谷川岳一ノ倉沢烏帽子南稜
2014年10月19日 参加者:S原・nami
25年ぶり位の谷川一ノ倉に行ってきました。
諏訪から土合まで4時間近くかかるので、前夜に現地入り。記憶を頼りに湯檜曽駅待合室に泊まるつもりで行ったところ駅舎は建て替えられており、トイレはきれいだが待合室は無くなっていた。持ってきたテントを駐車スペースに張り、一杯やって就寝。
19日 晴れ 土合口下駐車場5時‐一ノ倉沢出合6時‐テールリッジ下7時半‐南稜取付き9時‐南稜登攀‐終了12時半‐稜線16時‐肩の小屋17時半‐土合口駐車場20時
最近は車はロープウェイ駅までしか入れず、7時にならないと駅の駐車場は開かないとの事。徒歩10分ほど下の広い駐車場に車を置き、歩き出す。マチガ沢出合頃で明るくなり、ちょうど一ノ倉沢出合に着く頃、朝日が当たり真っ青な空に岩壁が赤く染まって見事。写真を撮る人がたくさんいた。
<出合から一ノ倉沢>
出合で支度し、沢沿いのトレースに入る。途中巻き道を利用、ヒョングリの滝では懸垂(45m位)。
<懸垂> <衝立岩>
テールリッジに取付き、フィックスロープを使いながら登るが、特に最上部は数mが悪い。
中央稜には1パーティ、南稜には2パーティ取付いているのが見える。中央稜基部から南稜テラスまでのトラバースもいやらしい所で、上部から落石があると逃げられない所だが、この日は上にはパーティはおらず少し安心。
<テールリッジ上部> <南稜テラスへのトラバース>
南稜テラスは広々、周囲が見渡せる展望台。ここで小休後南稜に取付く。快晴微風の絶好のコンディションだが、1P目のチムニーは日が当たらず手がかじかむ。残置は古いものばかりだがたくさんある。
<1P目チムニー> <2P目>
2P目はフェース、3P目は草付50m、4P目はハング下を左から回り込むフェース。ここのフェースの岩はスタンスホールドはたくさんあるものの、微妙に外傾気味でいやらしい。
ハングを回り込んだ辺りで先行2パーティが相次いで懸垂するところとすれ違う。5P目、馬の背に乗り移ると両側すっぱりで高度感抜群。
<馬の背>
馬の背はⅢ級程度の快適なリッジだが、ロープが右往左往した結果、重たくなってピッチを途中で区切る。6P目は凹角を登り最後のフェース下のテラスまで。
<最終P> <終了点にて>
7P目、傾斜のきついフェースで細かいホールドを拾ってクラック沿いに登るが、高度感抜群にビビッて最後のハーケンをつかんでA0で抜けた。(奇数はS原、偶数ピッチはnami)
終了は昼を少し回ったが天気は相変わらず快晴、このまま稜線へ抜けることにし、草付のトレースを追う。
が、途中の露岩帯でトレースが薄くなり、笹ヤブ漕ぎに突入。傾斜もきつく、ところどころアイスハンマーを使いつつ1時間ほど藪をこぎ、右手の烏帽子岩の高さまで来た辺りで、烏帽子岩からのトレースに出、ほどなくしっかりしたトレースに合流。
下の露岩帯で、もう少し左側にルートを取ればよかったのかも。
その後しばらくは日当たりの良い平和なトレースを辿り、聞いていた最後の岩場に至り、ロープを出す。が、岩はボロボロで支点もほとんど無く、Ⅲ級レベルだが南稜ルート自体よりも恐ろしかった。
その後も尾根は細かったり、で最後の笹ヤブ漕ぎをして縦走路に出た時には16時になっていた。
このままでは時間が遅くなってしまうので、とりあえず会に現状報告メールを入れる(Do社は通じるがAu社は通じなかった)。
縦走路をオキの耳、トマの耳と縦走、暮れゆく夕日が美しい。
肩の小屋に着く頃には薄暗くなってきて、ひと思案。予定では西黒尾根下山だが、途中の岩場や鎖場を考慮し、傾斜が緩く整備された天神尾根~田尻尾根下山とした。
ヘッドランプを点けての下降でペースは上がらなかったが、道は良く、順調に下山。田尻尾根の最後は沢沿いの林道歩き30分で、暗い中では山道ではないのがありがたかった。
15時間行動はさすがにきつくへろへろになったが、無事下山できほっとした。
天候の見極め・長時間行動には早立ち、とそれなりに対応したつもりだったが、結果的に終了点から稜線まで時間が読めず、下山が遅くなってしまった。最近は稜線まで抜けるパーティは少なくなっているのだろうか?
とはいえ、とても充実したアルパインな一日でした。
装備:8mm×50m×2本、ランニング15か所、カム4個、アイスハンマー
*前日、会員のK藤さんからメールで詳しい情報をもらい、参考になりました。ありがとうございました。
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