SWORD中央ラボ分室

『アストロミゼット』HPブログ出張版
自企画の紹介が主ですが「小サイズ可動フィギュア」の可能性も広く研究しています。

【雑記】「共感」の真の意味を知れ。

2009-05-23 04:02:56 | Memorandum
何かとね、作品の評価基準に「共感できる」というキーワードが重用されて、まるでそれが良作の絶対基準であるかのように持て囃されているような気がします。

もちろん、作品に共感を求めずに一体何を訴えかけるんだ?という理屈は真っ当な正論であるのですが、その共感の判断基準が作品の受け手たる「客観」である以上共感という「概念」そのものには普遍性が存在しないわけであって、なればその共感の内容に関するテンプレートは絶えず様々な類例で試される場を失ってはいけないはずなのです。

…にも関わらず、世間で一つの価値観に「共感」した絶対多数がそれ以外のものを排除、あるいは無視を決め込むような、考えようによっては危険な思考形態に陥っているのではないか?という危惧を、昨今益々感じるわけです。
しかもこともあろうに、それは消費者に迎合するが故にプロの現場でほど顕著に現れている傾向が強く、下手をすると既に修正不可能な段階にまで歪んでしまっている観は、やはり否めません。
マーケッティングと言うと聞こえは良いでしょうが、送り手が受け手に迎合するのは消費者に対する責任転嫁にもつながる行為で、そこに主体もポリシーも一切存在しません(にもかかわらず送り手側に根拠の無いプライドと確固たる権利が残ってしまうのがまことに不可解ではありますが…)。
目先の利益優先で持て囃す価値観が後々…それこそ10年スパンで深刻な影響をもたらす事実を、本来であれば送り手側は真摯に受け止め責任もって臨まないとなりません。







…って、理屈っぽい言い回しをすればプロを標榜する偉~い方々は御耳を傾けて頂けますでありましょうです事なりまするか?
今度は「理解」…否、「読解」できていない可能性もありますねぇ…。

では解り易い例で一つ…。
15年程前になるでしょうか「良い漫画はスクリーントーンを沢山張っている漫画で、トーンを沢山買う漫画家が偉い漫画家なんだ!」と言ってはばからない後輩がいました。そしてその理屈を支持する多数派も。
聞くところによると、彼らが今評価している漫画は『ONE PIECE』なのだとか…

トーン貼ってねぇじゃんか!
彼らのうちの数名が、現在そういう「送り手側」の職に就いているという恐ろしい事実も付け加えておきましょう…。




あなたが心酔している「それ」、本当に10年経っても支持でき得るものですか?
10年後の自分や次の世代の方々の、物笑いの種にされないように今を振舞いたいものですね…。


追記:こういう時代だからこそメーカーや出版社に必要なのはネクシャリストなのかもしれませんね…いや、スペシャリストさえ不足しつつある昨今ですが…

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