<少人数だと広報の立場が・・・>
先日、ある私立大学の広報室長さんにお会いする機会があり、「記者懇談会をどう思いますか?」と聞かれました。記者懇談会とは企業や団体などが記者クラブの皆さんと行う定例の広報イベントで、会見と懇親会を合わせたようなものです。企業や団体側は経営トップが出席します。
目的は特定のテーマの発表ではなく、その企業や団体が属する業界・社会の最新動向や今後の見通し、自社の状況やビジョンを説明し担当記者の理解を求めることにあります。以上は私の個人的な考えですが、その広報室長の考えもほぼ同じでした。私は「ぜひやるべきです」と言いました。
なぜそのように断定的に言ったかというと、ミズノ広報の現役だった頃、
私も記者懇談会をやりたいと思っていたからです。このような懇談会でベースを引いておくことで、広報の現場はどれほど仕事がしやすくなることか。絶対にやるべきだと考えていました。
しかし残念でしたが、ミズノの記者懇談会は私が退社するまでには一度も実現しませんでした。広報活動の東京シフトが原因です。東京メインで広報活動をすると宣言している以上は、懇談会をやるなら東京が先です。
広報宣伝部長も東京の広報責任者も懇談会の開催には賛成でした。しかし実施できなかったのは記者の出席が見込めなかったからです。20社以上が加盟しているクラブであれば半分の10名は出席してもらわなければと考えました。しかし東京と大阪を比べるとミズノの地位は格段に違います。
大阪であれば存在感を保っていますが、大東京のマスコミ世界にあっては、ミズノはその他大勢の存在でしかありません。東証クラブなどでの扱われた方が身に染み付いてしまっている広報の幹部連中は、10名以上の記者に参加してもらえる自信がもてませんでした。それなら、「まず大阪でやろうよ」と私は提案しました。大阪なら10名以上の記者に出席してもらえるという確信がありました。
しかし部長や東京広報の責任者はうんと言いません。東京メインというスタンスは崩せません。結局、記者懇談会は実現しませんでした。「出席者が少なかったら広報の立場がない」という恐怖感がまさりました。
その私大の広報室長は今年、広報に異動なったばかりということもあって迷っていました。私は「ぜひやるべきです」と言いました。そして、「多くの記者に出席してもらう努力が必要です。それに、出席者が少なくて上から非難されてもくじけないという覚悟も必要です」というニュアンスの言葉も付け加えました。
<業界専門紙対象は例年実施>
ミズノは業界専門紙との懇談会は20年以上前からやっています。今でも続いていると思います。対象はスポーツ用品と繊維・アパレルの業界専門紙で、多いときは15紙前後ありました。
ミズノ側は社長と旬の話題の担当役員が出席しました。業界紙側はいつもの取材記者に加えて編集長、主幹の肩書きを持つ編集幹部にも出席してもらいました。開催は年1回で、時期は新年早々、年度はじめ、決算発表直後など、その年の状況によって異なりました。
会場は、東京開催のときはホテルを借りました。東京會舘などを利用したこともあります。大阪での開催もホテルでしたが、本社を南港に移したあとは本社ビル最上階の直営レストランを使いました。
時間は全体で3時間弱です。1時間ほどが社長のレクチャーと質疑です。後半が立食形式の懇親会でこれには全役員が参加しました。お酒も料理もふんだんに用意しました。お土産も用意しました。スポーツタオルとかスポーツソックス、アンダーシャツなどの自社製品です。
記事は例年、大きく扱われましたが、大きな記事を期待したわけではありません。担当記者と編集幹部に、スポーツ業界とミズノへの理解を深めてもらい、日常の広報活動のベースを引くのが目的でした。その目的は達成していました。
この業界専門紙を対象にした記者懇談会開催のノウハウを一般紙対象のそれに活かしたいと熱望していたのですが、私が退社するまでに実現することはありませんでした。
先日、ある私立大学の広報室長さんにお会いする機会があり、「記者懇談会をどう思いますか?」と聞かれました。記者懇談会とは企業や団体などが記者クラブの皆さんと行う定例の広報イベントで、会見と懇親会を合わせたようなものです。企業や団体側は経営トップが出席します。
目的は特定のテーマの発表ではなく、その企業や団体が属する業界・社会の最新動向や今後の見通し、自社の状況やビジョンを説明し担当記者の理解を求めることにあります。以上は私の個人的な考えですが、その広報室長の考えもほぼ同じでした。私は「ぜひやるべきです」と言いました。
なぜそのように断定的に言ったかというと、ミズノ広報の現役だった頃、
私も記者懇談会をやりたいと思っていたからです。このような懇談会でベースを引いておくことで、広報の現場はどれほど仕事がしやすくなることか。絶対にやるべきだと考えていました。
しかし残念でしたが、ミズノの記者懇談会は私が退社するまでには一度も実現しませんでした。広報活動の東京シフトが原因です。東京メインで広報活動をすると宣言している以上は、懇談会をやるなら東京が先です。
広報宣伝部長も東京の広報責任者も懇談会の開催には賛成でした。しかし実施できなかったのは記者の出席が見込めなかったからです。20社以上が加盟しているクラブであれば半分の10名は出席してもらわなければと考えました。しかし東京と大阪を比べるとミズノの地位は格段に違います。
大阪であれば存在感を保っていますが、大東京のマスコミ世界にあっては、ミズノはその他大勢の存在でしかありません。東証クラブなどでの扱われた方が身に染み付いてしまっている広報の幹部連中は、10名以上の記者に参加してもらえる自信がもてませんでした。それなら、「まず大阪でやろうよ」と私は提案しました。大阪なら10名以上の記者に出席してもらえるという確信がありました。
しかし部長や東京広報の責任者はうんと言いません。東京メインというスタンスは崩せません。結局、記者懇談会は実現しませんでした。「出席者が少なかったら広報の立場がない」という恐怖感がまさりました。
その私大の広報室長は今年、広報に異動なったばかりということもあって迷っていました。私は「ぜひやるべきです」と言いました。そして、「多くの記者に出席してもらう努力が必要です。それに、出席者が少なくて上から非難されてもくじけないという覚悟も必要です」というニュアンスの言葉も付け加えました。
<業界専門紙対象は例年実施>
ミズノは業界専門紙との懇談会は20年以上前からやっています。今でも続いていると思います。対象はスポーツ用品と繊維・アパレルの業界専門紙で、多いときは15紙前後ありました。
ミズノ側は社長と旬の話題の担当役員が出席しました。業界紙側はいつもの取材記者に加えて編集長、主幹の肩書きを持つ編集幹部にも出席してもらいました。開催は年1回で、時期は新年早々、年度はじめ、決算発表直後など、その年の状況によって異なりました。
会場は、東京開催のときはホテルを借りました。東京會舘などを利用したこともあります。大阪での開催もホテルでしたが、本社を南港に移したあとは本社ビル最上階の直営レストランを使いました。
時間は全体で3時間弱です。1時間ほどが社長のレクチャーと質疑です。後半が立食形式の懇親会でこれには全役員が参加しました。お酒も料理もふんだんに用意しました。お土産も用意しました。スポーツタオルとかスポーツソックス、アンダーシャツなどの自社製品です。
記事は例年、大きく扱われましたが、大きな記事を期待したわけではありません。担当記者と編集幹部に、スポーツ業界とミズノへの理解を深めてもらい、日常の広報活動のベースを引くのが目的でした。その目的は達成していました。
この業界専門紙を対象にした記者懇談会開催のノウハウを一般紙対象のそれに活かしたいと熱望していたのですが、私が退社するまでに実現することはありませんでした。