説があります。彼岸の語源については、仏教用語の到彼岸からきているそうですが、煩悩の現世、此岸(シガン)から解脱した悟りの世界、亡くなった先祖の霊が住む世界を彼岸(かの岸)と考えるようになったことから彼岸の習慣が生まれたものと言われています。
 彼岸は、春分の日、秋分の日にあたり、太陽が真東からのぼり、真西に沈みます。西方浄土の思想があり、この時期、その方角に向かって念仏を唱えれば、必ず「先祖の霊が住む」極楽浄土に往生できると考えられています。

 お盆の頃は、大変暑い時期であります。暑さの中では、体を冷やそうとする生理的な作用が働いています。逆に冬は体を温めようとする作用が働いています。人の体は、こうした働きによって夏には体温が低く、冬は体温が高くなっています。年齢的には、赤ちゃんの頃が、一番体温が高く、年を取ると次第に体温が下がってきます。怪談やお化けの話は、冬にはあまりなく、夏場によく語られます。暑い夏は体温が低くなっており、特に寝苦しく汗をかいているときなどは、より低くなっています。体温が下がると霊が近寄って来るものと思われます。こうした時は、霊などの夢をみることも多く、そうしたことからお盆の暑い時期に、先祖の霊をお迎えしてお祭する習慣になったものと思います。最近においては、冷暖房などが完備しており、季節的な体温の変化は一定でなく、したがって霊が現われないかも知れません。

 彼岸の頃は、人がよく亡くなります。季節の変わり目といわれますが、この頃は移動性の高気圧、低気圧が交互にやってくる時期であります。1年のうちで気圧の変化が大きい時期であります。また春分の日の頃は、干満の差が大きい時期であり、潮干狩りなどに適しています。干満の差が大きいということは、それだけ月や太陽の引力、地球の遠心力の影響を強く受けています。この気圧の影響と引力の影響で、普段よりも多く人が亡くなるものと思います。生命は細胞分裂によって生まれ成長しています。こうした細胞分裂は、引力の力を利用していると考えます。カニの産卵などに見られますが、地球上の多くの生命は大潮の満ち潮のときに生まれています。人も一般的に満ち潮のときに生まれ、引き潮のときに亡くなるといわれます。彼岸の頃には、近所で人が亡くなることから、彼岸に墓参りに出かける習慣が生まれたものと思います。