国に戻ったfool君ご一行は、宮殿の広間で皇帝夫妻にアポロンによる神託について報告の最中です。
fool、武蔵将軍、サムソン副将軍、ジュリエット、fool君の隣には子犬のハチも伏せのポーズで控えております。
王座に座る皇帝夫妻の隣にはプーケも控えています。
皇帝「fool今回もご苦労であった、ジュリエット殿、あなた方のご活躍で神託を承ることができました、まことに有難うございます。今回のことでは娘同然の七騎士を亡くされたことを伺いました、お悔みを申し上げます」
皇帝夫妻とプーケ姫が目を瞑り深々と首を垂れる。
女帝「あなた神託の報告を承りましょう」
皇帝「fool神託を申せ」
fool「プーケ姫が独りでエトナ山の森に来るようにだってさ」
女帝「まあ！何てことでしょ」
皇帝「プーケ姫はもののけの嫁になれということか？」
プーケ姫「わたし嫌です」
皇帝「神託はそれだけか？」
fool「そうだよ」
女帝「エトナの森にはもののけが棲んでいるそうです。それに山には怪物デュポンもいるといいます。そんな所に姫を独りでいかせるなんて無理です。この神託はやめましょう」
皇帝「バカを申すな！神託は絶対なのじゃ、神託に従わなかった国が、疫病や火災で滅んだことをおまえも知っておろう」
プーケ姫「私お嫁に行かなくていいです、一生宮殿にいます」
皇帝「だめだ！これは姫ひとりの問題ではないのじゃ、国民全員の命に関わることなのだ。プーケ姫は神託に従ってもらう」
女帝「姫しかたない、神託に従いましょう。あなた、せめてエトナの森まで、武蔵将軍と軍隊をつけましょう」
fool「それはダメだよ」
女帝「どうしてじゃ」
fool「だって、僕が姫を森の奥の古井戸まで連れてくるようにだってさ」
皇帝「それも神託なのか？」
fool「そうだよ、テレシアス様が言ってたもん」
皇帝「わかった」
不安そうな目で皇帝とプーケ姫を交互に見る女帝
・・・・数日後
宮殿の門の前でプーケ姫とfool君の旅立ちを見送る皇帝夫妻とサムソン達。
プーケ姫「私行きたくない」
プーケ姫が泣きながら女帝に抱きつく
女帝が涙を流しながら皇帝に訴える
女帝「あなたやっぱり止めましょう」
皇帝「何度も話し合ったではないか、神託は絶対服従なのじゃ」
女帝が子犬のハチを抱き上げ
女帝「ハチ、お前は大天使メタトロン様じゃそうじゃな、姫を守っておくれ」
ハチ「キャイン？」
ハチが首を傾げる
皇帝「fool今回もたのむぞ」
プーケ姫「わかったよ、それではお妃さま、皇帝さま行ってくるよ」
女帝「姫、foolに従っていれば大丈夫です」
プーケ姫「わかったわ、わたし行ってきます」
fool君とプーケ姫、子犬のハチの新たな旅の始まりです。
次週へつづく・・・・
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