朝の六時ごろ、トイレを使うため店に行くと、おそらく朝方までセッション大会を繰り広げていたであろう高崎氏、モジョリズムのナッキーとしずかちゃんがビーチベッドを広げて寝ていた。ステージのドラムセットとウッドベース、アンプ類は搬出されており、モジョの斉藤ちゃんとタカシ君は既に帰ったようだった。
二度寝して、再び八時過ぎに店に行くと、マスター及び寝ていた三人は既に起きており、高崎氏が買ってきてくれた缶コーヒーを飲みしばし談笑する。
忘れ物を取りに来たカラス氏や迎えに来たナッキーの奥さんも加わり、更に話に花が咲く。
マスターと奥さんはこの日も『スキヤキ~』会場で出店しなければならない為、10時過ぎに解散となった。
この日出演する大谷氏やとっちゃんも観たいところだったが(昨秋虫の音に来てくれた)、自分は翌日仕事があり、寝ずに400㌔近く運転して帰るのは自殺行為に等しく、断念せざるをえなかった。
そして我々は、昨夜出張先から電車でさむでぃに直行して来たモジョのしずかちゃんを帰りついでに富山市まで車で送ることになった。
富山市へ向かう途中、しずかちゃんお勧めの駅そば屋(駅構内ではない)で遅めの朝食及び昼食を食べ(何と鱒寿司付き!)、しずかちゃんの案内で地元スーパーを何軒かはしごした。
地元で採れた魚も多く、活きも良さそうで、しかも安い。当然のことだが、魚介類の品揃えは群馬のスーパーとは雲泥の差である。おまけに魚市場にあるようなデカい製氷機が設置されており、氷はタダで詰め放題だ。車にクーラーボックスを積んでいたので、刺身や生物も心配ない。
サトチエが「ここでバーベキューが出来たらどんなに幸せか」と言っていた。自分もそう思った。
しかし、確かに夏はいいが、ここ富山県は日本海側であり、冬期には豪雪地帯のところもある。冬の暮らしは楽ではないのだ。
一方、群馬には目立った名産/名物は温泉くらいしか無く、特別旨い物も見当たらないが、北の山沿い以外では大して雪も降らず、自然災害も少なく空っ風が吹く程度で、贅沢さえ言わなければ至って暮らしやすい土地だ(夏は異常に暑いが)。
「隣の芝生は青く見える」とはこういうことを云うのだろう。
スーパー巡りの後高岡市に寄り道して、しずかちゃんお勧めの「高岡大仏」を拝観した。
何でも、奈良と鎌倉とこの高岡大仏で「日本三大大仏」と云われている(主張している?)そうなのだが、ここに来るまで知らなかった。また、日本一ハンサムな大仏でもあるそうなのだが、この点に関しては意見が分かれそうだ(笑)。
その後、しずかちゃんを富山市のアパートまで送り届け、お土産を貰って群馬への帰途に就いた(しずかちゃん、いつもすまないねぇ)。
帰りの北陸道では、関東では殆ど見ることの出来ない「烏帽子型」鉄塔に興奮し、時折出現する日本海の大海原に心洗われ、関越道の小出(現魚沼市)付近では思い出が蘇り(自分は小出周辺に親戚が多いのだ)、運良くぎりぎり渋滞にはまらずに虫の音に帰り着いた。
この晩食べた、砺波のスーパーで買ってきたつばいそ(ブリの子供)の刺身は格別であった。
同じく買って来た昆布巻かまぼこや鯖のぬか漬け、ホタルイカの醤油漬け・塩辛等で、楽しい夕餉がしばらく続く。
富山、そしてさむでぃ、また寄らせてもらうぜ(但し冬以外)!!
(終わり)