明日また陽が昇るなら −カウンセラーもり あずさ(もるも)のブログ−

オクテ男子の夏の恋 -スピッツ「涙がキラリ☆」より-

先日、B'zの"SKYROCKET"を歌詞分析するにあたり

 

「花火の歌って他に何があったかな?」と考えていたら

 

この歌が思いつきました。

 

ただ、この歌が花火に関係していると気づいたのは

 

実は「花火の歌って何だろう?」と考えた後でした。

 

それくらい、歌詞を流して聴いてしまうと花火の歌であることが分かりません。

 

タイトルも「涙がキラリ☆」と一見花火とは無関係な印象です。

 

しかし、よく読むとシチュエーションは花火大会であることがわかります。

 

歌詞は、オクテ男子がまず意中の女の子をどこかへ誘い出す場面から始まります。

 

目覚めてすぐのコウモリが 飛びはじめる夕暮れに

バレないように連れ出すから カギは開けておいてよ

 

・・・誰に「バレないように」だ?

 

親?それとも彼氏?

 

そもそも、どこに連れ出すんだ?

 

そんな疑問が湧いてきます。

 

歌詞はこう続きます↓

 

君の記憶の片隅に居座ることを 今決めたから

弱気なままのまなざしで 夜が開けるまで見つめているよ

 

・・・早くもオクテ男子ワールド全開です。

 

せっかくバレないように連れ出したのに、やることは「夜が開けるまで見つめる」だけ・・・

 

しかも弱気なままで・・・

 

しかもゴールは、彼女の「記憶の片隅に」居座ること・・・

 

「彼女を手に入れる」ことでも、「誰かから奪う」ことでも無いようです。

 

B'zの「ピエロ」の主人公に比べても、めっちゃ奥ゆかしいです。

 

オクテ男子好きな私にはたまらない内容です笑

 

さてこんなに奥ゆかしい主人公、彼女をバレないようにどこに連れ出すのでしょうか?

 

星を待っている二人 切なさにキュっとなる

心と心をつないでる かすかな光

 

二人は、外で夜になるのを待っているようです。

 

何でですかね〜?

 

そんな疑問を残したまま、1回目のサビが終わります。

 

2番の歌詞からは夜の帳が下りた後の時間になります。

 

浴衣の袖のあたりから 漂う夏の景色

 

・・・ん?

 

彼女は浴衣を着ているんですね。

 

浴衣を着て出かける先って・・・。

 

屋形船・・・?

 

・・・・・いやいやいやいや。

 

花火大会じゃない?

 

そんな推察は次の歌詞で見事に当たります。

 

浮かんで消えるガイコツが 鳴らすよ恋のリズム

 

・・・やっぱり!

 

打ち上げ花火がパーンとはじける瞬間に出る光が

 

暗がりで観ている彼女に当たった瞬間

 

主人公は彼女のうなじの後ろ側の骨か、前の鎖骨が見えたのでしょう。

 

ちょっと色っぽいですよね♡

 

そんな彼女を見て、主人公の恋心は一気に盛り上がっております!

 

・・・と思ったら、そう一筋縄では行かないのがオクテ男子。

 

こんな盛り上がった瞬間なのに、なぜかこの世の諸行無常に思いを馳せはじめます。

 

映し出された思い出は みな幻に変わってゆくのに

何も知らないこの惑星は 世界を乗せてまわっているよ

 

「この打ち上げ花火も、その花火に照らし出された彼女の姿も

 

全ては瞬時に消えて幻になる。

 

でも、そんなことは関係なく、この世の中は回り続ける。

 

フッ・・・諸行無常だぜ・・・」

 

↑こんなことを主人公は思っているんでしょう。

 

・・・なんでそんなにニヒルに構えるんですかね?

 

まぁ、打ち上げ花火って完全なる非日常ですから

 

少し斜に構えて見ると、主人公みたいな気持ちになりますよね。

 

もしかしたらこのオクテ男子は、自分の高ぶる彼女への気持ちを抑えるために

 

あえてニヒルを気取ってみているのかも知れません。

 

でも本心では、やっぱり彼女が気になって仕方が無いようです↓

 

本当はちょっと触りたい 南風やって来い

二度と戻らないこの時を 焼き付ける

 

・・・さすがはオクテ男子!

 

何もなくても彼女に触ればいいのに、わざわざ南風を言い訳にしようとしております!

 

でも、南風が思う通りにやってくる訳もないし、触る勇気も出ないので

 

とにかく、二度と戻らない彼女との時間を胸に焼き付けると

 

心に決めたようです。

 

そんなオクテな主人公と彼女の心をつなぐのは、打ち上げ花火のかすかな光・・・。

 

この「かすかな光」という言葉も、主人公と彼女との束の間の絆を象徴していますよね。

 

・・・こんな感じで曲は終わります。

 

いやー、もう草野マサムネさんの世界観が炸裂しております。

 

このオクテ男子は、結局彼女にちょっと触ることもなく安全に家に返したんだと思います。

 

そして彼は、この日の思い出を一生胸に焼き付けて生きていくことでしょう。

 

何と真面目で奥ゆかしい・・・

 

オクテ男子好きな私にとっては最高の歌詞ですが、

 

こういう世界観って、今の若い方には受けるんでしょうか?

 

ちなみにこの曲、発売されたのは四半世紀前の1995年です。

 

もう四半世紀が経ちました・・・。

 

それだけ時間が経って、初めて詞の世界観をちゃんと理解できました。

 

歌詞分析していなかったら気づくことの無かったので

 

往年の曲の新たな魅力を発見できてよかったです。

 

今年は花火大会の多くがコロナウイルスの影響で中止になりましたが

 

来年はぜひ、いろんな花火大会でこの歌詞のようなオクテ男子が

 

好きな女性をバレないように連れ出す勇気を出してくれたら嬉しいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日も素敵な1日を。

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